中小企業はどう動く?新卒採用スケジュールは学生との早期接触がカギ!
採用・育成

ヤマチユナイテッド採用担当の二瓶です。
2021年卒の就活は、経団連の「採用選考に関する指針」が廃止される最初の年。
「3月に説明会、6月に選考解禁」という経団連の指針は廃止されましたが、2021年卒からは経済界と大学、国が一体となって2020年卒就活のスケジュールを踏襲することが決まっています。
とはいえ、売り手市場の今。欲しい人材を確保するために年々採用スケジュールの早期化が進んでいます。
良い人材を獲得するためには、いつからどう動くべきか、採用計画のポイントをお話しします。
目次
1.2021年卒の採用スケジュールや就活生の動き
2021年卒のインターンシップ期間は「2019年6月」から始まっていますが、早くから動いているのは就活意欲の高い学生。
インターンシップの参加や企業研究など、就活準備が全体的に本格化するのは、北海道ではまさに2019年11・12月の今です。
大手ナビも11月頃から就業感形成の為のセミナー・イベントを多く開催し、企業の動きも活発になります。
2021年卒の一般的な採用スケジュールを見てみましょう。
2019年6月~ 2020年2月 インターンシップ期間
2020年3月 採用広報解禁・企業エントリー開始
2020年6月~ 選考解禁・内定(※企業により異なる)
2020年10月 内定式
採用広報の解禁は2020年3月1日ですが、実質のスタートと言えるのはインターンシップ解禁の2019年6月1日。2021年卒の採用活動はすでに始まっているのです。
今はほぼ全ての学生がインターンシップに参加し、エントリーする企業を絞り込んでいますし、企業も自社の魅力訴求ができる上、採りたい学生を早期に目をつけることができます。
インターンシップを抜きにした採用活動は、不可能に近いと言えるほど重要です。
欲しい人材獲得のため、企業の中にはインターン中に内々定を出すところもあり、採用選考は年々早まっています。
ニッチな専門職なら学生の層も特定されるので「受け身採用」でも良いかもしれませんが、特に総合職はほとんどの会社で募集しているので、自社を選んでもらうためにどの会社も必死。
解禁後の企業説明会から初めて動くのでは、正直遅すぎます。
2.インターンや合同説明会は「実施1年前」から準備を
スムーズに採用活動を進めるには、いつ準備を始めれば良いのでしょう。
当社では、インターンや合説の準備を実施1年前からスタートしています。
インターンシップ
2019年現在、2021年卒のインターンを受け入れている最中ですが、それをやりつつ、来年2020年6月に解禁になる2022年卒インターンのスケジュールや内容を詰めています。
6月1日には、大手ナビのインターンシップ募集サイトがオープンします。
当然ながら自社のインターン受け入れに関する詳細は、入稿日に間に合うよう決めておかなければなりません。
直前の5月になって慌てて準備しても、まず間に合わないのです。
インターンの情報は大学のキャリアセンターで開示しているところもありますが、全ての大学が行なっている訳ではありません。
そのため、インターンの集客方法は、ほぼナビサイト一択。あとはどこのナビにするかです。
サイトを見ればわかりますが、インターン情報サイトには何万社もの企業が掲載され、学生はこの中から気になる企業を予約します。
この段階から自社の告知活動や魅力を発信しないと、他社に大きく水をあけられてしまいます。
インターンシップを実施していない企業は、せっかく興味を持ってもらっても「会社の体制が整っていない」という印象を与えてしまいます。
なかなか手が回らないという企業も、まずは1日完結の短日インターンを実施して、学生に会社の魅力を伝えられるよう進めてみてはいかがでしょうか。
小規模の企業や逆にトップ企業の中には、インターンシップをやらず、3月解禁後にしか動かないところもあります。
学生は合同企業説明会で初めて出会った企業も参考にしてエントリー先を決めるので、「インターンだけで採用が成功する」とは言い切れませんが、労力をかける割合は、やはりインターン期間が7~8割ではないでしょうか。
合同企業説明会
合説(合同企業説明会)への出展も、早めの準備が肝心です。
