新規事業の成功例をご紹介!偶然の出会いから生まれたinZONE事業

多角化・新規事業

山地 章夫
山地 章夫

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こんにちは、ヤマチユナイテッドの山地です。

当社では新規事業を次々に立ち上げる多角化戦略によって、売上や利益を拡大することに成功しています。

新規事業を立ち上げた中には、情報収集に動くうちに思いがけない出会いから新規事業のアイデアが生まれたり、ひとつの成功から連鎖して事業がどんどん増えた事例もあります。

今回は、実際に私がどのように新規事業を立ち上げたのか、成功例や成功させるポイント、新規事業のアイデアを出す方法などについて具体的にご紹介します。

当社の新規事業の成功例として「inZONE(インゾーネ)」事業をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. なぜ新規事業を成功させることが企業にとって重要なのか?
  2. 当社の新規事業の成功例?偶然の出会いから生まれたinZONE事業?
  3. 新規事業を成功に導いた3つのポイント
  4. 新規事業のアイデアを出す方法もご紹介
  5. 新規事業の成功例を参考に新たな一歩を踏み出そう

なぜ新規事業を成功させることが企業にとって重要なのか?

新規事業の立ち上げは、市場の変化についていくという生き残り戦略においても、人材育成という点においてもとても重要です。

さらに「事業を多角化して会社の規模を大きくしたい!」というときも、新規事業の立ち上げが必要ですよね。

多角化戦略の大きなメリットは、利益アップはもちろんのこと、不測の事態で経営環境が大きく変化してもフレキシブルな対応ができるようになることも挙げられます。

不採算部門から別の部署へ人員を異動させたり、事業を再編成したりすることも可能となるでしょう。

多角化戦略のメリットについてはこちらのコラムもご覧ください。

事業拡大のメリットとは?拡大方法・リスク・成功事例を知って成功へ

多角化戦略12のメリット。多角化経営が可能にすることとは

当社の新規事業の成功例〜偶然の出会いから生まれたinZONE事業〜

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十数年前のことです。

私は遊休資産である古い倉庫をどう活用すべきか、常々考えていました。

国道沿いでアクセスに優れ、高級住宅街が近く、立地のよい場所だったからです。

そんなとき、大阪でショールーム型のリフォームビジネスのセミナーがあると知り、出かけてみました。

そこで知り合ったのが福島県のリフォーム会社。

視察ツアーに参加して、郡山にあるショールームを見に行きました。

見学を終えて外に出ると、隣になにやらおしゃれなインテリアショップがある。

私もインテリアは大好きですから、どうしても気になって、塀をまたいで隣の店に入ってみました。

たまたま社長がお店にいらしたので「北海道から来ました」と自己紹介して、いろいろ質問しました。

聞くと、「隣でリフォームしたあとに家具を買ったり、家具を見に来た人が立ち寄ってリフォームの契約をしたり、隣接してることで相乗効果がある」と言います。

ビビッときました。

そこはインテリアチェーン「アクタス」の代理店でしたが、社長が言うには「札幌でも代理店を探している」とのこと。

それで、札幌に戻ってすぐにアクタスに電話してみたんです。

つまり、リフォームのショールームの話を聞きに行って、インテリアショップに出会ってしまったわけです。

当時、北海道のインテリアショップは、超高級なラインか、低価格の量販店クラスに二極化されていて、中間のラインナップがありませんでした。

アクタスの中高級路線の家具はニーズがあると思いました。

さっそく、遊休資産の倉庫を取り壊してインテリアショップの店舗を新築。

2007年、札幌初の本格的ライフスタイルショップ「inZONE with ACTUS」としてオープンしました。

商品構成もニッチだったからでしょう、「こういうお店を待っていた」と、全道からお客さんが訪れるようになりました。

事業の多角化戦略の成功例や成功条件などについてもっと知りたい方は、こちらのコラムもあわせてご覧ください。

事業の多角化戦略の失敗例・成功例とは?成功させる条件もご紹介

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新規事業を成功に導いた3つのポイント

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「inZONE with ACTUS」がオープンし、多くのお客様が足を運んで下さるようになったとき、私は既に次の構想を抱いていたんです。

