新人教育は心構えが大切!「頼りになる社員」の育成方法

社員が育つノウハウ

二瓶 百花
二瓶 百花

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こんにちは、二瓶です。

私が所属するHRD(Human Resourse Development)という部署は、多彩な事業を展開する「ヤマチユナイテッド」において、グループ全体の採用と人材育成の役割を担っています。

当社の新人教育はOJTや外部のOff-JTよりも、企業理念への理解を深め、価値観を共有するための下地づくりに時間を割くのが特徴。

さらに、決まったマニュアルに沿ったやり方ではなく、新人のうちから自分の頭で考えて行動させることに重点を置き、それが実務にも役立っています。

今回は当社での実例を挙げながら、新人教育の「心構え」について、考え方やポイントをお伝えしたいと思います。

目次

  1. 新人教育の心構えその1・新人教育は入社前からスタート!

  2. 新人教育の心構えその2・自ら考えさせるコンテンツを

  3. 新人教育の心構えその3・内容に一貫性をもたせる

  4. 新人教育の心構えその4・既存社員とのコミュニケーションも大事に!

  5. 新人教育は既存社員の成長の場でもあるという心構えで!

新人教育の心構えその1・新人教育は入社前からスタート!

新人教育というと、入社後にスタートするイメージがありませんか?

実は新人教育は入社前からスタートさせるのが吉!

新人教育担当者もそのつもりで心構えをしておきましょう。


当社では、入社前に2回のタイミングで新人教育の場を設けています。

こちらを例に入社前の新人教育についてご紹介しましょう。

1・内々定授与式

当社では例年、6月1日に内定出しをしたあとすぐに内定者を集めて「内々定授与式」を行います。

ここではグループ代表の山地章夫が講義をし、当社のミッションや働き方、仕事内容などについて丁寧に伝えます。

これにより当社がやろうとしていることをだいたい理解してもらえるので、その後の内定者研修がスムーズになります。

2・内定者研修

内定者研修は7月から2ヶ月に1回のペースで開催します。

いずれの回にも共通する目的は、当社の価値観を共有すること、そして入社後すぐに配属先の部署になじめるように、会社に対する理解と事業に対する理解を深めること。

具体的には座学のほか、入社後の配属先とは異なる部署へインタビューに行かせ、どのような業務であるか学んできた内容を既存社員の前で発表させて、社員から直接フィードバックをもらうというようなことをしています。

新入教育は入社前からの下地作りでスムーズに

研修を重ねた内定者は、4月の入社時には学生っぽさが抜け、ヤマチユナイテッドの一員としての発言、行動、立ち居振る舞いがすでにできている状態になります。

社風としてビジネスマナー講習のような研修は一切やらない代わり、「ヤマチらしさ」がよく出るコンテンツを工夫することで「ヤマチらしさ」を身につけてもらうようにしています。

当社では内定者研修の段階から幹部社員育成の下地づくりを視野に入れているので、社風や理念を早いうちから理解させることは長期的観点から見ても非常に大切なのです。

とはいえ、1回程度の内定者研修ではなかなか吸収できるものではありません。

回数を重ねて徐々に浸透させていくのがもっとも効果的です。

新人教育の心構えその2・自ら考えさせるコンテンツを

新入社員、既存社員を問わず、当社では「日々の業務や会社の未来をよりよくするためにはどうしたらいいか」を一人一人に考えさせ、行動させるという経営方式を取っています。


内定者研修の話に戻りますが、最終課題として与えているのが「学生のうちにしかできないことで、未経験のことにチャレンジしてみよう」というもの。

チャレンジの過程は10分程度のスピーチにまとめ、やはり既存社員の前で発表する場を設けます。

こちらからは「これをやって、あれをやって」という指示は一切せず、「あとになって『学生時代にやっておけばよかったな』と思わないように、できることを思い切りやってみて」とだけ伝えます。

そうすると本当にチャレンジ内容は多種多様で、遠く離れた実家に歩いて帰るとか、100人とフリーハグとかユニークなものも。

今年は父親のルーツをたどろうと長野県に住む父の友人宅をアポなしで訪ねたところ、祖父母の同級生までもが登場し、みんなで宴会をしたと発表してくれた子がいました。

チャレンジを通じて、それぞれの個性や考え方が見えてくるのが面白いところです。


この課題は「何をやりたいか」「どのように行動したらいいか」「聞き手をワクワクさせるにはどうすればいいか」という部分を考えていかないとクリアできません。

元々は企画力やプレゼン力、スピーチ力を養うためのプログラムですが、先述したように当社は一人一人が考えて行動するスタイル。

実際に、入社後はざっくりと指示されることも多いので、それに対して自分でどう考えてどう行動するかを求められる場面があるよ、ということを課題を通じて伝えているような部分もあります。

「うちは指示出さない会社だよ」と口で言ったら、新卒にとっては恐怖でしかないですからね(笑)

新入社員の心構えも育つ新人教育を意識しよう!

