KPI設計のポイントとは?KGIとの関係性と効果的な活用方法も

業績管理・経営計画

山﨑 舞
山﨑 舞

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こんにちは、山崎です。

「業績アップのため、日々部下に発破をかけないといけない...」そんな悩みはありませんか?

効果がまったくないとは言いませんが「やらされ感」で働いてもらっても、なかなか業績は上がらないものです。

合理的な仕組み作りのカギとなるのが、今回ご紹介する「KPI」です。

KPIを設定する際に便利なKPIツリー設計のポイントについてもご紹介します。

KPIツリーの設計は、PDCAサイクルを上手に回す原動力にもなり得ますので、ぜひ活用してみてください。

目次

  1. KPIとは?KGIとの違いや関係性も確認
  2. KPIの設定・KPIツリーの設計のポイントを事例とともにご紹介
  3. KPIツリーをPDCAサイクルのツールとして効果的に取り入れるには?
  4. KPI設計は定期的な振り返りがカギ!社内でKPIツリーを共有し活用を

KPIとは?KGIとの違いや関係性も確認

KPIとは「Key Performance Indicator」を略した言葉で、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれています。

対してKGIとは「Key Goal Indeicator」、日本語では「重要目標達成指標」となります。

KGIはゴール目標で、KPIはゴールにたどり着くための中間の指標と考えても良いでしょう。

例えば、飲食業でKGIを「年間の営業利益目標の達成」とするなら、KPIは「客単価〇〇円」「予約件数〇件/月」「FL比率〇%」というように、KGIにたどり着くための先行指標となり得る数値を設定することです。

※FL比率 = 売り上げに対しての食材費と人件費の割合

仮にKGIが毎年同じだとしても、KPIは環境だったり、その時点での組織の成熟具合や構成人員などによっても変わってくるものだと思っています。

当グループの考え方として、KPIは「自分たちで設定して、自分たちで管理すべきもの」。

上から「これでやって」と数字を与えられるだけでは、ただ置いているだけの目標になってしまいます。

現場の実情やメンバーの力量などすべてを考慮しながら、自分たちの手で設定することで意思が込められ、目標達成への執着心が生まれるというところにKPIの意義を強く実感するのです。

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KPIの設定・KPIツリーの設計ポイントを事例とともにご紹介

「KPI」を設定する際には「KGI」だけでなく、「KSF(Key Success Factor = 重要成功要因)」「KDI(Key Do Indicator = 重要行動指標)」と共に視覚化すると理解しやすくなります。

下図は当グループの飲食事業部でKPIを設定する時に使っている「KPIツリー」のサンプルです。

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このようにKPIツリーで示すことによって「KGI(ゴール目標)」「KSF(達成するために必要な要素)」「KPI(中間の目標)」そして「KDI(KPI達成のための具体的な行動目標)」を示すとそれぞれの関係性が明確になりますね。

言葉だけでKPIを設定するよりも、KPIツリーにすることによって「KDI」と「KPI」、「KGI」と「KSF」が、きちんと紐づけされているかどうか視覚的に確認しやすいこともメリットです。

続いて、KPIツリーを設計する際のポイントを4つご紹介します。

KPIツリーの設計ポイント

①KPIは数値で表現できるものにする

「コミュニケーションの質を上げる」「会話量を増やす」というように、KPIには数値で表せないものを設定することはできません。

〇円、〇件、〇%というように、具体的な数値目標で設定しましょう。

②KPIは多くても3つまでとする

当グループではKPIは多くても3つまでに収めようと決めています。

追うものが多すぎると目的意識が分散してしまうからです。

③「パーセンテージの穴」に注意

KPIをパーセンテージで設定するのはもちろんアリですが、分母が変わるものには要注意です。

例えば、KPIを「契約率100%」と設定した時に、お客様からの問い合わせが1件あり、それが契約に結びついた場合、問い合わせ件数1に対して契約数1であれば契約率100%を達成したことになってしまいますね。

しかし、KGIが「成約数30件/年」であるならば、このKPIは紐づいていないという判断になります。

このケースの対処法としては、契約率だけではなく問い合わせ件数にも注目すること。分母が変数となるパーセンテージのKPIには特に注意が必要です。

④KDIがKPIに紐づいているかチェックする

KPIツリーの設計が完了したら、実務の中でKPIを意識しつつ、KDIを実践していくという流れになります。

KPIツリーを設計する際「KDIが適切に実行されているか」ということはもちろんですが、「KDIがKPIにしっかり紐づいているか」のチェックも必要です。

先ほどご紹介した当グループの飲食事業部の図でいえば、KGIは「年間の営業利益目標の達成」、KPIは「客単価〇〇円」「予約件数〇件/月」「FL比率〇%」となっています。

ですが、例えば「予約から来店するお客様がまったくいない」という状態でいつまでも予約件数を追っていても、おそらく事態はあまり好転しないと思うのです。

その場合は、実際のゴールからは少し遠いかもしれないのですが「まずはこのハードルをクリアしたい」というところをKPIに置きましょう。

目標達成へ執着するには、KPIの見直しを検討する必要があるのです。

当グループの飲食事業部の例では予約件数の代わりに、その手前にある「問い合わせ件数」「公式サイトやSNSのPV数」などを置いてみてはどうか、となりますね。

これが先述した「環境や組織の状況によって変わっていく」ということです。

当グループのように多角的に事業展開している企業であれば、業種が違ってもBtoB同士、BtoC同士でKPIが似通ってくることに気が付くでしょう。

BtoBなら、例えばお客様のセグメント分けをして「500万円以上の取引実績があるお客様をA顧客」「100万円~500万円未満の取引実績があるお客様をB顧客」とした時に、B顧客をA顧客化していくというようなことがKPIになるケースがよくあります。

