リスクを減らして新規事業を立ち上げる方法は?プラスアルファのアレンジで多角化する!

多角化するノウハウ

山地 章夫
山地 章夫

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こんにちは、山地です。

経営多角化を目指す経営者にとって、最大の悩みどころは「新規事業をどうやって始めるか」かもしれません。

しかし、実はそんなに難しく考えることはないと思っています。むしろ問題はその事業を進められる人材がいるかどうかですが、それについてはまた別の機会にお話ししたいと思います。

今回は、私がこれまでに取り組んできた事例から、リスクを極力減らしつつ新規事業を始める方法を、二つご紹介します。

目次

  1. 方法1:フランチャイズ、総代理店から始める
  2. 小さく始めて、失敗のリスクを回避する
  3. 方法2:他社の事業を参考に、自己流にアレンジ
  4. <きたえるーむ>の事例:プラスアルファでライバルと差別化を
  5. アイデアは身近なところに転がっている
  6. まとめ

1.方法1:フランチャイズ、総代理店から始める

異業種に進出する際、最もシンプルかつ手っ取り早い方法は2つあります。

ひとつはフランチャイズ加盟。メリットとデメリットを天秤にかけてよく考える必要はありますが、完成されたビジネスモデルなので、まったくの異業種であっても成功する確率は高くなるでしょう。

もうひとつは、他社の代理店になることです。

当社でも、海外の見本市や展示会で見つけた商品を日本で売るために、総代理店の契約をした経験が何度かあります。

たとえば「グラベル・フィックス・プロ」というオランダの会社の商品。砂利を安定させるための砂利地盤安定材で、歩行が楽になるほか、砂利の沈下や飛散防止にも効果的があります。

日本にはない製品なので、販売を始めると、砂利敷きのアプローチや庭、屋上庭園、駐車上などに用いられるようになり、今も順調に売り上げを伸ばしています。

2.小さく始めて、失敗のリスクを回避する

日本で売れそうな海外製品を見つけたからといって「真似して日本で作って売ろう」という安易な考え方は、リスクコントロールという観点からみるとかなり危険です。設備投資をして失敗した場合、ダメージが大きくなるからです。

それよりは、その製品を作る海外メーカーにアプローチして、日本の総代理店になることを提案したほうがいい。

海外の中小企業であれば、目が欧米の市場に向いていて、日本市場まで手がまわっていないので、日本企業が「総代理店になりたい」と言ってくれば、だいたいは「渡りに船」とばかりに歓迎してくれるはずです。

総代理店ならリスクは抑えられます。

その分、利益は小さくなりますが、仮に売れなかったとしても在庫を処分すれば撤退も比較的容易です。

もし日本市場で売れて「これならいける!」と確信が持てるなら、海外企業にライセンス料を払って自社で作ることを検討すればいいでしょう。

まずは小さく始めて、失敗のリスクを回避する。これも多角化で成功する秘訣のひとつです。

3.方法2:他社の事業を参考に、自己流にアレンジ

私の会社には、「事業の参考にしたい」という経営者が全国から大勢見学に来ます。

非常に熱心に視察し、たくさん質問をして帰っていくのですが、半年後くらいには私の会社のビジネスモデルやサービス、社員教育などを参考にして、その会社流にアレンジして成功しているケースがよくありました。

なかには「山地社長、私の会社のビジネスモデルを教えましょうか」とおっしゃる経営者もいるほどです。

私からすれば「うちのやり方を参考にしたのに・・・」と思うのですが、多角化に成功するには、それくらいのフットワークが必要なのも事実かもしれません。

私自身、他の会社や人がやっていることを、自己流にアレンジして新規事業の参考にすることが少なくないからです。

4.<きたえるーむ>の事例:プラスアルファでライバルと差別化を

たとえば、「きたえるーむ」というデイサービス事業も、そうしたアレンジのたまものです。

このデイサービスは、自立した生活を送りたいと願う高齢者に向けて、マシントレーニングや歩行訓練、マンツーマンのストレッチなど、身体機能の維持・回復を目的とした機能訓練プログラムを短時間制で提供しています。

特にお客さまに好評なのが、国家資格を持つ「柔道整復師」によるマッサージの提供です。

マッサージによって痛みやしびれをコントロールしながら、機能訓練に取り組めるため、「訓練するだけではつらい」というお客さまに高く支持されています。

最近はライバル企業も増えているのですが、「マッサージ」という要素で差別化できていることもあって、売り上げは右肩上がり。いまではFCの施設も含めて、全国に約100拠点を展開するほどに成長しています。

この「短時間制のデイサービス」というアイデア自体は、私がもともと持っていたものですが、そこに「マッサージ」を取り入れるという発想は、ある整骨院の経営を参考にしたものでした。

5.アイデアは身近なところに転がっている

きっかけは、私が経営者仲間とゴルフをしていたときのことです。

一緒にコースをまわっていた経営者に「短時間制のデイサービスを始めようと思っている」と話したところ、「知り合いの整骨院はマッサージを組み込んだ機能訓練で人気を集めている」と教えてくれました。

直感的に「面白そうだ!」と興味を持った私は、さっそく紹介してもらい、整骨院を経営する整体師の先生とお会いすることに。

直接お話を聞いて「私の考えていたアイデアよりも、マッサージ付きのほうが断然いい!」という思いを強くしました。

整体師の先生は自分の整骨院を広く展開するという考えを持っていませんでしたが、「一緒にやりませんか」とコラボレーションによる全国展開を提案し、現在に至っています。

もしも「マッサージ」という差別化要素を取り入れていなかったら、参入企業の勢いに押され、今ほど事業は伸びていなかったかもしれません。

「あのとき整体師の先生に会いに行っていなかったら......」と考えると、ゾッとするほどです。

6.まとめ

どんな事業にも失敗のリスクはつきものですが、やり方によっては小さくすることができます。リスクを恐れ進まないよりも、小さく始めて大きく育てる(時には小さいうちに撤退する)ことを目指してみてください。お金も人も動きますからカンタンとは言いませんが、繰り返すうちに成功の勘所がつかめてきます。

もっと言うと、多角化をうまく進めるには、フットワークよく行動し、「これはいい!」と思ったものを取り入れる、直感のようなものが必要なのかもしれません。

優れた海外製品を紹介する総代理店になれたのも、他社とのコラボレーションで新規事業が生まれたのも、積極的にアイデアを求めてきたからこそ実現できたこと。

もちろん、他社の商品やビジネスモデルをそのまま真似するのは問題がありますし、芸がないですが、自社にない発想を取り入れて自己流にアレンジする力は欠かせないものだと考えます。

私からいえば、多角化に成功している経営者はいわば「マネの達人」。純粋にオリジナルな事業は少なく、実際には他社の事業を自分流にアレンジすることに長けているだけのような気もしています。

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