業績管理、社員に任せてみませんか? システム経営の3本柱−(2)自主管理

組織運営ノウハウ

石崎 貴秀
石崎 貴秀

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システム経営の3本柱は「自主計画」「自主管理」「自主分配」です。

前回は最初の「自主計画」についてお話しました。今回のテーマは二つ目の「自主管理」。

社員が自分たちでつくった計画を、自ら管理する手法についてご紹介します。

自分たちで立てた計画を自ら管理し、利益を分配する。このサイクルがうまくまわるようになれば、社長が逐一業績を管理し、指示を出す必要はなくなります。

幹部も部下も一人ひとりが自主的に計画の遂行を考えるようになる。いわゆる「経営者目線」が身に付くのです。

目次

  1. 社員が自ら業績を管理する会議とは...確認項目の内容と頻度がポイント
  2. 業績管理のポイントになるKPIの設計
  3. 一年を3クールに分けて事業自体を評価
  4. 常に社員の主体性を重んじながら決定する
  5. まとめ

1.社員が自ら業績を管理する会議とは...確認項目と頻度がポイント

自ら立てた計画を、自分たちで管理する。考えてみたら当然のことです。

業績管理とは、つまり計画に対する進捗の管理。計画通りに進んでいるのかを適宜確認し、必要に応じて軌道修正を図ることです。

通常管理職が行うこの業務を、チーム全員が理解し実行する。その中心となるのは会議の場でしょう。

 

■会議のポイント(1):進捗を把握しやすい計画書

その際、重要なのは、計画書が進捗を確認しやすいフォーマットになっているかどうかです。

毎月の営業利益を部門別に明らかにするだけでは不十分。業種によっては週ごと、日ごとに集計されるようにして、達成・未達成の進捗が分かるフォーマットの計画書をつくることが第一です。

 

■会議のポイント(2):目的と頻度と参加者

さらに、会議の設計も重要です。チーム単位なのか部門単位なのか、参加者は誰で、それぞれどのくらいの頻度で行うか、目的と内容とメンバーを整理してスケジュール化する必要があります。

たとえば、毎週月曜の朝礼で数字を発表し、週に1回は事業部ごとにミーティング、月に1回は全体で業績検討会議など、どの階層の会議で何を扱うかを決めておかなければなりません。

 

会議設計自体は役員レベルで行うことが多いのですが、社員はフォーマットを使い進捗確認を繰り返すことで、業績を把握しながら行動できるようになります。

当初の計画に達していなければ、当たり前ですが、対策を考える必要があります。

管理会計だと事業部ごとの営業利益が出るので、どの事業が稼いでいて、どの事業が稼いでいないのかは明白。

月次だけではなく、週単位でチェックしてスピーディーに対策を練るべきです。

2.業績管理のポイントになるKPIの設計

計画策定の段階で、達成したい業績目標は決まっています。

ただ、業績の進捗管理にあたって、目標だけでは細かなチェックができません。そこで多くの企業と同様、当社ではKPI(Key Performance Indicator)を設定しています。

これは成果を上げるポイントとなる指標のこと。日々の業務の中で確認できて、その数字によって最終の業績目標が左右されるような、重要な数値のことです。訪問件数、アポ件数、見積もり件数、リピート率など、業種や業態によってさまざまな指標が考えられます。

通常、見積もり金額の50%が成約に至るとしたら、見積もり金額がその事業のKPI。計画の倍の見積もり金額を目指せば、目標を達成できるだろう、という考え方です。

残念ながら、この指標は現場で施行錯誤しながら見つけるしかありません。

売上は客数×客単価なので、客数をどう獲得しているのか、単価はどうやったらアップするのか、自分たちの事業・サービスを細かく分解する必要があります。

その中から、押さえておくことで目標達成の確率が高くなる指標を見つけ出す作業が必要なのです。

トライ&エラーがあるでしょう。未達の月が続けば、目指している目標と指標にズレがあるのでは、と疑ってみることも必要です。KPIを見直すケースも出てきます。

いずれにしても求められるのは科学的な根拠。「気合いでやれ」と部下にただハッパをかけるのは最悪なパターンです。

3.一年を3クールに分けて事業自体を評価

何年頑張ってもなかなか目標を達成できない事業は、事業自体に未来がない、そもそもの狙いが間違ってる可能性も否めません。

ですから、現場の業績管理とは別に、グループ全体では1年間を3クールに分けて4カ月ごとに事業を評価する機会を設けます。

上方も下方も含めて、計画の修正が1年間に2回できることになります。組織替えや人事異動などテコ入れもここで判断します。

一方で事業責任者は、期の半ばになったら年度末の決算予測をし、来期の計画づくりにも着手します。

今年の進捗を管理しながら、来年の種まきも同時進行で進める。それが事業責任者に課せられた使命です。

4.常に社員の主体性を重んじながら決定する

システム経営は、ことあるごとに会議の場で社員のコンセンサスを求めながら進める経営の手法なので、必然的に会議が多くなります。ただ、会議を通じて若手を教育し、チームワークを強化していくので、これを省略するわけにはいきません。

事業部横断の会議も同じです。会議の席で業績のふるわない事業部をやり玉にあげて責めるのではなく、どうやってフォローできるかを考えます。

マイナス分をほかの事業でカバーできていて、グループ全体の経営に影響のない段階なら、対策の報告を受けるにとどめて様子をみる。それでも改善されない場合は、大ナタを振るう必要が出てきます。

その場合もトップダウンで指示するのはなく、みんなでどうしたらいいか考えようというスタンスを忘れてはいけません。

5.まとめ

自分たちでつくった計画は、自分たちで達成する遂行責任があります。

経営者の役目は、社員が業績管理のPDCAをまわせるような環境をつくることです。

毎月売上の数字だけを社員に伝え「あなたの部署は目標未達なので、来月は頑張ってください」と言われても、どう頑張っていいかは分からないでしょう。

システム経営では、計画を策定する段階から自分たちが関わるため、そもそも目標への意欲が違います。

またオープン経営を前提とするので、売上だけではなく、経費の内訳、利益率などを事業責任者に公開し、それを元に自分たちで打つ手を考えられる環境を用意することができます。

与えられた目標ではなく、自分たちで考えた目標に向かって、自分たちでチェックしながらまい進する。

このごく普通のことを組織として行っていくためには、「管理会計」と「オープン経営」で"事業部ごと"の"経営数値をオープン"にして初めて可能になることを忘れてはなりません。

次回は三大自主システムの第三の要素「自主分配」についてお話します。

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