合同説明会の企業側のメリットとは?中小企業が成功するポイント
採用・育成
こんにちは、ヤマチユナイテッドの山崎です。
みなさんの会社では、どのように採用活動を行なっていますか?
ここ数年、新卒採用は売り手市場が続いています。
「ほしい人材が集まらない」「そもそも応募が少ない」
採用担当者の悩みは尽きないものですが、それは必要な準備と対策が足りていないからかもしれません。
合同説明会(合同企業説明会)は、そんな課題を解決するための重要なイベント。
就活中の「多くの学生」に「面と向かって」自社の情報を発信できる、唯一無二の場だからです。
今回は、合同説明会に出展する企業側のメリットや基本的な流れ、注意点をご紹介。
中小企業が合同説明会に出展する際に意識したいポイントについてもお伝えします。
目次
- 合同説明会に出展する中小企業側のメリットとは?
- 合同説明会に出展する企業側の基本的な流れと注意点
- 中小企業が合同説明会に出展する際に意識したい企業側のポイント
- 中小企業こそ合同説明会に出展を!企業側のメリットやポイントを抑えよう
合同説明会に出展する中小企業側のメリットとは?
広報活動開始となる3月1日以降は、各地でさまざまな「合同説明会」が開催されます。
合同説明会とは、複数の企業が一つの会場に集まって企業ごとにブースを出展し、多数の学生や求職者に対して会社説明会を行うイベントのこと。
特に新卒採用の合同説明会は対象とする学生を学部や専攻などで絞ったイベントや、業界や会社規模などで企業を絞ったイベントもあり、開催形式や内容はさまざまです。
合同説明会に出展する中小企業側のメリットについて見ていきましょう。
一度に多くの学生に会える
中小企業が合同説明会に出展する大きなメリットは「一度に多くの学生に会える」ことでしょう。
自社イベントを行なったとしても、集客の手段がなかったりと、中小企業が自社だけで一度に多くの人数を集客するのは至難の技です。
それに比べて合同説明会には多くの学生が出入りし、興味が持てそうな企業を探しています。
また、参加する学生の中には、まだ本気で就職活動に取り組んでいない学生や、自社の業界に興味・関心がないという学生もいることでしょう。
合同説明会はそのような学生に興味を持ってもらい引き込むチャンスとなるため、自社の名前や事業内容だけでなく、自社の強みを魅力的に伝えることがポイントとなります。
自社について直接伝えられる
合同説明会では、自社の名前や商品・サービス、どんな職種を募集していて、どんな人材がほしいと「直接伝えられる」こともメリットです。
もちろんWEBでも情報発信はできますが、対面でPRするのとは浸透力がまったく違います。
採用に割けるリソースに限りがある中小企業ほど、この貴重な機会を活用しない手はありません。
他社の情報を得られる
合同説明会の当日は他社がどのように学生にアピールしているのか見ることができ、ブースの様子もチェックすることができます。
自社のアピール方法と比較することで、次回の合同説明会のブースの内容をさらに充実させることができるでしょう。
新卒の採用活動は、自社に合う優秀な学生をいかに他社よりも自社に引き付けられるかがポイントです。
他の企業のブースを見て良い部分を取り入れられないか、ブラッシュアップできそうなアイデアがないか探してみるのも良いですね。
合同説明会に出展する企業側の基本的な流れと注意点
合同説明会に出展すると決めたら、まずはさまざまなイベントの中からどの合同説明会に出展するか選びます。
出展する合同説明会を決めたら、合同説明会の主催者(採用ナビ、就活情報サイト、地方自治体など)に出して良い情報を確認し、それに基づいた企業説明のスライドをパワーポイントで作成します。
合同説明会は、開催時期によって出して良い情報・ダメな情報がある可能性も。
事前に確認しておきましょう。
合同説明会の当日は、それぞれの会社のブースで学生へのプレゼンテーションや説明会を行います。
合同説明会は数時間〜まる1日実施するものなど様々ありますが、何十分刻みでその説明を回していけるかもポイントです。
大抵は20~30分で1ターン。
5分休憩の間に集客し、また20~30分説明、の繰り返しです。
あまりにも説明が長すぎたり短すぎると、周囲の企業ブースとタイミングが合わず、学生が回ってこない...という事態になりかねません。
臨機応変に対応できるよう、説明スライドを何パターンか作っておくのが良いでしょう。
「話す内容があまりなく、15分程度にしかならない」という場合でも大丈夫。
もし他の企業が30分で1ターンだったら、その間に2ターンできるということ。
可能であれば他の企業とペースを合わせ、難しければ1日の中でうまくサイクルができるよう帳尻を合わせてください。
小規模な合同説明会では「全社35分で回してください」などと決められているケースもあります。
時間が来たら学生は必ず次のブースへ移動するという良心的な方法です。
特に決まりがない場合は、自社で時間を決めて回します。
合同説明会は、企業が学生と直接コミュニケーションが取れる貴重な機会だからこそ、その時間をいかに有効に使うかが大切です。
何回か出展すれば課題や工夫すべき点が見え、集客人数の目標設定を立てて取り組んでいけるようになると思います。
新卒採用スケジュールについては、こちらも参考にしてくださいね。
新卒採用の時期やスケジュールを確認!準備や内定のコツや心構えも
中小企業が合同説明会に出展する際に意識したい企業側のポイント
出展する合同説明会を選ぶ際や、当日に自社ブースに集客する際のポイントについてご紹介します。
合同説明会から自社説明会や選考につなげるポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
中小企業に合う合同説明会の選び方のポイント
合同説明会には大小さまざまな規模があり、来場する学生の層はそれぞれ異なります。
では、どこに出展するか何を基準に選べば良いのでしょう?
