同期の結束力が高まる! 多角化企業のための内定者研修

社員が育つノウハウ

二瓶 百花
二瓶 百花

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新卒採用を行っている会社では、内々定を早めに出す企業も少なくありません。

正式な内定式は10月1日解禁とされていますが、皆さん、それまでのフォローはどうされていますか?

入社までの半年間に、どのような研修をすれば、新入社員はいいスタートダッシュを切れるでしょうか?

4月からそれぞれ違う会社に配属されるグループの新入社員が、入社前に仲良くなる方法はあるのでしょうか?

今回はグループの採用担当、わたくし二瓶(にへい)が、当社で行っている内定者研修についてご紹介いたします。

目次

  1. 内定者研修の目的とは?
  2. 内定者主催のイベント「ジョブハンティング」
  3. 「曼荼羅チャート」で10年後の目標設定
  4. 研修プログラムは若手社員が企画
  5. 内定者研修で気をつけるポイント
  6. まとめ

1.内定者研修の目的とは?

当社では内々定を出したあと、2カ月に1度のペースで「内定者研修」を行っています。目的は内定辞退を防ぐ囲い込みではなく、同期入社のメンバーのコミュニケーションの活性化。グループワークによるチームワークの養成や、目標設定によるモチベーションの向上を目指しています。

2カ月に1回の開催といっても、その間に課題を出すので、ただ参加すればいいというお気楽な研修ではありません。

次の研修までにメンバー同士で連絡を取り合い、チームで取り組まなければならないグループワークをあえて組み込んでいます。

当社では近年20人前後に内定を出していますが、研修ではまず内定者を4つのグループに分け、それぞれにリーダーを決めることからスタートします。

リーダーを指名するのは、私たち採用チーム。リーダーシップのありそうな子、緩衝材になってくれそうな子と、キャラクターをみて振り分けます。

配属先の会社や部署が違う人をあえて同じチームにするのがポイントです。

2.内定者主催のイベント「ジョブハンティング」

グループワークの中で、最も大きな課題は「ジョブハンティング」の企画・運営です。

「ジョブハンティング」とは、内定者の後輩にあたる大学3年生向けに行う当社独自のイベントです。

ただし、企業説明会の解禁は4年生の3月なので、おおっぴらに集客できません。「就活」という言葉も使えません。

なので告知がすごく難しい。SNSで拡散したり、後輩に声を掛けたりして参加者を募ります。

内定者はこのイベントの企画書づくりから、段取り、集客、当日の運営まで全部自分たちで行います。

それぞれのチームにはアドバイザーとして若手社員(リクルーター)を2人ずつ配置して、作業の進行を管理。学生気分でのんびりしていまうメンバーにハッパをかけるのが役目です。

とはいえ、内定者は札幌市内の学生だけではないので、LINEで連絡を取り合って進めるのは大変。それぞれ卒論やアルバイトの予定もあるし、スケジュールをあわせるだけでも一苦労。そういう難しさに直面しながら実践的にチームワークを学んでいきます。

去年は2日間の開催で100人の学生を集めましたが、自分たちでやりきったときには、大きな達成感を感じたはずです。

3.「曼荼羅チャート」で10年後の目標設定

もうひとつ、去年から始めた取り組みが「曼荼羅チャート」を使った目標設定です。

曼荼羅チャートとは、メジャーリーガーの大谷翔平が高校生のときに書いたというので話題になった目標設定シート。中心に将来のビジョンを置いて、それを実現するために何をすればいいのか、細かく目標を設定していく仕組みになっています。

まだ入社前で業務も分からないので、くわしく記入できるわけではありませんが、内定の段階から将来的なビジョンを意識してもらうために活用しています。

シートの中央には10年後のビジョンを書き込んでもらいます。

たとえば「新規事業のマネージャーになる」「フランチャイズの事業部で地元に貢献する」とか、なんでも構いません。

次に、それを叶えるために何が必要かを周囲に書きます。「知識力」「コミュニケーション力」「強い心」などなど。

さらに、それらを身に付けるために、どんな行動をとるべきか書きます。「挨拶をする」とか、当たり前のこともあるんですが、それでもいい。とにかくマスを埋めて書き込むことに意味があると伝えています。

