新入社員の早期離職対策とは?面談制度「フレッシャーズサポート制度」を紹介

採用・育成

山﨑 舞
山﨑 舞

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こんにちは、ヤマチユナイテッドの山崎です。

ヤマチユナイテッドは「企業は人なり」というポリシーのもと、人材育成を非常に重要視しています。

そのため、特に新卒採用に関しては毎年非常に力を入れています。

そういう背景もあり、新入社員が早期に辞めてしまうことがないよう、フォローする体制にも力を入れています。

今回は、新入社員の早期離職対策を解説します。

新入社員を早期離職に追い込む要因や、早期退職のデメリットについてもご紹介。

当グループが取り入れている面談制度「フレッシャーズサポート制度」についても詳しくご紹介しますので、ぜひご覧ください。

目次

  1. 企業にとって新入社員が早期離職することのデメリットとは?
  2. 新入社員の早期離職を防ぐためにできること
  3. 中小・中堅企業必見!早期離職を防止する面談制度とは?
  4. 新入社員の早期離職対策にこそ、面談制度を取り入れよう
  5. 新入社員を早期離職に追い込む要因

新入社員を早期離職に追い込む要因

新入社員が早期離職を選ぶ理由として「思っていた仕事と違ったから」というパターンもありますが、ミスマッチが生じる原因はそもそも採用シーンでの問題。

採用ミスマッチの背景には、求める人材のモデルとなるような母集団の形成ができていなかったり、会社の情報や考え方をしっかり伝えきれていなかったりということがあるので、このパターンについては採用シーンで潰しておくべき問題です。

「採用ミスマッチ」と「入社後の現場の対応によって問題が発生するケース」を分けて考えます。

今回は、入社後に新入社員を早期離職に追い込んでしまう要因を2つご紹介します。

入社後:モチベーションが担保されていない

ピカピカの新入社員であっても、採用されたからには何かしら期待されている部分があると考えて仕事に臨んでいるはずです。

それなのに「君にはこれくらいやってほしい」「こういうことを期待して君を採用した」という会社側の期待度が伝わらなければ、当然モチベーションが下がってしまいます。

新人の立場で意外とよくあるのが「やることがない」という状況。

人員の少ない中小・中堅企業では特に、現場の人間が忙しさのあまり新入社員を放置してしまい、入社したのにいつまでも「お客さん状態」ということが起こりがちです。

これが数カ月も続くと、新入社員は、期待されていないどころか「足を引っ張っている」とまで考えて心が病んでしまうことも...。

会社の一員としての帰属意識も生まれてこないので、結果的に「会社になじめなかった」と辞めていってしまうのです。

入社後:相談先が確保されていない

悩みや不安を打ち明ける先がないケースも、新入社員が早期離職を選ぶ要因となり得ます。

教育担当を1人つけることは皆様やっていると思いますが、例えば営業職なら、先輩が全員外回りに出ているのに新入社員は同行させてもらえない状況もあるでしょう。

教育担当が常に新人の隣にいて、すべての面倒をみることは難しいです。

何か相談したいことがあっても、新入社員としては「教育担当以外の人に話しかけてはいけないのでは...?」と周りに気を遣ってしまうもの。

新入社員の相談先がないことで不安や悩みが蓄積されていくと、やはり精神的に負担になってしまい「辞めたい」と思ってしまうかもしれません。

最近の若手は真面目で、学びたい意欲のある子が多い印象。

その半面、場当たり的に「これやって」「あれやって」と指示されることにはちょっと弱いみたいです。

大枠として「君にはこういうことを求めていて、そのために身に付けてほしいスキルや知識にはこういうものがあるんだよ」と、全体像や教育の流れみたいなものを先に示してあげないと、メンタルが耐えられなくなってくるのだろうなと見ています。

相談先がなければ、新入社員のこういった不安を拾うことができません。

興味や学びの領域が広がるような情報提供がなく、かつ自分より経験値の高い人に相談できない環境下では、知識も経験もない新入社員は自分自身の頭の中で考えるばかり。

経験を積んだ社員であれば、「全然関係のないアポだけど、先輩にお願いすれば同行させてもらえるかもしれない」「隣の部署の会議に出てみたら学びがあるかもしれないし、新しい人とのつながりもできるかもしれない」と領域を広げる工夫をするところですが、新入社員はその「かもしれない」が思いつかないことが多いのです。

