新入社員が驚異的なスピードで成長する研修プログラムのつくり方

社員が育つノウハウ

石崎 貴秀
石崎 貴秀

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新入社員研修は会社の理念や社風を浸透させる絶好の機会です。

外部講師や外部研修にお任せでは、非常にもったいない。

当社ではトップが主導する研修プログラム「フレッシャーズキャンプ」で、独自の新人教育を行っています。

「新入社員のコミュニケーション能力を高めたい」

「新人が一人で悩まないように支えたい」

「若手社員に自発的に仕事に取り組む意識を植え付けたい」

「将来の経営幹部を育てたい」

もしも、あなたがこうした思いを持っているなら、当社のプログラムがきっと参考になるはずです。

目次

  1. 当社独自の新入社員研修プログラム「フレッシャーズキャンプ」とは?
  2. 新入社員研修プログラムはルールを決めるとうまくいく
  3. 新入社員の自主性を育てるユニークな研修プログラム
  4. 新入社員研修を上手に運営するコツ
  5. 新入社員研修プログラムで会社を活性化

1.当社独自の新入社員研修プログラム「フレッシャーズキャンプ」とは?

この春、ヤマチユナイテッドグループには20人の新人が入社してくれました。

4月2日が入社式でしたが、その10日ほど前からグループ共通の集合研修がスタート。入社式のあとはそれぞれの会社にわかれて1週間ほど研修を受けてから、現場に配属になります。

入社後、数カ月かけてさまざまな部署をローテーションして経験させる会社もありますが、当社は少しでも早く配属先に慣れ、ゴールデンウィーク前後には戦力になれるよう、現場でのOJTに力を入れています。

「フレッシャーズキャンプ」は、こうした入社時研修とは別に、4月から12月まで毎月一度、全新入社員を集めて行う継続的な研修プログラムです。

OJTとは違い、現場ですぐ役立つようなテクニカルスキルは一切やりません。

研修の目的は、自発的に行動する癖をつけ、将来、事業責任者や幹部として活躍するための自覚とモチベーションを持ってもらうことが研修の目的です

研修プログラム「フレッシャーズキャンプ」で期待できる効果

フレッシャーズキャンプを実施することで、先述したこと以外にも効果があります。
進めていくうちにわかってきたのですが、グループワークで協力しあうことで、同期の結束も強まるのです。配属の会社や部署はバラバラでもLINEなどで連絡を取り合い、励ましあったりしている様子が見受けられます。

毎月一度顔を合わせることで社長と新入社員の距離が近くなるのもメリットです。

新人の一人ひとりの個性を把握できるだけではなく、新入社員に社長自らビジョンや価値観を注入することが可能。早期離職の防止にもつながります。



2.新入社員研修プログラムはルールを決めるとうまくいく

新入社員には「フレッシャーズキャンプの3カ条」として、次の3つのルールを提示しています。

(1) 超積極参加

(2) 直球&素直

(3) 段取り&時間厳守

(1)超積極参加
研修プログラムではアウトプットの機会を数多く設けていますが、「いま聞いた内容を今度は教える立場で話してみてください」と投げかけるときには、全員が手を上げるように言っています。わからなくてもいいからとにかく手を上げて、それから考える。これが「超」積極参加の姿勢です。

(2)直球&素直
新人の間はわからないことばかりで当たり前。間違いは恐れない。その代わり指摘されたことは素直に受け入れる。これができれば、頼りなかった新人たちも、ぐんぐんと目に見えて伸びていくはずです。

(3)段取り&時間厳守
新入社員は通常業務と並行してこのフレッシャーズキャンプに参加します。うまく段取りができないと業務に支障が出たり、残業するはめになったりします。周囲に協力を求めながら、段取り良く課題を進め、時間通りに着席できる余裕をもつこと。社会人として身に着けてほしいマナーとさえいえるでしょう。