さて、新人たちの「考えて行動する」技量が試されるのが、入社後1年にも満たない次の就活シーズン。

新入社員の中から適性に応じてリクルーターを任命し、採用の場で活動してもらうのです。

当社のリクルーターは1〜3年目の社員で構成され、1年目であっても、学生に対して自分の言葉で当社の魅力をPRし、今度はインターンシップを進行する側として動かなければなりません。

ですが、リクルーターに選ばれること自体、当社ではステータスと言っていいくらいうれしいことなので、新人たちは生き生きと働いてくれるのです。


どんな企業でも、入社後は自分で考えて行動に移さなければいけない場面があるはずです。

その時にとまどったり困ったりしないように、易しい課題から順々に目標を達成させ、あらかじめ訓練しておくことも必要ではないでしょうか。

新人教育の心構えその3・内容に一貫性をもたせる

当社の新人教育は、内々定授与式と内定者研修、入社時研修と続いた後、OJTと並行してスピーディーに即戦力を育てるフレッシャーズキャンプを月1回開催という流れになっています。

グループ全体の採用と人材育成を担当するHRDという部署は、2018年3月に設立されたばかり。

それまでは部署という形ではなく、専任の採用担当が人事にあたっていました。

HRD設立以前もほぼ同じ流れで新人教育が行われてきましたが、決定的に違うのは各研修の運営がバラバラであったという点。

例えば入社時研修は採用担当者が対応し、フレッシャーズキャンプは若手社員による事務局が進行、各部署のOJTは現場の先輩社員の手に委ねられるといった具合で、流れはあっても一つ一つにつながりがありませんでした。

現在はこれらの運営をすべてHRDが統括していることにより、それぞれの研修で教えること、やっていることに一貫性が生まれました。

元々、研修ごとに教える内容が極端に違うということはありませんが、今回学んだことに基づいて次のステップをすぐに用意することができるようになったので、今年は例年より早いペースで研修が進んでおり、同時に内容がレベルアップしていることも実感しています。

このほか、新人の上司と研修内容をはじめとした情報共有ができること、新人をフォローするメンター制度では状況を踏まえていち早く改善策を提示できることなど、HRDがグループ全体にまたがって介入することで得られるメリットは、新人教育の面だけでもたくさんあります。

また、当社で採用している「ゴレンジャー理論」で言えば、現在はリーダー気質で周りを引っ張るアカレンジャータイプが非常に多い状態。

今まではアカレンジャータイプが多い会社だからとそれを目指した新人教育を行ってきましたが、HRDを通じて俯瞰的な見方ができるようになったので、今後は会社のニーズに合わせた人材、今ならつまり、冷静で分析力に優れたアオレンジャータイプを育てていこうと考えています。


「うちはそこまでの規模じゃないから」と思っている皆さんも、少なくとも毎回の研修内容にブレが出ないよう統括役を配置してみてはいかがでしょうか。

「前回と言っていることが違う」「人によって指導方針が変わる」といったことは新入社員の不安をあおりますし、会社への不信にもつながりかねませんよ。

新人教育の心構えその4・既存社員とのコミュニケーションも大事に!

内定者研修の話でもお伝えしたように、当社では新入社員と既存社員との接点をなるべく増やすよう努めています。


内定者の疑問や不安を解消する場として設ける座談会もその一つ。

就職活動真っ只中の時期は、私自身もそうでしたが、「この会社に入りたい!」という一心で周りが見えなくなっているため、給与や休みなど待遇面を気にかける余裕がありません。

内定後、「そういえばどうだったっけ?」とようやく気がつくのですが、タイミングを逃してしまってなかなか確認できない人も多くいます。

せっかく内定までこぎつけたのに、いざ入社したら思っていた仕事と違ったと、ミスマッチで辞めてしまうなんていうのはよく聞く話。

そこで私や配属先の部署の社員を入れて内定者との座談会を開き、「今疑問に思っていることはない?」と、面談のフォローのようなことをするのです。

実はこれも新人教育の一環で、「こうして優しく接してもらったから、来年の新人には自分たちも同じようにしなきゃいけないな」と思わせる狙いがあります。

既存社員にもこの感覚は定着していて、内定者が集まっていると聞きつけると、自主的に集まってきて情報交換に応じるなど、積極的に交流してくれています。

新人教育は既存社員の成長の場でもあるという心構えで!

「新人教育」とはいいますが、そこに携わる既存社員にとってもこういった場は大きな成長の機会です。

人に教える=アウトプットするためにはインプットや事前の準備が必要ですから、教える側にも学びの要素はあるわけです。

また、新入社員に対して話したことに責任感が生じるので、「うちの社員としてはこうありたいね」と言葉に出せば、自らもそう振る舞うよう意識が向上することも成長の一端であると思います。


新人教育の担当を決めたいが人選に迷うという場合、既存社員にも成長の機会を与えるという心構えで選出してもいいかもしれませんね。


ヤマチユナイテッドでは、このような新人教育など会社経営のノウハウやミッションの導入方法など、ワークショップやセミナーなどのイベントを随時開催しています。
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

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