また、最近の新入社員は「失敗したくない」という思いがより強い傾向にあるように思います。

デジタルネイティブと呼ばれる世代でもあるだけにSNSを使った情報収集に長けていて、いろいろな情報を取得しながら確からしい物を出していく癖が付いている子が多いのも特徴ですが、その場その場で臨機応変な対応が求められる場面では不安になるようです。

だから失敗しないために準備をしておきたいけれど「何をしたらいいかわからない」ことや「対策を自分で打てない」ことが心理的負担になっていきます。

ここで相談できる相手がいれば、心配が大きいとしても受け皿ができるし、周りも新入社員の業務キャパを把握した上で失敗した場合のフォロー体制を整えることができます。

...ということで、ここまで読んでくださった皆様は「新入社員を育てる側としては確かにこれじゃあダメだよね」と共感してくださっていると思います。

ですが私たちのような中小・中堅企業だと、わかっていてもできないというのが実情ではないでしょうか。

なぜかというと、大手と違って新入社員を少人数しか採らない、採れないところが多いからです。

先ほど挙げた「相談先の確保」にしても、同期がいればお互いにとってお互いが愚痴を聞いてくれる相手になるけれど、そんな同期もいない。

また、採用を始めたばかり、あるいは継続的な採用をしてこなかったなどの事情で、直近の先輩との年齢差が大きいというケースもありますね。

先輩方としては「何でも相談してよ」という気持ちだと思いますが、年が離れているとやっぱりちょっとコミュニケーションがとりづらい部分はありますし、世代間ギャップも避けられません。

さらに、少人数の採用だと内々で採用活動が行われることも多いので、新人に対して会社全体の認知度や興味が薄いケースも考えられます。

逆に「若い子が入ってきた―!」と皆から構われてすごく可愛がられるケースもあるのですが、だいたい時間がなくて新人には気が回らず興味関心を持つまでに至りません。

あとは、大手であれば本社に新入社員を集めて入社時研修を行ったりするのでしょうが、中小・中堅企業では現場ごとに対応するしかないですから、教育担当に相当な負荷がかかることに。

実業務を減らして新人教育の時間に充てるということができれば良いのですけれど、現場も忙しいので並行して進めざるを得ず、なかなか難しいですよね。

普段なら「こんなことではダメだ」と気づくことができるのに、忙しいあまり行き届かない...これが中小・中堅企業あるあるです。

こうした中小・中堅企業ならではの課題が背景にあるがゆえに、新入社員を早期退職に追い込む要因を作ってしまうのではないかと思うのです。

誰か個人が悪いのではなくて、どうにもこうにもそこへ向かっていってしまう...。

当グループが主催する「連邦・多角化経営実践塾」のお客様からもよくお聞きするお悩みですし、うちもかつてはそうでした。

企業にとって新入社員が早期離職することのデメリットとは?

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新入社員が早期離職してしまうと会社にとっても当然デメリットがありますが、私は中小・中堅企業のデメリットとして主に3つを挙げたいと思います。

デメリット①愛社精神を持ちやすい人材が流出してしまう

新入社員=プロパー社員と考えると、彼ら彼女らはいわばまっさらな状態で入ってくる子たち。

だからこそ、企業忠誠心や愛社精神が素直に育まれやすい人材だと思うのです。

生え抜きでその後長く会社を支えてくれるはずの人材、会社の色にしっかり染まってくれる人材の候補ですから、こういった人たちを失ってしまうのは非常に大きな痛手となります。

デメリット②年齢層バランスが不均衡になる

自社に若手を入れようという決断は、会社の将来的な成長に向けての人材戦略でもあるはずです。

従業員の年齢層バランスも考えながら長期的な計画の一環として採用活動を進めているのに、新入社員が早期離職することによってそのバランスが不均衡になっていくことにもつながりかねません。