プログラムの内容はもちろん大切ですが、こうした参加の姿勢をあらかじめルールとして決めておくと、研修中にだれてしまった場合でも軌道修正がしやすい。

それ以上に、環境を整えることで発言につながるモチベーションをアップでき、結果として発言者の自信や積極性をさらに増すいい循環を生み出せます。

プログラムを作成する場合は、ぜひ取り入れて欲しい仕組のひとつです。



3.新入社員の自主性を育てるユニークな研修プログラム

フレッシャーズキャンプを主催するのは社長です。

私も一日つきっきりで研修につきあいます。

収益構造のフレームワークからPDCAサイクルまで、比較的高度な内容を教えます。

毎回課題も与えます。

ただの作業では成長しないので、ビジネス書や経済新聞を読んでレポートをまとめる場合でも、自分なりの考察をみんなの前で発表してもらうなど、人前で話すトレーニングを数多く用意しているのが特徴です。

当社で実際に取り入れている具体的なプログラムについて紹介していきます。


「フレッシャーズキャンプ」については、「新卒の新入社員を1年で一人前に育てる「フレッシャーズキャンプ」」でもご紹介していますので、こちらも合わせてご覧ください。



●リアルマーケティングプログラム

「リアルマーケティング」は、商店街の一部エリアを限定し、興味あるショップをひとつ選んで、自分たちなりにビジネスモデル検証し、新しいマーケティングを考えてみるというグループワークの課題です。

指定のエリアには古着屋や飲食店、皮製品の専門店など、個性的な店が多いのですが、どのようなコンセプトの店なのか、ターゲットの客層や1日の売り上げはどのくらいか、ビジネスのアウトラインを想像するところからスタートします。

そのうえでお店に協力をあおぎ、実際のところはどうなのか、ヒアリングをお願いしてみます。その際は自分たちの身元を明かし「研修でマーケティングを勉強しているので」と正直に話すのが約束です。

協力してもらえることもあれば、もちろん断られることもありますが、接点のないお店に飛び込んでいくことでコミュニケーション力、リサーチ力などが鍛えられます。実際に足を運び、体感する、行動することが大切です。

最後は現状のビジネスプランに、集客や販促のアイデアをプラスして、社内でプレゼン大会を行います。ご協力いただいたお店には後日お礼にうかがいますが、すっかり仲良くなってしまうグループもあるようです。



●新規事業計画案作成プログラム

もうひとつ「新規事業計画案作成」というプログラムもユニークです。

数人のグループで新しい事業をプランニングするのです。

顧客となるターゲットから、売り上げ予測、原価、経費、営業利益、何年で黒字に転換するかまで考えて発表します。

もちろん新人ですからプランは甘いのが当たり前。

プレゼンでは社長や幹部から「こんな人数でできるの?」「利益率が低すぎる」など、厳しい意見が投げかけられて、ビジネスの難しさを痛感することになります。

でも、その経験がいいのです。思わぬアイデアに出会うこともあり、私たち幹部にとってもいい学びの機会となっています。



・人前で堂々と話すトレーニング

研修の最後、12月には一人15分間、自由なテーマでプレゼンをする「UNI TED TALK(ユナイテッドトーク)」を行います。

スーパープレゼンテーション「TED」のようにワイヤレスマイクをつけ、それっぽく歩きながらプレゼンしてもらいます。

聴衆を「なるほど!」と思わせる納得レベル、「聞いてよかった〜」と思わせる感動レベル、「これは自分もやってみたい」と行動を促すレベル、という基準で審査して投票し、優秀者を決めます。

フレッシャーズキャンプの卒業課題でもあるので、プレゼンテーションの本番には部署の先輩たちも応援に来たりして、盛り上がります。

このスピーチとは別に、フレッシャーズキャンプ全体を通して一番成長した人をMVF(Most Valuable Fresher)として選出し表彰します。

記念の盾は1年間、配属先の部署に飾られるほか、受賞者には新年度のキックオフでスピーチの機会が与えられます。

数百人もの社員の前で話すのですから、話すのが苦手な人には罰ゲームのように受け取られそうですが、フレッシャーズキャンプの経験者はなぜか「やってみたい」「みんなに覚えてもらえる」「かっこいい」と思えるくらい、みんな自信がみなぎっているのです。

