良い社風の作り方とは?「社風経営」で多角化経営を加速
多角化・新規事業,理念・社風

こんにちは、山地です。
私が考える企業の成功の秘訣として、「多角化」×「システム経営」×「社風経営」という方程式があります。
たとえ優れたビジネスモデルがあったとしても、優秀な人材が揃っていたとしても、社員が楽しく働けない会社が長く続くとは思えません。
ドラッカーも「卓越した企業文化は戦略に勝る」という言葉を残しています。
もし、失敗をひどく叱責するような社風なら、社員は新しいことに挑戦したいと思うでしょうか。
若手社員が上司にモノを言えないような社風なら、提案やアイデアは生まれるでしょうか。
多角化がうまくいくのは、会社に仕事も遊びも楽しむようなポジティブな雰囲気があればこそ。
今回は社風が大切な理由と、良い社風のつくり方についてご紹介しましょう。
目次
1.社風の作り方を真髄に考えることが、なにより大切な理由
経営(仕事)は「楽しくすればうまくいく」とは限らないが「楽しくなければ、うまくいかない」。
私は最近、こう表現しています。
これが一番の基盤となり、良い社風へつながると信じています。
楽しくすれば成功するというのは短絡的な考え方ですが、楽しくなければうまくいかない。これは間違いありません。
仕事や職場が楽しければ、社員のモチベーションは向上し、おのずと生産性があがります。
社員がポジティブになれば、新しいアイデアやチャレンジもどんどん湧いてくるでしょう。
反対に、失敗を恐れるようなネガティブな職場なら、新規事業を立ち上げるのは困難です。
経営者が軽視しがちな「社風」こそが、成功するための重要なファクターなのです。
2.成功へ導く3つの「良い社風の作り方」
社風を良くするために、大きく分けて3つのポイントがあります。
1.まず経営者から楽しそうにする
「社風」とは、ひとことで言えば会社の空気です。
誰かの発する雰囲気がほかの者へと伝播し、いつのまにか空気が形成され、それが定着して社風となります。
想像してみてください。経営者がいつも難しい顔をしていたら、ピリピリとした雰囲気が蔓延して、まわりの社員も笑顔になれません。
それが何カ月、何年も続いたら...。社員が自由に発言したり、提案したり、新しい発想を生み出すことも、もしかしたらなくなってしまうかもしれません。
ですから、いい社風をつくる最低条件は、まず経営者が明るく楽しそうにしていることです。
まずはトップ自ら楽しそうに仕事をすることから始めてください。
形だけでもいいので「楽しい」というキーワードを口に出すように決断してほしいのです。
朝礼では小言をやめ、笑顔でポジティブな発言をします。
私は会議でダメ出しをするときも「その経営計画は楽しくないな」「もっと楽しくなるように考え直してよ」と言います。
社風を一朝一夕に変えるのは容易ではありませんが、少なくともトップが上機嫌でいれば、その姿勢は経営幹部へ、そして現場の社員へと次第に伝播していくはずです。
2.コミュニケーションは「ほめる」が基本
楽しそうに仕事をする、といっても、部下の失敗は放っておけません。
部下をガミガミと叱ってしまう方もいるでしょう。
でも、叱ってばかりだと部下が萎縮して、新しいことにチャレンジする気は失せてしまう。ときには厳しく叱るのも愛情ですが、私はコミュニケーションの基本を「ほめる」ことに置いています。
ほめるには、相手を普段から知り、良いところにフォーカスする必要があります。
良い面を見ようと心掛けると、物事を前向きにとらえるクセがつきます。そう、社員との向き合い方もポジティブに変わるのです。
当社には部下をむやみに叱りつける上司はほとんどいません。
のびのび仕事ができれば、社員も明るく積極的に振る舞えます。
部下に「失敗しました!」と笑顔で報告されると、内心は穏やかではありませんが、顔に出すことなく「ナイス、失敗!」「一緒に取り返そう!」と言えるくらいになれれば理想的です。
ほめることにコストはかかりません。
良い社風をつくりたいなら、「ほめる」をコミュニケーションの基本に位置づけることをオススメします。
3.「社風改革」として組織全体で取り組む
当社では、社員の側からも社風改革として、組織全体で社風づくりに関わってもらいます。
中心になっているのは「社風向上委員会」。
仲間をほめること、笑顔でいることの大切さを啓発するポスターをつくって社内に掲示する活動を行っています。
折に触れて目にすることで、日ごろのコミュニケーションを意識するきっかけになっているのではないでしょうか。
また、業務を1日休んで行う運動会などの社内行事、「グッド&ニュー」をテーマにした朝礼での社員スピーチなども、良い社風づくりに一役かっています。
こうして社内に根付いた良い文化は、お客さまや取引先にも伝わります。
何度も言うように、社風は空気です。社員があちこちへ運ぶことでどんどん伝わり、広まっていきます。
良い社風が定着すれば、社員の定着率が高まります。明るく前向きな社風に惹かれて、似たような雰囲気の人材が集まってくるので、採用力もアップするでしょう。
事業や会社によって社風に大きな差がなくなれば、グループとしての一体感も高まるはずです。
3.良い社風の作り方を考えることは、企業のエンジンとなる!
「ヤマチさんのところは社風がいい」
取引先の方にこう言われることが、私の自慢のひとつです。
会社の視察に来た方も「活気がある」「明るい」「社員がのびのび仕事をしている」といった感想を聞かせてくれます。
私が成功の方程式に位置づけている「システム経営」×「多角化経営」×「社風経営」のうち、前者の2つはあくまでも仕組みですが、最後の「社風経営」は仕組みであると同時に、社員の精神であり、会社の精神となりうるもの。
仕組みを駆動していく際に欠かせない「エンジン」だと考えています。
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Authorこの記事の著者

ヤマチ連邦多角化経営実践塾 塾長
山地 章夫
ヤマチユナイテッド代表。経営を楽しみ、社員620名、50事業・年商160億円の企業グループの舵を取る。本業を中心に事業を次々と立ち上げ、売上げを積み増す「連邦多角化経営」を実践。経営の安定化と人材育成を両立する独自の経営手法が、多くの中小企業経営者の注目を集める。