デメリット③既存社員のメンタルが傷つく

費用もパワーもかけてようやく良い人材を採用したのに、その人がすぐ辞めてしまった...この事実に対する既存社員の気持ちの落胆は一番のデメリット。

お金や時間の損失もそうですけれど、辞められた側の既存社員のメンタルが傷つくことがもっとも良くないと思っています。

辞めていった人にも申し訳ないと思う気持ちはありますが、残された側はパフォーマンスが下がることも。

「自分の育て方がダメだったんだな」と自らの至らなさを突きつけられたように感じてネガティブな意識を抱えてしまうのです。

このようなデメリットを防ぐためにも、新人社員の早期退職を防ぐためにできることを次の項目でご紹介します。

新入社員の早期離職を防ぐためにできること

それでは、いよいよ新入社員の早期離職を防ぐための対策についてご紹介していきましょう。

ミスマッチの防止策も含めて入社前から取り組んでいただくことによって、早期離職のリスクをより低減することができると思います。

【入社前に】会社をよく知ってもらう

入社前に会社をよく知ってもらうことは、当グループで言えば「内定者研修」に当たる部分になります。

「この会社では何をしているのか」ということを新入社員がしっかりイメージできるようにしてあげるところがポイントです。

例えば、うちの内定者研修では、先輩社員の講演や事業部メンバーへのインタビューなどを通じて入社前に現場の空気に触れられるような工夫をしています。

最初の項目で「最近の若手世代は失敗しないために準備をしたい」と書きましたが、やっぱりとにかく入社前の「準備」が必要なんですよね。

就職活動の中で企業研究はしてくれているはずですが、会社側としてはそこをもう一段落として、彼ら彼女らが自分たちの働く姿をイメージしやすい仕掛けを用意しておきたいものです。

内定から入社までの間に心の準備期間を与えてあげつつ、現場でどんな人がどのように働いているか知ることができる、そして自分が「どのように働くのだろうか」と想像できるような機会をできるだけ作ってあげていただきたいです。

また、当グループでは新卒採用は若手社員に活躍してもらうのが一番だと考えています。

新卒の採用活動を若手社員に活躍してもらうのが一番良い理由」も、あわせてご覧ください。

【入社前に】より広い人脈作りができる環境を整える

入社前の人脈作りに関しては、うちの場合だと社内イベントに参加してもらうことにしています。

例えば、当社ジョンソンホームズの住宅を購入された方を対象に開催する「オーナー感謝祭」。

コロナ禍ではドライブスルー形式になったりしましたが、野外フェスのような感じでライブやワークショップ、ゲームなど、その年ごとのプログラムでお客様をおもてなししながら、うちのスタッフも楽しんでいる名物イベントです。

内定者にはこのオーナー感謝祭に参加してもらったり、そのほかにも社内イベントとして実施している運動会にも参加してもらっています。

イベントを通じて社内のいろいろな人と顔見知りになってもらうことはもちろんですが、当社の製品・サービスを選んでくださったお客様とスタッフとの良い関係を見て「こんな風に働きたいな」と思ってもらえたら良いな、というところも狙いです。

また、新入社員の入社後は初めに挙げた「早期離職の2つの要因」を潰していく方向性で取り組みましょう。

【入社後は】モチベーションを担保する

当グループの入社時研修「フレッシャーズキャンプ」は約1年かけて行います。

一般的に入社時研修として取り入れていると思われるテクニカルスキル(業務遂行のための知識やスキルの習得、OJT、ロールプレイング等など)の習得は現場に任せ、ここでは「将来の幹部育成」をコンセプトにもう一歩二歩進んだ教育を施します。

「学び伝えるスキル」「リーダーになるための人間力」「課題発見・解決の手法」を身に付けてもらいながら、収益構造の理解、ビジネスモデル分析といった実践的な講座を経て、自分たちで立案した新規事業を皆の前で発表することが最終課題となります。

当グループの考え方としては「新入社員全員が幹部候補」ですから、こういったプログラムを通じて「君たちに期待しているよ」「早く会社を任せられる社員に成長してほしい」と常に伝え続けているつもりです。

