KPI管理は社員巻き込み型で自主性&徹底力アップ!
KATAKA
こんにちは、川田です。
ビジネスでKPIを設定するケースは多いですが、そのKPIの管理はどのようにされていますか。
目指すべきKPIを決めるのはトップでも、実際に行動するのは社員です。
本記事ではKPIの管理を社員巻き込み型で行い、社員の自主性と徹底力をUPさせる仕組みについてお話します。
目次
1.なぜKPIが徹底されないのか
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略語で、日本語では「重要業績評価指標」あるいは「重要達成度指標」などと呼ばれています。
言葉からわかる通り、目標達成のための各プロセスにおいて、達成度合いの計測と評価をするための指標です。
このKPIを設定することで目標に向けた具体的なアクションが明確になったり、改善の材料となったりなど、事業計画達成に向けてのメリットが沢山あります。
ただ、理屈は分かっていても、上手くPDCAサイクルを回せず、成果を出せないケースは多いのではないでしょうか。
① KPIへの意識が低い
② 一部の上位層しか理解していない
③ 部署のリーダーしか、KPIの価値や現状を説明できない
④ 管理が継続しない
上記の問題が起こってしまう最大の原因は「上層部の決めたKPIが現場社員にとって理解・納得しきれていないもの」だからです。
現場社員まで「目的」「KPI指標」「目標値」が浸透していないと、KPI達成に向けた行動ができずPDCAも回せない悪循環になります。
2.社員の当事者意識がUPするKPI管理3つの方法
当グループでも上記の様な悩みや問題を抱えていましたが、KPIの管理を上層部主導から社員主導に変えたことで、現場社員への意識・行動が変わりました。
どのようにして現場社員の意識・行動を変えたのか。その仕組みについてお話します。
◎KPIへの理解・納得度をアップさせる「オンライン朝会」
KPIへの理解・納得度を高めるには、KPIが設定された背景や重要性について発信する必要があります。
そこで効果的なのがオンライン朝会です。
オンライン朝会とは私が週に2~3回、30分間のオンライン配信で全社員を対象に情報共有している朝会の事です。
(事実を客観的に見つめるための「オンライン朝会」とは)
オンライン朝会では 全事業部・全チームの業績やKPI(重要業績指標)の進捗、ランキングや今週頑張ったMVP社員等、 開示する業績の数字や社員の行動に「経営トップが意味をつけて話をする」ということを行っています。
オンライン朝会では様々な情報を共有しているのですが、社員のKPIへの理解納得を高めるのに特に重要なのが「ランキング発表」と「KPI進捗報告」の2つです。
ランキング発表では、事業部ごとや部署ごとに全員分の成績ランキングを出しています。
全員分のランキングを公開するのは、もしかしたら勇気が要ることかもしれません。
当社でも初めは反発の声もあったのですが、下位の人を責めるためのものではなく、あくまで「事実を社員全員で見つめるためのもの」と意味づけることで、とても効果的に活用することができています。
KPI進捗報告もランキング発表と同様に、全員分のKPI進捗を週ごとに更新し共有しています。
このランキングとKPI進捗を全社に公開することで、ランキング上位者はKPI進捗率も高いことが分かり、現場社員のKPIへの理解・納得度を高めることができます。
◎KPI達成に向けて自走する仕組み①「委員会」
KPIへの理解・納得度が高まっても、KPI達成に向けて行動をしなければ意味がありません。
当社では以前まで、KPIの管理・達成に向けての行動戦略作成は事業部のリーダーやチームのリーダー等上層部が行っており、部下は上司からの指示を受けてその通りに動くという構図ができてしまっていました。
これでは、社員は上司に言われたとおりに動くだけなので、KPIの重要性やその意味を理解することができていなかったのです。
そこで、委員会を作って現場社員に任せることにしたのです。
具体的には、各チームKPIごとの担当者を1名ずつ選出し、KPIごとの委員会を設置しています。
当グループの例を挙げると、ジョンソンホームズ(住宅事業部)の営業部では、「次回商談獲得率」と「管理アクション数」をKPIとして設定しているのですが、「次回商談獲得率アップ委員会」「管理アクション数アップ委員会」等を設置しています。
それぞれの委員会には全体のKPI平均値を上げるというゴールを与え、KPI達成のために必要な研修を考えたり、営業マンの中でも特にKPIの数値が良い人にインタビューに行き、そのノウハウを動画化して配信してもらうなどの活動をしてもらっています。
また、委員会の活動進捗もオンライン朝会で公開することで、「ちゃんと見られている」という強制力が働き、委員会のPDCAを加速させることができます。
◎KPI達成に向けて自走する仕組み②「ペア制度」
KPI達成に向かって社員一人ひとりがPDCAを回せるようになるもう一つの仕組みが「ペア制度」です。
この「ペア会議制度」は、営業マンにペアを組んでもらい、週2回の商談会議を行ってもらうというものです。
会議の中では、自分たちのKPIの達成状況を見ながら、何が足りないか改善するにはどうすれば良いか...を実際に考えながら週次でPDCAを繰り返してもらうものです。
2人しかいない環境の中では、自分が考え、発言せざるを得ません。
これまでは、チームを束ねるマネージャーから指示を受け、現場社員はそれを実行するだけでした。
しかし、人からやれと言われてやるよりも、「君が考えてね」と丸投げされるくらいの強制力があれば、人はおのずと考え出すだろうと思い、この「ペア会議制度」を実行するに至りました。
この制度はペアでやることに大きな意味があり、マンツーマンの最小単位で会議をすることで自らが考え発言しなければいけない機会を作り出します。
自分ひとりでは解決できない課題も、色々な社員との会議を通じて視点や知見も共有しあいながら策を生み出していって欲しいと考えています。
また、自分一人や同じチームや同じペアとしか会議をしないと、考えが凝り固まってきてしまいます。
そのためペアは、年次やキャリアに関係なく、なるべく色々なペアで組んでもらうようにするのもポイントです。
3. 成果を上げる社員育成には「現状把握×自己解決」の環境整備
KPIは設定するだけでなく、KPIを達成するためにPDCAを継続して回していくことが重要です。
社員巻き込み型でPDCAを回すためには
✔ 全社員のKPIに対する理解・納得度を高めること
✔ KPI達成に対してどう行動していくべきか一人ひとりが考える機会をつくること
がポイントです。
そしてこのような環境は仕組みでつくることができるのです。
▼オンライン朝会・ペア制度についてもっと知る▼
▪ 事実を客観的に見つめるための「オンライン朝会」とは
▪ 全社員の育成環境ができた「ペア会議制度」
オンライン朝会等ヤマチの経営のリアルをFacebookで毎日更新中!
SHARE! この記事を共有する
Authorこの記事の著者
株式会社ジョンソンホームズ|常務取締役|グループ常務
川田 新平
ジョンソンホームズを陣頭指揮。企業ミッションの明文化、共有・浸透を図るとともに社員が輝き主体的に経営参加する組織づくりを通して、新たな成長軌道に導く。現在はグループで展開する多様な事業にコミット。社員皆をよくするために、毎月500名の社員の話を聴くことを自ら実行している。