BtoCの場合、当グループだと飲食、介護、インテリアとまったく異なる業種なのに、店舗展開をしているという点で客単価や固定費といった部分に着目してKPIを設定することが多く、面白いものだなあと思っています。

当グループの「連邦・多角化経営実践塾」でも業績管理に関する講義を行っていますが、参加企業様からは「KPIの設定方法がわからない」、または「KPIを設定していても達成できない」というお話しをよく聞きます。

中間の目標となる「KPI」や、ゴール目標である「KGI」を達成できない企業様にその背景を伺ってみると、「上層部が決めたKPIを現場に下ろし、現場の人間は何だかわからないままにやっている」という印象。

KPIの設定は継続的にやっていくことに意味があるのに、成果が上がらなければ続きません。

とはいえ「現場に任せるのは...」と躊躇される気持ちも理解できます。

連邦・多角化経営実践塾では「任せられる社員の育成法」「幹部の意識改革」といったことも含めてお話ししています。

システムツールを導入するのも、もちろん効果的ですが、当グループではエクセル1つで誰でも簡単にKPI設定ができる方法を取り入れていますので、興味をお持ちいただければ幸いです。

また、業績管理システム導入に特化したオンライン講座「KATAKA」も非常に好評です。

今まさに会社を大きくしていこうと動き始める企業様にぴったりの内容となっていますので、ホームページをぜひご一読ください。

KPIツリーをPDCAサイクルのツールとして効果的に取り入れるには?

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KPIツリーを上手に使うと、「PDCAサイクル(Plan、Do、Check、Action)」の原動力として活用することができます。

そのために必須としていただきたいのが、定期的な振り返りです。

定期的な振り返りを行うことにより、KPIに根拠があるのか、KGIと紐づいたものとしてきちんと機能しているか、日々実践しているKDIがKPIにつながっているかを確認することができます。

KGIを年間目標とするなら、KPIは中間目標という位置付けになるので、月ごとにKPIを見直しながら、KDIが実践できているか定期的に振り返りを行うことが、KPIツリーの効果的な活用方法となります。

先述したように、KPIが現状に合っていなければ見直しをして、修正が必要です。

振り返りのタイミングについては、当グループでは頻繁に行っており、1週間に1度KDIがうまく実践されているかどうかを確認。

数字は月で締めて管理しているので、月目標を必達にするためにやはり週次でPDCAが一回りするような実行計画を立てています。

そうなると、KPIは月ごとに動くものにするのがベター。

もっと期間が延びると月の行動が緩くなる恐れがあるので、1カ月単位で達成度を確認できるものが良いと思います。

当グループでは目標設定の手法である「SMARTの法則」をあえて取り入れているわけではありませんが、KPIツリーを設計する際の条件として非常に近いのでご参考ください。

「SMARTの法則」

  • S(Specific = 具体性)

  • M(Measurable = 計量性)

  • A(Achievable = 達成可能性)

  • R(Relevant = 関連性)

  • T(Time-bound = 期限)



当グループで重視しているのは、やはりKPIツリー。

事業ごとあるいは部門ごとのKPIツリーを社内で共有すると、社員同士の切磋琢磨に役立ちます。

うちではさらにKPIツリーの内容を「部門方針書」に落とし込むということも行っていて、他事業部のKPIツリーや部門方針書を閲覧することで気付きを得られる機会も多いと聞いています。

部門方針書について詳しく知りたい方は「部門方針書とは?例文とともに作り方や効果的な活用方法を解説!」もあわせてご確認ください。

KPIを含めた業績管理の方法については「業績と売上の違いとは?社員自身が業績管理を行う方法とポイント《システム経営の3本柱》 第2回:自主管理」も併せてご覧ください。

KPI設計は定期的な振り返りがカギ!社内でKPIツリーを共有し活用を

今回はKPI設計のポイントについてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか。

改めておさらいとはなりますが、それぞれの指標の意味は以下の通りです。

  • KGI(重要目標達成指標):ゴールとなる目標

  • KSF(重要成功要因):KGIを達成するために必要な要素

  • KPI(重要業績評価指標):KGIを達成するための中間目標。KFSを数値化したもの

  • KDI(重要行動指標):KPIを達成するために必要な行動計画を数値化したもの

当グループでは、これらの指標の関係性が視覚的に理解できるよう「KPIツリー」というフォーマットを利用しています。

KPIツリーを設計する際のポイントは以下の4つです。

  1. KPIは数値で表現できるものにする

  2. KPIは多くても3つまでとする

  3. 「パーセンテージの穴」に注意

  4. KDIがKPIに紐づいているかチェックする

また、KPIは設計したら終わりではありません。

KPIは環境や組織の状況によって変わっていくものなので、定期的に振り返りを行いKPIが現状に合っていなければ修正することが大切です。

KPIを軸に振り返りを行っていくと、PDCAサイクルをうまく回すための原動力にもなっていきます。

そしてKPI設定において何より重要なのは、「自分たちで設定して、自分たちで管理する」こと。

上層部が与えるのではなく、現場のメンバーが設定・管理するというところに大きな意義があります

ヤマチユナイテッドでは、社員教育に関してさまざまな角度から取り組んでおり、ワークショップやセミナーなどでもご紹介しています。

スケジュールはホームページでチェックしてみてくださいね。

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