成功する会社には「良い社風」がある。「社風経営」で多角化経営を加速しよう《連邦・多角化経営概論》第4回

多角化するノウハウ,良い社風を作るノウハウ

山地 章夫
山地 章夫

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私が考える成功の方程式は、

「多角化」×「システム経営」×「良い社風」です。

たとえ優れたビジネスモデルがあったとしても、優秀な人材が揃っていたとしても、社員が楽しく働けない会社が長く続くとは思えません。

ドラッカーも「卓越した企業文化は戦略に勝る」という言葉を残しています。

もし、失敗をひどく叱責するような社風なら、社員は新しいことに挑戦したいと思うでしょうか。

若手社員が上司にモノを言えないような社風なら、提案やアイデアは生まれるでしょうか。

多角化がうまくいくのは、会社に仕事も遊びも楽しむようなポジティブな雰囲気があればこそ。

今回は社風が大切な理由と、良い社風のつくり方についてご紹介しましょう。

目次

  1. なによりも社風が大切な理由
  2. まずは経営者から楽しそうにする
  3. コミュニケーションは「ほめる」が基本
  4. 組織として取り組む「社風改革」
  5. まとめ

1.なによりも社風が大切な理由

経営(仕事)は「楽しくすればうまくいく」とは限らないが「楽しくなければ、うまくいかない」。

私は最近、こう表現しています。

楽しくすれば成功するというのは短絡的な考え方ですが、楽しくなければうまくいかない。これは間違いありません。

仕事や職場が楽しければ、社員のモチベーションは向上し、おのずと生産性があがります。

社員がポジティブになれば、新しいアイデアやチャレンジもどんどん湧いてくるでしょう。

反対に、失敗を恐れるようなネガティブな職場なら、新規事業を立ち上げるのは困難です。

経営者が軽視しがちな「社風」こそが、成功するための重要なファクターなのです。

2.まず経営者から楽しそうにする

「社風」とはなんでしょう。

ひとことで言えば、社風とは会社の空気です。

誰かの発する雰囲気がほかの者へと伝播し、いつのまにか空気が形成され、それが定着して社風となります。

想像してみてください。経営者がいつも難しい顔をしていたら、ピリピリとした雰囲気が蔓延して、まわりの社員も笑顔になれません。

それが何カ月、何年も続いたら...。社員が自由に発言したり、提案したり、新しい発想を生み出すことも、もしかしたらなくなってしまうかもしれません。

ですから、いい社風をつくる最低条件は、まず経営者が明るく楽しそうにしていることです。

まずはトップ自ら楽しそうに仕事をすることから始めてください。

形だけでもいいので「楽しい」というキーワードを口に出すように決断してほしいのです。

朝礼では小言をやめ、笑顔でポジティブな発言をします。

私は会議でダメ出しをするときも「その経営計画は楽しくないな」「もっと楽しくなるように考え直してよ」と言います。

社風を一朝一夕に変えるのは容易ではありませんが、少なくともトップが上機嫌でいれば、その姿勢は経営幹部へ、そして現場の社員へと次第に伝播していくはずです。

3.コミュニケーションは「ほめる」が基本

楽しそうに仕事をする、といっても、部下の失敗は放っておけません。

部下をガミガミと叱ってしまう方もいるでしょう。

でも、叱ってばかりだと部下が萎縮して、新しいことにチャレンジする気は失せてしまう。ときには厳しく叱るのも愛情ですが、私はコミュニケーションの基本を「ほめる」ことに置いています。

ほめるには、相手を普段から知り、良いところにフォーカスする必要があります。

良い面を見ようと心掛けると、物事を前向きにとらえるクセがつきます。そう、社員との向き合い方もポジティブに変わるのです。

当社には部下をむやみに叱りつける上司はほとんどいません。

のびのび仕事ができれば、社員も明るく積極的に振る舞えます。

部下に「失敗しました!」と笑顔で報告されると、内心は穏やかではありませんが、顔に出すことなく「ナイス、失敗!」「一緒に取り返そう!」と言えるくらいになれれば理想的です。

ほめることにコストはかかりません。

良い社風をつくりたいなら、「ほめる」をコミュニケーションの基本に位置づけることをオススメします。

4.組織として取り組む「社風改革」

当社では、社員の側からも社風づくりに関わってもらいます。

中心になっているのは「社風向上委員会」。

仲間をほめること、笑顔でいることの大切さを啓発するポスターをつくって社内に掲示する活動を行っています。

折に触れて目にすることで、日ごろのコミュニケーションを意識するきっかけになっているのではないでしょうか。

また、業務を1日休んで行う運動会などの社内行事、「グッド&ニュー」をテーマにした朝礼での社員スピーチなども、良い社風づくりに一役かっています。

こうして社内に根付いた良い文化は、お客さまや取引先にも伝わります。

何度も言うように、社風は空気です。社員があちこちへ運ぶことでどんどん伝わり、広まっていきます。

良い社風が定着すれば、社員の定着率が高まります。明るく前向きな社風に惹かれて、似たような雰囲気の人材が集まってくるので、採用力もアップするでしょう。

事業や会社によって社風に大きな差がなくなれば、グループとしての一体感も高まるはずです。

5.まとめ

「ヤマチさんのところは社風がいい」

取引先の方にこう言われることが、私の自慢のひとつです。

会社の視察に来た方も「活気がある」「明るい」「社員がのびのび仕事をしている」といった感想を聞かせてくれます。

私が成功の方程式に位置づけている「システム経営」×「多角化経営」×「社風経営」のうち、前者の2つはあくまでも仕組みですが、最後の「社風経営」は仕組みであると同時に、社員の精神であり、会社の精神となりうるもの。

仕組みを駆動していく際に欠かせない「エンジン」だと考えています。


シリーズ《連邦・多角化経営概論》では、連邦・多角化経営の仕組みを全4回にわたって解説。
ヤマチユナイテッドが実践する100VISION経営、さらに連邦・多角化経営の全容を知りたい方は、まずこちらのシリーズからご覧ください。
第1回:中小企業の活路は、「連邦・多角化経営」にあり
第2回:社員全員が経営に参加できる、とっておきの仕組み「システム経営」とは?
第3回:多角化のメリットを最大限に引き出す「連邦経営」とは?
第4回:多岐に渡る事業部の社員をひとつにする社風経営とは?(この記事)

《事務局より》

全4回にわたって連載してきた「連邦・多角化経営概論」いかがでしたでしょうか。「連邦・多角化経営実践塾」や書籍『連邦・多角化経営』のエッセンスを凝縮した内容となりました。少しでも多角化に踏み出したい企業様、経営者様のお力になれれば幸いです。

実際に「実践塾」を受講された企業様は、1年をかけ、1回2日間の日程で、経営者様、幹部・社員様共に、自社に合わせて実践を進めていかれました。自社に根付かせるにはそれくらい長い間共に過ごし、学ぶことが必要です。

ただ、「実践塾」は時間も手間も大変かかります。このため、すぐご参加いただくのが難しい企業様もいらっしゃるでしょう。

おすすめは、毎年1回、東京で開催される「連邦・多角化セミナー」(日本経営合理化協会主催)です。
今年は5月15日(火)に催されます。

http://jmcasemi.jp/seminar/seminar.php?CONTENT_ID=1330

塾長の山地をはじめ、登壇者が熱く講演。懇親会にて山地とお話し頂く機会もございます。
この折にぜひ、「連邦・多角化」に触れ、学びを深めて頂けますと幸いです。

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