大手ナビの合説日程が決まるのは約半年前ですが、当社では1年前から検討を始めます。
出展ブースは大小さまざまあり、小型のブースであれば比較的安価なので新規参入しやすいはず。
「出ようと思ったらもう枠がない」ということが無いよう、少しでも前倒しで検討するようにしましょう。
※中小企業の合説出展については「中小企業こそ合同企業説明会に出よう!採りたい人材に響く集客方法」で詳しく解説しています。
3.内定を出す時期は競合他社の動きで決める
「内定」は一連の採用活動の総決算。
内定時期は、自社と競合している企業の動向を調べて設定することが重要です。
なぜなら、競合している企業より内定出しが早すぎると早期に他社の内定出しまで様子を見たいという理由から辞退されてしまう可能性がありますし、遅すぎると他社で先に内定承諾の意思表明をし、辞退されてしまうから。
売り手市場の今は、学生の多くがたくさんの内定を持っているのが当たり前。
当社を受ける学生にも「すでにいくつかの内定を持って臨む人」もいれば、「これから複数の企業の選考を待っている」という学生もいます。
競合社の内定出しが早ければ、自社も早めに。
逆に自社の内定出しが一番最初で、その後たくさんの企業を受ける学生が多いようなら、内定出しは遅めに。
競合の動きを探ると同時に、自社を受ける学生はどちらが多いのか、バランスを見て考えてください。
4.中小企業の新卒採用や教育は「会社全体で取り組む」環境づくりを
かつては「100社受けた」なんて就活時代もありましたが、昨今の学生は3~6社くらいしか受けません。
インターンシップで興味のある業界や会社を見定めたら、合説やOBOG訪問で具体的に話を聞き、3月の広報解禁時にはどの企業を受けるかほぼ決まっている状態。
自分が「ここ!」と決めた企業に絞り、一点集中で臨む傾向にあります。
繰り返しになりますが、この厳しい獲得競争に勝つには、「早期から学生と接触することが不可欠」です。
もちろん、ただ多くの学生と会えばいいわけではなく、自社の魅力や社風、欲しい人材といったメッセージを、しっかり学生に伝えて初めて意味があります。
このコラムを読んでいる方の中には、もしかしたら総務や経理などと採用を兼務している方がいらっしゃるかもしれません。
採用は全方向で取り組まないといけないので、一年中やることが盛りだくさん。
専属の採用チームに入って2年半の私が思うのは、兼務では時間的に間に合わないということ。
手が回らないと悩んでいる採用担当は、上の人も下の人も巻き込むことが必要です!
最も大事なのは、経営者が率先して動くことだと思います。
社長が新卒採用や教育を大事にしていないと、現場社員も「面倒くさい」となってしまうけれど、上が当たり前のように一生懸命だと社員もおのずと協力しようという姿勢になるものです。
会社として、みんなで一緒に取り組もうという雰囲気を作って欲しいですね。
でもそんなに懸命に取り組んでも、採用活動が成功したかどうかは、その子たちが入社する2年後、3年後でないとわかりません。
入社後に活躍してくれるかどうかも、配属先の教育で成長を待つしかない。成果が出るまでに、とても時間がかかるものなんですよね。
就活時代・新卒時代は誰もが通ってきた道です。
当時自分を採用したり育ててもらった先輩方に感謝しながら、「今度は自分たちが頑張る番」だという気持ちで取り組んでもらえたらいいなと思います。
「新卒採用を成功させる6つのコツ!優秀な人材と出会うには?」も参考にしてみてくださいね。
ヤマチユナイテッドでは、他にも「社員が育つノウハウ」で様々なコラムを掲載しています。
人材開発や人材育成のヒントが見つかると思いますので、ぜひご覧ください!
SHARE! この記事を共有する
Authorこの記事の著者

株式会社ヤマチマネジメント HRD・採用チームリーダー
二瓶 百花
2015年、新卒でジョンソンホームズ新築営業として入社。新築住宅ブランド「COZY」の営業に従事する。顧客や社内外各方面への丁寧な対応とチームマネジメント力を買われ、2018年新設のHRD・採用部門リーダーに就任。新卒採用をはじめ、新入社員研修・社内研修の企画・運営を行いながら、全社員が輝く組織を目指して邁進中。