特徴と予算に応じて選ぶ
合同説明会は規模の大小により、出展の目的が異なります。
例えば、自社の採用エリアで数十~数百社が出展する大規模イベントがあるとすれば、そのイベントでは、一度に多くの学生に会える一方、相当数の企業が出展するため、自社のブースに興味を持ってもらうための工夫や努力は欠かせません。
一方、地域密着型の情報会社などが行う小規模な合同説明会だと、来場者は数十人から100人程度。
5社くらいの企業が出展し「参加した学生は必ず全ての企業の話を聞く」という合同説明会もあります。
当社が出展する合同説明会は、3分の2は大規模なイベント、残り3分の1は地域密着型の情報会社や団体が主催の小規模なイベントです。
多くの学生は名の知れたそのエリアで一番大規模な合同説明会に行くので、自社イベントでは集客できない規模の合同説明会は欠かせないと考えています。
とはいえ、規模の違いだけで単純にどちらが良いということはありません。
例えば、来場者人数が数千人の会場でも、自社ブースに数名しか集客できなかったり、さほど興味を持っていない学生がとりあえず着座するというケースもあるかもしれません。
逆に、規模は小さくとも興味を持って来てくれた学生数名とマンツーマンで話ができれば、そのほうが質が高いといえます。
合同説明会の規模の違いによる特徴は、以下の通りです。
- 多くの学生に自社の存在を周知できる=大規模
- スカウトに近い密度の高い声がけもできる=小規模
合同説明会に出展する際は、目的に合わせて適切な合同説明会を選びましょう。
「ほしい層が来場する合同説明会」を選ぶ
出展先を選ぶ一番のポイントは、「自社がほしい人材像」にマッチした層が来場する合同説明会かどうかです。
ということは、「自社がほしい人材像」が明確になっていることが大前提。
当社が求めている層は、偏差値の高さというよりもコミュニケーション能力が高く、一生懸命がんばるアグレッシブな人材です。
敢えて偏差値で表現するとすれば、中間層、いわゆる「2‐6‐2の法則」でいう「6」の人材。
そのため、超優秀な上位2割の学生のみを集客するイベントには出展しません。
今は昔と違い、合同説明会への参加に伴い、事前予約をすることを求められるイベントもあります。
合同説明会の主催が情報会社の場合、採用ナビサイトに登録・予約した学生が来場するため、所属する大学や学部、男女比といった情報は、主催する情報会社で把握しています。
自社の担当者に教えてもらい、自社が求める層と一致するかどうかを判断すると良いでしょう。
小規模な合同説明会の場合は、主催の情報会社が、採りたい学校とのパイプを持っているかどうかも大事なポイントです。
要は、情報会社自体が学生を集客するための告知機会を対学校に対して持っているかということです。
SNSや各種広告などでマスに対し集客することももちろんできるでしょうが、ある程度費用も掛かるため、直接キャリアの授業などの機会にイベント告知ができるような、学校とのパイプを持っている地方の情報会社が大手情報会社よりも強い場合がありえます。
企業と学生のミスマッチを防ぐためにも、ここはしっかり押さえて置くと良いでしょう。
また、出展数が5~6社規模の合同説明会の場合は、競合他社とのバッティングにも注意が必要です。
商品やサービスが類似していて規模感も同じ企業は、採用でも必ず競合します。
知らずに出展したらライバル社とバッティング...とならないように、前もってどのような企業が出展するかを確認しておきましょう。
集客のポイント
合同説明会当日、ほしい層をしっかり集客するためには、次のような工夫も大切です。
配布用のパンフやチラシを作る
歩いている学生に配るためのツールは必須。
会社の事業内容が分かるチラシを配れば、その時は着座してくれなくても、後からブースに来てもらえたり、帰宅後に気になって検索してくれる可能性が生まれます。
「ほしい人材」に響くメッセージを発信する