新規事業を成功に導いたポイントは次の3つ。

  • 自社の強みや課題を把握しておくこと

  • 自社の得意分野で展開できる仕組みであること

  • 自社ブランドを育てること

それぞれ、新規事業の成功事例とともに見ていきましょう。

自社の強みや課題を把握すること

新規事業を成功させるには、自社の強みや弱み、弱みを解決する手段があるか、それらをしっかりと分析・調査した上でどのような事業を展開できるのかを考える必要があります。

以前、輸入家具の小売店を手掛けたことがあったので、インテリアショップだけでは大きな利益にならないのは初めから分かっていました。

当初から店は集客装置と割り切って、住宅の受注につなげようと考えていたのです。

オープンに先立って、全国のアクタス店舗をいくつか見学したのですが、その中にインショップ住宅会社が入っているケースがありました。

店舗で住宅の受注ができれば、ボリュームのあるビジネスになると気付いたのです。

当社の場合は、「遊休資産の倉庫をどうしようか」というのが始まりでした。

自社の強みや解決したい経営課題を常に意識していれば、役に立ちそうな情報がアンテナに引っかかりやすくなります。

反対に、それらが漠然としたままでは、素晴らしい出会いもスルーしてしまうことになるでしょう。

得意分野に事業を展開する

多角化戦略といえども、自社とは遠い業界で新たな事業を立ち上げるのは現実的ではありません。

自社の得意分野に絡めた事業展開が、新規事業を成功させるカギの一つとなります。

当社の「inZONE(インゾーネ)」事業の場合、アクタスのライセンスショップにせず、自社で他事業へ展開可能なパートナーズショップを選択したことが成功へ導きました。

もちろんリスクはありますが、自社の強みや課題を把握していれば、より拡大可能な道へ踏み出すこともできるのです。

自社の得意分野にマッチした業界への参入を考えることが大切です。

当社の場合、「inZONE with ACTUS」をオープンして間もなく、インテリアと一緒に考える家づくりを提案する「インゾーネの家(inZONE DESIGN LABO)」をスタートさせました。

すると、インゾーネで雑貨を購入したお客さまが、お店のファンになって下さいました。

雑貨だけでなく、高級なソファを購入していただいたり、ソファを気に入ったお客さまがほどなく住宅を契約して下さったりと、そんな事例が増えてきたのです。

それまでは「家を建ててから家具を買う」のが一般的だったのですが、まるきり逆パターン。

「お気に入りのソファや雑貨が映える家を建てたい」というニーズもあるんじゃないか、という仮説が当たったわけです。

こだわりの強いお客さまが多いのでインゾーネの家は、すごく変わっています。

窓は小さくして壁面を広くしたいとか、これまでの常識とは違う設計を頼まれることもあります。

ニッチなマーケットではありますが、年間30〜40棟の契約があり、売り上げ10億円のパッケージになりました。

自社ブランドを育てる

inZONE(インゾーネ)事業はさらに展開して、マンションのリノベーション事業やレストラン事業も成功させています。

こうしたインゾーネの展開は、当社の多角化戦略の代表例です。

当初はリフォームのショールームを考えていたのに、偶然の出会いからインテリアショップとしてオープン。

それが集客装置となって、住宅事業につながり、さらにマンションのリノベーション事業、飲食事業へと発展していく。

成功が連鎖していくのです。

こうした展開が可能になったのは、インテリアショップを「inZONE」という自社ブランドで育てたことが勝因といえます。

アクタスとの契約の際、店舗名をアクタスにするライセンスショップと、自社のブランドネームをつけるパートナーショップの2種類が選べました。

ライセンスショップにすると、仕入れ値が安くなる代わりにさまざまな制約も出てきます。

私はインテリアショップ単体で終わらせるつもりはなかったので、仕入れ値が多少高くても、自社のブランドネームで勝負することに決めました。

ちなみに「inZONE」とは、インテリアのインと空間を表すゾーンをあわせた造語です。

イタリアっぽくインゾーネという読み方にしました。

もしアクタスのブランド名に頼っていたら、住宅やレストランへの展開は困難だったはずです。

新規事業のアイデアを出す方法もご紹介

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新規事業を立ち上げたいと考えたとき、事業のアイデアをどこから持ってくるかは多くの経営者の悩みではないかと思います。