その結果、フレッシャーズキャンプを通じて新入社員は目覚ましい成長を遂げます。

このように、モチベーションを保ちながら実力をつけてあげられるプログラムを取り入れるのも一つの方法です。

「フレッシャーズキャンプ」について詳しくは、こちらのコラムもご覧ください。

新人教育を丸投げして成功するコツは?先輩社員も一緒に育てる方法

新入社員が成長する研修プログラムとは?成功ポイントや事例を紹介

【入社後は】相談先を確保する

部署の人数が少ない中小・中堅企業であればこそ、他部署のメンバーとの人脈づくりができると離職防止に大きな効果があると思います。

例えば当グループでは、比較的取り組みやすい経営課題を解決するチームとして「委員会」を設定しています。

社内美化から、先ほどご紹介したオーナー様感謝祭の企画運営まで、課題やテーマに応じて常にいくつかの委員会が活動していますが、メンバーは部署を横断して選出されているので、ここへ参加すると他部署の人たちと広く交流できるのです。

今は「飲み二ケーション」の時代でもなくなってきていますから、代わりにこういう場があれば自部署で話せない仕事の悩みを打ち明けることができたり、ちょっとした雑談に気が晴れたり...それだけでだいぶ気の持ちようが変わると思うんですよね。

ですから、少人数採用で同期がいないような状況で新入社員を迎える会社さんなら、委員会活動を取り入れてみると良いのではないでしょうか。

そして、相談先を文字通り「確保する」という意味で非常に有効な「フレッシャーズサポート制度」があります。

こちらは次の項目でしっかりご説明します!

中小・中堅企業必見!早期離職を防止する面談制度とは?

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「新入社員の早期離職を防止するために有効な対策がとれない」という中小・中堅企業の皆様にぜひおすすめしたいのが、新入社員の面談制度です。

本当はしっかりした研修制度や評価制度があるとベストですが、そのために人材を確保し、ノウハウを構築して...と、しっかり整えた状態で新入社員を採用するのはなかなか難しいものです。

かつてうちもそうだったのですが、早期離職に対して何か策を打とうとするなら採用活動を進めながら、研修も作りながらという感じで並行してやっていかないといけないでしょう。

その中で、一番楽で一番早く、お金もかけずに立ち上げられるのが面談だと思うのです。

当グループでは、入社1年目社員の心のケア、先輩社員の教育力育成、他事業部間交流という3つの目的をもって「フレッシャーズサポート制度」を取り入れ、早期離職を防止しています。

具体的には、入社1年目の新卒社員、あるいは社会人経験の少ない入社1~2年目の中途入社社員を「メンティ(子)」、年齢の近い先輩社員を「メンター(親)」としてペアを組ませ、この2人で「フレッシャーズサポート面談」を行ってもらいます。

メンターは部署内の先輩だと近すぎて仕事の相談がしにくい可能性があるので、「隣の部署の先輩」くらいの関係性が最適です。

面談は月1回で、30分から1時間程度の時間をとり、1年間=計12回行います。

面談後、メンターは報告書を提出します。

「月1回の面談を確実に行い、報告書を提出する」さえ守ることができれば、モチベーションの担保と相談先の確保を両立させることができるはず。

ちなみに、立上げ当初はメンターが集まってメンティや互いの近況を話し合う「メンター会議(フレッシャーズサポート親会議 )」も開いていました。

現在は制度自体が会社全体に浸透してきたため、メンター会議については省略することが多いですが、立上げ初期は実施することをおすすめしています。

新入社員と面談する際のポイント

新入社員と面談する際のポイントを4つご紹介します。

ポイント①面談場所は臨機応変に変更する

話しやすい雰囲気にするため、面談場所を考慮しましょう。

周りに話し声が漏れないように会議室や社外で行うことが望ましいです。

ポイント②仕事の話ばかりしない

悩みや困りごとを聞き出そうとするあまり、仕事の話ばかりしてしまうとメンティがリラックスして話せなくなります。

「話を聞いてもらいたい」と思わせる雰囲気づくりが大切です。

ポイント③自分の考えを押し付けない

メンターはあくまで「聞き手」に徹することが重要。

メンティの考えを単に否定することなく、「共感」を大切にして話を聞いてあげましょう。

そして「合っていること」「間違っていること」「どうするべきか」を一緒に考える場をつくるという意識で接しましょう。

ポイント④面談の最後はポジティブに終える

フレッシャーズサポート面談の目的は、「メンティが前向きに仕事に取り組めるようにする」こと。

ですから、どんなにメンティが落ち込んでいたりネガティブになっていたりしても、その雰囲気に流されず、ポジティブに仕事に取り組めるようなアドバイスをするよう心がけてください。