社風や求める人物像に合わせたメッセージを決め、スライドなどの説明ツールもそれに沿ったものを作りましょう。
メッセージの印象次第で、集まる学生の層は大きく左右されます。
社風に合ったもの、ほしい人材に響く言葉で自社の魅力を伝えましょう。
集客はできるだけ若手社員が担う
可能であれば集客の役目を担うのは、学生が話しやすく親近感も湧く若手社員が一番。
そして、話を聞く企業を迷ってウロウロしている学生がいたら、「もう業種は決まっているの?」「うちはこういう会社なので話を聞いてみない?」と、積極的に声をかけること。
ベテラン社員がどーんと座って「待ち」の姿勢でいるブースには、なかなか学生も入りにくいと思いますので要注意です。
「新卒の採用活動を若手社員に活躍してもらうのが一番良い理由」も参考にしてください。
合同説明会の「その後」も見据えたアプローチを
合同説明会の目的は、自社に合った学生に個別の会社説明会や選考まで進んでもらうこと。
「合同説明会に出展すること」が目的にならないよう、終わった後の次の手を用意しておくことが肝心です。
あらかじめ合同説明会後に自社のイベントを設定し、会場で配るチラシに載せておけば、自社説明会への集客につなげることができます。
「説明会は予約があれば随時行う」という会社なら、「予約はこちらから」と連絡先を記載すればOK。
合同説明会で直接アプローチできなかった学生にも接点が持てるよう取り組んでください。
また当社では、着座してくれた学生に必ずアンケートを取っています。
説明の満足度をいくつかの選択肢の中から選んで丸をつける、という簡単なものです。
「もう少し詳しく話を聞きたかった」を選んだ人は、何を聞きたかったかを書き込む欄も設けています。
アンケートは当日自分たちの説明がどうだったか客観的に分かるので、おすすめの方法です。
自社に合った学生を採用したら、入社後の育成も欠かせません。
「採用計画・育成計画の立て方とは?経営計画と紐づけるポイントも確認」もあわせてご確認ください。
中小企業こそ合同説明会に出展を!企業側のメリットやポイントを抑えよう
合同説明会に出展する中小企業側のメリットは、一度に多くの学生に会えること、直接自社の魅力を伝えられること。
また、競合他社がどのような方法で学生にアピールしているのか情報を得られるのもメリットでしょう。
中小企業こそ合同説明会に出展するメリットが大きいので、基本的な出展の流れや注意点も参考に、具体的にイメージしてみてください。
出展する合同説明会を選ぶ際は、イベントの特徴や予算で選んだり、ほしい学生の層が来場するかどうかチェックして選んだりするのがポイントです。
当日は配布用のパンフやチラシを作り、ほしい人材に響くメッセージを発信し、できるだけ若手社員が中心となって集客することがおすすめ。
学生とのコンタクトが当日だけで終わらないよう、合同説明会後に自社のイベントを設定し、会場で配るチラシに案内を載せることも欠かせません。
着座してくれた学生にアンケートを取ることも、おすすめの方法です。
ヤマチユナイテッドでは、会社経営のノウハウに関するワークショップやセミナーなどのイベントを随時開催しています。
経営の参考にぜひチェックしてみてくださいね。
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Authorこの記事の著者
株式会社ヤマチマネジメント|経営支援事業部 |営業推進チームリーダー・人財開発コンサルタント
山﨑 舞
人材総合サービス会社の営業部勤務を経て2018年(株)ヤマチマネジメントへ入社。前職では採用広告サービスの販売営業部で戦略スタッフとして企画・販促・アシスタント業務を担当。その際、元々取引先だったヤマチユナイテッドの社風やミッションに惚れ込み、転職を決意。現在は経営支援事業部で企画・運営を担当しつつ、営業推進チームリーダー兼人財開発コンサルタントとして活動。企業の新卒採用・育成を支援している。