ここからは、当社でどのように新規事業のアイデアを出しているのかご紹介します。

成功へのヒントやアイデアは現場の声を聞こう

先ほどご紹介したマンションのリノベーション事業やレストラン事業は、実は現場から上がってきたアイデアを事業化したものなのです。

社内から出た提案に耳を傾ける姿勢がトップにあれば、社員は現場で得た貴重な情報をビジネスチャンスへつなげてくれるはずです。

inZONE(インゾーネ)の顧客にはマンションユーザーも多く、家具に合うようにおしゃれに改装したいという声が多いというのです。

それでマンションの中古物件を骨格だけのスケルトンにして、3LDKを1LDKにするようなリノベーション事業を始めました。

これが「M+(エムプラス)」です。

今はマンションリノベーションを扱う会社は数多くありますが、当社はその先駆け。

inZONEの店舗に相談カウンターを設けて、リノベーション事業をスタートさせると、40代の独身女性にニーズが高いことがわかってきました。

これまで仕事をバリバリがんばってきたキャリアの女性がマンションを購入し、一人暮らし用にリノベーションするケースが意外に多い。

現場の声を聴くことで、予期せぬ顧客が見えてきたのです。

もう一つ、現場からのアイデアで始まったのが、インテリアショップがつくるレストラン「inZONE TABLE」です。

インゾーネの家具や雑貨でコーディネートした飲食店をつくり、お茶やお食事を楽しんでもらう。

その中でインゾーネの家具の使い心地の良さやおしゃれな空間のつくり方を体感してもらいたいという、社員のアイデアでした。

そこで、古い2階建ての民家をリノベーションして、インゾーネの家具をリアルディスプレイしたレストランをオープンさせたのです。

現在は、札幌駅にある商業施設に場所を移転しましたが、家具やおしゃれな空間づくりにこだわるというコンセプトは変わっていませんし、レストランにあるソファや照明を気に入って、同じものをショップに買いに来てくださる方もいらっしゃるようです。

新規事業のアイデアがないときこそ積極的に行動を

そもそも事業を多角化したくても「何もネタがない」という方は少なくないはずです。

どんな事業から手をつけたらいいのか、見当がつかないのだと。

そんな時はまず行動です。

「めぼしい企業へ視察へ行く」

「セミナーや交流会に参加する」

「取引先の企業とアイデア交換をする」

このように、とにかく人に会い積極的に情報収集をしましょう。

私の場合でいえば、視察に行った先で、目的外の隣のショップへ足を伸ばしたことが運命的な出会いを呼び寄せました。

用事が済んだらすぐ帰るのか、好奇心を持ってさらにもう一歩を踏み出すのか、そこが新規事業アイデアを得られるかどうかの大きな差になります。

新規事業において人脈を広げる大切さは「新規事業の立ち上げ、アイデアの見つけ方とは?人脈を広げる大切さ」でもご紹介していますので、参考にしてください。

新規事業の立ち上げプロセスに関しては「新規事業の立ち上げ準備のプロセスとは?成功までのステップを解説」でも紹介していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。

新規事業の成功例を参考に新たな一歩を踏み出そう

「市場の変化についていく」という生き残り戦略においても、人材育成という点においても、企業にとって重要な新規事業。

当社の新規事業の成功例であるinZONE(インゾーネ)の事業は、偶然の出会いから始まりました。

こうした偶然を必然に変えるには、いくつかのポイントがあると思います。

まずは自社の強みや課題を把握し、得意分野で事業を展開できる仕組みを構築しましょう。

自社ブランドを育てることによって、事業を派生させて複数の市場で成功を連鎖させることができます。

新規事業のアイデアに行き詰ったら、現場の声を聞いたり気になったことに対してとにかく行動することも大切です。

さて、当社の新規事業の成功事例のひとつ「inZONE」事業は、あなたのヒントになったでしょうか。

当社では、経営に役立つセミナーや研究会なども随時開催していますので、きっとたくさんのヒントが見つかります。

興味があるイベントがありましたら、ぜひご参加ください。

また、当社にはもうひとつ、偶然の出会いから始まった高齢者向けのデイサービス「きたえるーむ」というフランチャイズ事業もあります。
こちらは、ゴルフ場での雑談から生まれた事業です。


詳しくは「デイサービス経営を成功させるコツは?「きたえるーむ」の成功事例」をご覧ください。

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