新入社員と面談する内容は?報告書のサンプルもご紹介

肝心の面談の内容ですが、まずは報告書に用意された質問項目に沿って話をしていくとスムーズです。

ヤマチユナイテッドで使用しているフレッシャーズサポート制度報告書のサンプルをご覧ください。

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実際に報告書を使ってみたい方は、こちらからフォーマットをダウンロードできます。

報告書はA41枚の簡易な作りなので、記入にそれほど苦労しないと思います。

メンティに対する質問項目もご紹介します。

①前月の振り返り

前月の業務や研修について「こんなことをやった」「こんな学びがあった」など、メンティと一緒に振り返ります。

ここで真っ先に不安が出てくることもありますし、「けっこうできました」と自信をにじませる子もいて、人それぞれだなあと思います。

②前月の仕事で一番頑張ったこと・もっと頑張りたいと思っていること

前月の仕事で頑張ったことを確認することで、メンティが自分自身の知識やスキルの習得度をどのように捉えているかが見えてきます。

また、もっと頑張りたいと思っていることからその子が目指す方向性もわかってくるので、「この人に話を聞いたらいいよ」「こういうサイトを見ると勉強になるよ」と次の一歩を示してあげると良いですね。

③仕事に対するやりがいは感じているか(現状のモチベーション)

仕事に対するやりがいや、モチベーションの高さを確認することで不安や不満の兆しを探ります。

④研修と実業務の両立について(キャパオーバーになっていないか)

当グループの新人研修制度「フレッシャーズキャンプ」はすべての業務に優先するという決まり。

研修日程に合わせてメンティ本人が実業務をやりくりして時間を作るのはもちろん、各事業部にも新人が確実に研修に出席できるよう仕事を割り振ってもらっていますが、負担がかかりすぎていないかをチェックします。

実際キャパギリギリであっても、聞いてあげるだけでだいぶ心が軽くなると思います。

以上、メンティから最低限聞くべきことを聞いたら、あとは雑談の時間。

仕事ばかりでなくプライベートにも触れながら、リラックスして話せる雰囲気を作ってください。

休みの過ごし方や家族の話、仲の良い同期やお気に入りの店など、雑談の内容はどんなことでも良いんです。

何でもフランクに本音で話せる関係を築くことが目的です。

その他の項目も確認

メンター・オブザーバー(先輩社員)から、メンターが所属する事業部の上長に対して報告する内容となります。

・面談時:メンティに対して気になった部分

「口には出さないが実は何か問題を抱えているかも」

「日常で注意・指導すべき一面があるのでは」など、様子見する部分も含めて気になったことを記載します。

特になければ記入しなくても問題ありません。

・面談時:メンティに対して行ったアドバイス

メンティが抱える不安や悩みに対してどう助言したかを共有します。

新入社員と面談後の報告書の記入・提出のポイント

新入社員と面談後に記入する報告書について、ポイントを確認しておきましょう。

報告書がどのようなルールで閲覧されるかを明確にしておく

「部署の上司とコミュニケーションがとれない」

「周りが気になりなかなか休めない」

「残業が多く仕事の管理ができない」など、部署内では相談しにくい悩みもあるでしょう。

上長へ報告されるとわかっていると、言い出しにくくなる場合もあります。
そのような状況も鑑み、自社内で報告書の閲覧ルールは予め決めておくと良いと思います。

報告書の記載内容によって絶対にメンティが不利にならないよう配慮する

「何でも話せる相談先」ができる代わりに、メンティが知られたくないと思っている悩みが、彼ら彼女らの知らないところで上長に伝わってしまう側面もあります。

必要に応じて表現を変えるなどして、メンティが不利にならないよう気を付けてあげてください。

新入社員との面談を成功させるには?

