社内教育(社員教育)の方法をご紹介!社員が育つ環境づくりのポイントは?
採用・育成
こんにちは、ヤマチユナイテッドの川田です。
「社員が楽しくいきいきと働く」ことを社風としている当社。
僕自身も社員たちには、仕事を通じて体験しうる辛さや苦しさよりも、楽しさややりがいを糧に成長してほしいと願っています。
社内教育(社員教育)のために、日々の指導やさまざまな取り組みに力を入れているものの、なかなか上手くいかずに悩んでいる経営者の方も多いかもしれません。
今回は、社内教育(社員教育)についてのお話です。
社内教育(社員教育)の目的や導入方法、大切なポイントなどもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
目次
- 社内教育(社員教育)の目的から確認
- 社内教育(社員教育)の進め方は?効果的に進める5ステップをご紹介
- ジョンソンホームズ・川田流の社内教育(社員教育)4つの方法
- 社内教育(社員教育)の進め方で大切なポイント
- 社内教育(社員教育)の効果的な進め方を確認し、企業全体の成長につなげよう
社内教育(社員教育)の目的から確認
企業が社員に対して教育を行う「社内教育(社員教育)」は、社員個人の成長だけでなく、企業や組織の成長にもつながります。
企業によっては「企業内教育」「人材育成」などと呼ばれていることもあるでしょう。
社内教育(社員教育)は、業務に必要な知識やスキルを身につけるだけではありません。
適切なリスク管理の手法を学んだり、法令遵守を目的とした「コンプライアンス教育」を受けたりすることで、リスクを未然に回避する目的もあります。
まずは、社内教育(社員教育)の目的について確認していきましょう。
社員の能力向上・業務効率化
社員一人ひとりのスキルアップは、個別の業務パフォーマンス向上に直結し、結果的に企業全体の生産性を高めます。
社内教育(社員教育)を通して専門的な知識やスキルを習得することで、社員は自分の役割をより効果的にこなせるようになります。
また、リーダーシップやマネジメント能力の向上の育成によって、組織全体の成果の向上にもつながるでしょう。
幹部候補の育成については、下記コラムもあわせてご覧ください。
幹部候補を育成するポイントとは?社員全員を幹部候補に育てる環境
中堅社員を幹部へと育成する方法とは?中小企業においての重要性も確認
企業文化の浸透・共通認識の形成
社内教育(社員教育)は、企業理念やビジョンを浸透させることができる重要な手段です。
企業の目指す方向性や価値観を共有することで、社員は自分がどのように行動すべきかなど、会社の一員としての意識を高めることができます。
企業としての一体感を育むためは、社員が経営理念を理解して結束を強化することが必要不可欠です。
リスク管理・法令遵守
企業では情報漏洩やハラスメントなどのリスクに対する対策が欠かせません。
社員の教育を通じて、リスクを適切に認識し、未然に防ぐための知識や行動基準を学ぶ必要があります。
また、法令遵守(コンプライアンス)の意識を高めるため、企業内での適切な行動規範や労働環境に関するコンプライアンス教育も重要です。
これにより、リスクやトラブルを未然に防ぎ、企業の信頼性を維持することができます。
社内教育(社員教育)の進め方は?効果的に進める5ステップをご紹介
社内教育(社員教育)には、OJT、集合研修、e-ラーニングなどさまざまな方法があります。
社内教育(社員教育)を効果的に進めるためには、段階的に計画を立て、各ステップを順を追って実行していくことが大切です。
詳しくご紹介します。
ステップ①組織の現状と課題の整理
まずは組織全体の状況を理解し、解決すべき課題を明確にします。
社員教育の目的をはっきりさせるためには、経営層や人事部門、現場の意見を集めて、組織の現状と直面している課題を洗い出すことが重要です。
部署や立場によって抱えている問題が異なるため、広い視点で課題を整理しましょう。
ステップ②社内教育(社員教育)の目標の明確化
次に、明確になった課題をもとに、社内教育(社員教育)を実施する目的は何か、具体的にはどんな状態に社員を導きたいのかを決定します。
達成すべき成果を具体的に描くことで、教育の方向性や内容が見えてきますよ。
また、一度の教育では解決できない課題もありますので、その場合は目標に応じた段階的なアプローチが必要です。
ステップ③社内教育(社員教育)の実施タイミング調整
教育の実施タイミングをしっかり決めることも重要なステップです。
社員教育は定期的に行うものと、新入社員の入社や昇進、部署異動などの節目に合わせて実施するものがあります。
これらのタイミングに合わせて教育を組み込むことで、社員の成長を最大化することができます。
計画的にスケジュールを調整し、適切な時期に教育を実施できるようにしましょう。
新人育成について詳しくは下記コラムもあわせてご覧ください。
新人育成で大切なことは?新人育成計画を立てるポイントや手順も確認
新人教育を丸投げして成功するコツとは?先輩社員も一緒に育てる方法
ステップ④実施方法の選定
社内教育(社員教育)をどのような方法で実施するかを決めます。
社内教育(社員教育)には、実務を通じて学ぶ「OJT(On-the-Job Training)」と、現場を離れて学ぶ「OFF-JT(Off-the-Job Training)」があります。