全部書いたら、10年後に向けた目標設定シートが完成するので、これを入社後にも継続して使います。

3月の新入社員研修、4月からのフレッシャーズキャンプなどでも折に触れて「曼荼羅シート」を振り返り、1年目の目標設定をどこにするか、全体を見ながら考えてもらうのです。

現場に配属され、だんだんと業務を理解していけば、具体的な目標も立てられるようになります。常にフィードバックしながら、どの程度、達成できたのかを自分で確認できるようにして、モチベーション向上につなげています。

4.研修プログラムは若手社員が企画

内定者研修のプログラムは、毎年、採用チームが中心になって企画するのですが、みんなでニセコ登山に出かけた年もありました。

内定者はチームに分かれてグループワークを行うので、チームのメンバーとは仲良くなっても、ほかのチームの人との交流は意外に少ないのが盲点。なので、最初にみんな一緒に辛い経験を乗り越えることで、仲間意識を高めてもらいたいと、山登りが企画されました。

内定者とリクルーターで一緒にニセコのアンヌプリに登り、夜は幹部社員も加わってコテージでバーベキューをして1泊。同期の結束力が強まったと、とても好評でした。

人のやらないチャレンジをして、その体験をプレゼンするスピーチコンテストをやったこともあります。

大学のあるまちから遠方の実家まで歩いて帰るというチャレンジをした学生は、途中で断念したというプレゼンだったり(笑)、街角でフリーハグ100人に挑戦したり、ユニークな発表がありました。

これは企画力、プレゼン力、スピーチ力を養うのが目的でしたが、ほかにも若手社員が「自分の新人時代」などをテーマに、内定者に自分の経験を伝える講演会なども毎年行っています。

5.内定者研修で気をつけるポイント

こうした内定者研修のプログラムで、私たちが気をつけているのは次の2つです。

(1)自分たちのことは、自分たちで解決させること。

たとえばチーム内でなにかもめごとが起きているのに気付いたとしても、相談されるまでは、リクルーターは一切口を出さないのがお約束です。

学校なら先生が干渉してくれて解決できたかもしれませんが、社会人はそうはいきません。自主的に解決を探る姿勢を身に付けてもらいます。

(2)年齢の近い先輩社員たちとの接点を増やすこと。

当社では入社1〜4年目までの若手社員は、強制的にリクルーターとして登録されています。その中から業務量や適性を考慮した上で、そのつど適任者を手配します。内定者研修の場合には、優しい人、エラそうにしない人を選ぶようにしています。

新卒入社の新人が現場に配属され、おどおど、きょろきょろする時期に、近くに顔を知ってる先輩がいたら心強いですよね。

社員のほうでも、新人を気に掛けて話しかけるだろうから、きっと相当助かるはずです。ましてや年齢の近い先輩、ちょっと上の先輩と、知った顔が何人かいれば、問題ごとに相談する相手も選べるはず。内定者研修の大きなメリットは、そうした社内の交流促進にあります。

6.まとめ

同じグループ内とはいえ、配属先の会社や事業が違うと、仕事上の接点はあまりありません。同期がぐっと親しくなれるのは、内定者研修から新人研修、フレッシャーズキャンプまでの1年半だけです。

深く交流しないまま、別々の職場で働き始めたら、同期の関係はそれきりかもしれませんが、内定の段階で仲良くなれば、仲間がどんな仕事をしているのか興味を持てるし、助け合うこともできるはずです。

もちろん仲がいいだけではダメなので、切磋琢磨して高め合うライバル意識も欠かせません。

ときには厳しい意見を言い合いながら、自らフィードバックして、短期間で成長してもらいたい。そのために、私たち採用チームは、研修プログラムの反省点を共有し、毎年ブラッシュアップを続けています。

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