新入社員と定期的な面談の機会を持つことで、大小さまざまな案件を相談しやすい環境を作ることができます。

面談なしに「困ったら相談して」というのが、実は一番良くないと思っています。

大人になってくると自分で「これはもう相談しておかないとまずい」と判断できますが、社会人になりたてのうちはどのタイミングで相談をもちかけて良いかわからない。

やっぱり月1回でも面談の機会がセットされているからこそ「次の面談で話してみよう」という気持ちになるし、話すべきこともメンティが自分の中でまとめておけるようになるのです。

あとはメンター&メンティとその他の社員をつなぐ中立機関というか、集約者のような役割を持つ人がいると面談がよりうまくいくと思います。

当グループには、採用と人材育成を統括する「HRD(Humas Resourse Development)」という機関があります。

HRDは、この面談制度において「ちゃんと面談やってますか?」「報告書を提出してくださいね」という進捗確認をしたり、報告書は会議にかけますから、社長や経営陣とも直結した機関としてどういうルートで新入社員の悩みを解決していくかというところを考えてくれています。

このように異なる階層や部署に顔の利く人が調整役をやってくれると、面談制度の仕組みがよりスムーズに動きます。

また、メンターに関しては新入社員と年齢が近いとより望ましいのですが、そうでなくても「面談の場のセット」と、この「上層部の会議との連携」ができていればどうにかなります。

新人研修のプログラムを新たに作るよりも絶対簡単ですから、「フレッシャーズサポート制度(フレッシャーズサポート面談)」をぜひお試しください!

新入社員の早期離職対策にこそ、面談制度を取り入れよう

新入社員を早期離職に追い込む要因は主に2つあると考えます。

  • モチベーションが担保されていない
  • 相談先が確保されていない

こういった要因を作り出す背景には、現場が忙しいために教育担当が実業務と新人教育を兼務しなければならず、それ以外の社員が新入社員に興味関心を持ちづらいという中小・中堅企業ならではの事情もあると思います。

新入社員の早期離職によるデメリットは以下の3つを挙げました。

  1. 愛社精神を持ちやすい人材が流出してしまう
  2. 年齢層バランスが不均衡になる
  3. 既存社員のメンタルが傷つく

ここまでを踏まえて、新入社員の早期離職を防ぐためには入社前から会社のことを知ってもらう機会があったり、人脈作りができる環境を整えたりすると良いでしょう。

そして、新入社員の早期離職を防ぐために最もおすすめしたいのが、当グループが取り入れている「フレッシャーズサポート制度(フレッシャーズサポート面談)」。

月1回の面談を確実に行い、報告書を提出することで、新入社員のモチベーションの担保と相談先の確保を両立させることができるはずです。

報告書の内容は上層部の会議にかけて、面談で見えてきた新入社員の不安や悩みを解決するための道筋を探ります。

この時、メンター&メンティと会社全体をつなぐ集約者、調整役のような立場の人を配置するとよりスムーズです。

<新入社員と面談する際のポイント>

  • 面談場所は臨機応変に変更する
  • 仕事の話ばかりしない
  • 自分の考えを押し付けない
  • 面談の最後はポジティブに終える

<新入社員と面談後の報告書の記入・提出のポイント>

  • 報告書をメンティの上長へ提出することは秘しておく
  • 報告書の記載内容によって絶対にメンティが不利にならないよう配慮する

フレッシャーズサポート制度を取り入れ、新入社員と定期的な面談の機会を持つことで、大小さまざまな案件を相談しやすい環境を作ることができるでしょう。

コラムを読んでくださった皆様の中にも、新入社員の早期離職によって経営面でも精神面でもダメージを受けた方がいらっしゃると思います。

離職防止のために新しく研修制度を作るといっても、中小・中堅企業においては大変な負担となってしまいますよね。

その点、フレッシャーズサポート面談は、お金をかけず一番手早く簡単に始められるので、中小・中堅企業の経営者および幹部の皆様にぜひおすすめしたいのです。

当グループでは、今回ご紹介した新入社員の早期離職対策をはじめ、経営上のお悩みを解決し、より業績を上げて経営を楽しむためのさまざまな講座や研究会などを実施しています。

ホームページで随時ご案内していますので、興味がありましたらぜひご確認ください。

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