これは、フレッシャーズキャンプが人前で話すことを最重視してトレーニングしているからでしょう。

もちろん最初はしどろもどろになったり、声が震えてしまったりする人もいますが、回数を重ねるうちにみんな堂々としていきます。

要するに、場数を踏めば慣れる。

自分の考えを声に出して相手に伝える訓練は、そのまま主体性を養うことにも直結しているのだと思います。



新入社員がこの研修プログラムで得られるもの

「リアルマーケティングプログラム」や「新規事業計画案作成プログラム」は、いずれも2カ月かけて行います。

日常的な業務の合間に、所属の違うメンバーでプロジェクトを進めるわけですから、新人にはとても負担が大きい。学ぶ内容もすべてが日々の仕事にすぐに役立つとは限りません。

けれど、こうしてビジネスのフレームワークを体感することで、自分が事業全体のどの部分の業務を担っているのかが分かるようになる。自分の働きが全体の数字や計画にどう影響するのかを理解できれば、「もっとこうしたらいいんじゃないか」と、自発的に動けるようになります。

入社1年目の新人のうちから「経営感覚」を身に付けられれば、いずれリーダーや事業責任者となったときに、言われたことだけをこなしてきた人とは圧倒的な差が出ると思うのです。



4.新入社員研修を上手に運営するコツ

最後に、フレッシャーズキャンプをスムーズに運営するコツを2点、ご紹介しましょう。

ひとつは、フレッシャーズキャンプの重要性についての社内周知です。

忙しい会社や部署では特に、職場を離れて研修に出るのを迷惑と捉える上司がいるかもしれません。それだと新人は研修が辛くなってしまう。

ですから当社では、フレッシャーズキャンプを社長が主催する最優先の社員教育と位置づけ、周囲が応援してくれるような環境づくりを徹底。職場によって休日や勤務体制も違うので、グループワークの場合は月に2回、新人が集合できる日を与え、その日は業務を離れてプロジェクトに集中できるよう配慮しています。

もうひとつは、運営を担う事務局スタッフの人選です。

新入社員の2〜3年先輩で、面倒見が良く、きちんと後輩の指導ができて、責任を持って関わってあげられる人を事務局が指名します。

フレッシャーズキャンプの日は事務局スタッフも1日つきっきりになりますし、それ以外でもレポートの添削をしたり、新人の相談に乗ったりと積極的に関与しなければならないので、業務上の調整や配慮も必要でしょう。

2年目以降は、フレッシャーズキャンプの卒業生の中から事務局向きの人を推薦して、数人ずつ入れ替えながら引き継いでいくと、運営がスムーズです。



5.新入社員研修プログラムで会社を活性化

フレッシャーズキャンプは、採用活動にもいい影響を与えます。

当社では若手社員をリクルーターに任命していますが、自分たちが受けた研修の魅力を「すごく勉強になるから」「1年目から事業計画を作成させてもらえるよ」と、学生たちに力説してくれるようです。

なかにはフレッシャーズキャンプを受けたくてうちの会社を志望する学生もいるほど。やる気のある学生が集まるフックのひとつになっています。

今回はフレッシャーズキャンプについて詳しくご紹介しましたが、当社では採用活動から内定者研修、入社時研修、フレッシャーズキャンプまでを一貫した新人教育と捉えています。

即戦力となるキャリア採用ももちろん大切ですが、新卒入社の若者にはボトムアップで会社を盛り上げてくれる突き上げ効果が期待できます。

若手が一生懸命だと、先輩社員も上司もやる気を出さざるを得ませんよね。

組織が活性化する大きなきっかけになってくれるはずです。

当社では、若手社員を育てるノウハウや多角化事業に関するセミナーやワークショップを実施しています。

興味がある方はぜひご参加ください。

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