OFF-JTでは、集合研修やオンライン学習(e-ラーニング)などの形式があり、それぞれに特徴があります。
社内教育(社員教育)の目的や内容に合わせて、最適な方法を選び、社員にとって効果的な学習環境を整えましょう。
ステップ⑤アフターフォローの仕組みの設定
最後に、教育を終えた後のフォローアップが非常に重要です。
新たに学んだ知識やスキルは、時間が経つと忘れやすいため、定期的なフォローを行うことで定着していきます。
アフターフォローとして、フィードバックをしっかり行いましょう。
社員が自らの学びを振り返り、改善点を見つけ、次にどのように行動すべきかを考えて実行することを繰り返すことができます。
こうしたフィードバックを積極的に行うことで、学んだことを実務に活かせるようになります。
ジョンソンホームズ・川田流の社内教育(社員教育)4つの方法
社員のスキルアップ向上のために行う「社員研修」では、知識やスキルをたくさん学ぶことができます。
しかし、それらが自分の習得したいものに直結していないと、せっかくの能力を活用することができないケースも少なくないのではないでしょうか。
こうなってしまうと残念ながら社内教育(社員教育)は成功したとは言い難く、社員の成長どころかモチベーションの低下にもつながりかねません。
そもそも「組織の中で人が成長する」とは、どういうことでしょう。
僕が定義するなら、「自分に合ったポジションで、自分の業務やほかの社員の仕事あるいは会社の事業がより良くなるための行動がいろいろとできるようになること」だと考えています。
業務上の目標を達成することが成長に大きく影響するとしたら、ただ外部研修(社外研修)を受けるよりも「どうやったら良くなるか」「どうなりたいか」を情報交換しながら常に話し合える職場環境のほうが向上心も育ちますし、有益だと思いませんか?
その中で、自分の発言が周りを良くするきっかけとなり、部署や会社、ひいてはお客様からの評価や業績まで、広義な「良くする」に影響をおよぼせる人間にまでなったとしたら、これは大きな成長です。
「何が問題か」「その問題をどう解決するか」「対策を施してみてどうか」「より効果的な方法を見つけられるか」。
いわゆるPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善のプロセスを繰り返し、目標達成や業務改善を行うフレームワーク)を、うちの社員は職場での日々の会話を通じて自然に実践しています。
僕が口や手を出さずとも、彼らだけで十分業務が回っているのを見ると「育ってるなぁ」と感じるのです。
僕が常務取締役を務めるジョンソンホームズは、住宅販売事業のほかにインテリアショップの経営なども手がけています。
こちらを例に、川田流の社内教育(社員教育)の方法をステップごとにご紹介しましょう。
ステップ①問う
住宅販売の現場には僕自身十数年いましたが、実はインテリアショップについては当初わからないことが多くありました。
だから、問題点を見つけたら「こういうときってどうするものなの?」とショップの社員に聞いちゃいます(笑)。
ここが成長のポイントなんです。
住宅販売の場合、僕はわかっているので口を出してしまうし、言われた社員も聞き入れてしまう。
聞き入れてしまうと、それって他人の案なので、成長という意味では結果が出ないんですよね。
ステップ②考えさせる
課題を発見したとき、マネージャーなど指示する側の人間がまず「どうしたら良いだろう?」と問いかけるのが第一歩。
問えば相手も考えます。
例えば、今月の売上目標を達成するには何をすべきかという場面。
じっくり考えてみると、先月の頑張りがベースになって今月はもう8割ほど決まっていることに気が付いて「今月はあと2割を頑張れば良い」と結論が出ます。
もしそれがちょっと厳しい数字であれば「ほかに何ができる?」と再び問う。
「接客面でできることは?」「見積もりを高確率で成約に持っていくためには?」「オーナー様たちが満足して口コミやリピートしてくれるようにするためには?」などなど。
Q.「○○するためには何をすれば良い?」→A.「このような行動」という問いと答えを繰り返しながら、今の自分たちができることを具体的に考えさせるのが目的です。
ステップ③自由を与える
当社のインテリアショップでは、一人ひとりに考える習慣が身についたころ、「じゃあこれをみんなでやっていけば良いんじゃないの」という意識が生まれました。
その中で彼らは「君は日割り予算の数字を追う係」「君はイベントの計画を立てる係」などと自主的に役割を決めていきました。
この日割り予算の係になるとインテリアショップ経営の全体像が把握でき、ものすごく成長するんです。
プロパー時期かセール時期かを見極めながらそれぞれにクロージングポイントを設定し、顧客心理も絡めつつ...というように、全部ストーリー立てて作っていきます。
「役割を与えられると、人ってめちゃめちゃ育つんだな」と、感心したものです。
ステップ④やらせてみる
「考えさせる」ことは、課題を自分ごととして捉える視点を持たせるということ。
上から「やれ」と言われたことをこなすだけでは部分的なことしか見えてこないので、「会社は何もやってくれない」「これをやれと言ったのに何をやっているんだ」と互いに不満を抱きがちです。
上司がやり方を提示するのをある意味「放棄」すると人は育ちます。
どうせ放棄するなら、上司のせいにすらさせないように「君はどうやったら良いと思う?」と問いかけて、許せる限り自由にやらせてみてください。
その代わり、結果が出なくても責めないこと。
できなかったら「何を変えたらできるだろう?」とまた考えさせるのです。
なお、下記コラムではヤマチユナイテッドで取り入れている若手社員の教育プログラム「業績共有ワーク」の事例をご紹介しています。
あわせてご覧ください。
若手社員に自主性を持たせる教育プログラム事例「業績共有ワーク」とは
社内教育(社員教育)の進め方で大切なポイント
実は社内教育(社員教育)の要は、社員同士、上司や部下関係なく「何でも言い合える」環境を作ることです。
当社のインテリアショップであった実際の経験をもとに、何でも言い合える環境づくりがなぜ大切なのか、メリットをご紹介しましょう。
何でも言い合える環境は業務効率アップや売り場の活性化につながる
チームを組んで業務に当たるとき、たいていはリーダーという肩書を持つ人がいるでしょう。
インテリアショップの社員の話ですが、以前、リーダーに任命された途端に店頭に立たなくなり、奥にこもってパソコンをカチャカチャやりだすようになった人がいました。
「リーダーだから」本社との連絡業務や事務作業が忙しいなどといった理由なんでしょうけれど、僕が現場のリーダーに求めたいのはチームスタッフの話を聞きまくること。
リーダーを中心に会話量が増えると「何でも言って良いんだな」という空気が生まれます。
「このレイアウトでは売れないんじゃないですか」「あそこの売り場の商品は動いていないですよ」などです。
このようにみんなが気兼ねせず意見を言える環境になると改善に着手するのも早く、対応も効率化し、売り場も活性化します。
お互いを理解することでチーム全体のモチベーションが上がる
またあるときは、月間の売り上げ目標達成の見通しが厳しく、リーダーが落ち込み気味に。
人間ですから日によってモチベーションが上下するのは人として当たり前のことです。
「これは無理じゃない?」と月初から弱音を吐く彼に「いや大丈夫ですよ、いけます!」とサブリーダー。
中盤になるとサブリーダーが不安になり始めますが、今度は違うスタッフが「いや、僕ががんばります!」と言うのです。
普段の会話量が多いからこそ、お互いの気持ちを理解できますし、誰かの気持ちが下がっていても別の誰かが「大丈夫」「できる」と言い続けられる。
僕はモチベーションって個人個人のものだと思っていたのですが、意外とチームのものと言って良いのかもしれません。
モチベーションの高い人が低い人を引っ張ったり補ったりして、総和を高く維持することもできるのだなぁと気が付いた一件です。
後ろ向きな会話ではなく前向きな会話をする
インテリアショップって、数字にとらわれるとすごく業績が下がるし、逆に「お客様の暮らしをこんな風にしたい」とか、楽しい方向に目が向くとすごく業績が上がるんです。
だから、リーダーが振る話題の「方向付け」というのも、とても大事になってくるわけですね。
いくら会話量が多くても「売り上げが少ないのは商品が悪い」「営業が悪い」「環境が悪い」「うちらは悪くないから仕方ない」という方向ではダメ。
「どうやったら目標を達成できるだろう」「楽しく働くために達成したいね」「きっとできる」と話し合い、励まし合って、根拠がなくてもモチベーションを上げておきましょう。
社内教育(社員教育)の効果的な進め方を確認し、企業全体の成長につなげよう
社内教育(社員教育)の目的は、企業の成長やリスク管理・法令遵守のためなど多岐にわたります。
まず、社員のスキル向上や業務効率化があげられます。
教育を通じて専門知識やマネジメント能力を育成し、組織全体の生産性向上につなげるほか、企業理念やビジョンの浸透を図り、社員の一体感を高めることにもつながります。
さらに、社内教育(社員教育)はリスク管理や法令遵守の意識を強化し、企業の信頼性を守る役割も果たすでしょう。
効果的な社内教育(社員教育)には、段階的な計画と方法選定が求められます。
現状と課題の整理、目標の明確化、教育のタイミング調整、適切な方法の選定、そしてアフターフォローが不可欠。
ジョンソンホーム・川田流の社内教育(社員教育)法では、社員に考えさせ、自由に役割を与え、実践を通じて成長を促します。
「何でも言い合える環境」を作ることで、業務効率やモチベーションの向上にもつながり、企業全体の成長につながるでしょう。
ヤマチユナイテッドでは、社内教育(社員教育)に関してさまざまな角度からの取り組みをしており、経営セミナーやイベントなどでご紹介しています。
スケジュールはホームページでチェックしてみてくださいね。
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Authorこの記事の著者
株式会社ジョンソンホームズ|常務取締役|グループ常務
川田 新平
ジョンソンホームズを陣頭指揮。企業ミッションの明文化、共有・浸透を図るとともに社員が輝き主体的に経営参加する組織づくりを通して、新たな成長軌道に導く。現在はグループで展開する多様な事業にコミット。社員皆をよくするために、毎月500名の社員の話を聴くことを自ら実行している。