シナジー効果を生み出す多角化企業の成長戦略!効果的なグループ連携会議の設計と運営方法
多角化・新規事業
こんにちは、ヤマチユナイテッドの山﨑です。
環境変化の激しいこの時代、会社存続のための「第2の柱」「第3の柱」として、または、会社のさらなる成長・発展のために多角化展開を推進する中小・中堅企業が増えています。
多角化がある程度進めば、それぞれの事業を連携させて会社全体のスケールアップを図っていくことも視野に入ってきますが、この連携をより効果的に行うことにより、得られるメリットは3倍にも4倍にもなるでしょう。
今回は、シナジー効果を生み出す多角化企業の成長戦略について、ヤマチユナイテッドで行なっているグループ連携会議の事例とあわせて解説します。
これからグループ連携をうまく進めていきたいと考えている企業の皆さんはもちろん、現在、課題を抱えている方々にもお役に立つ情報をお届けできれば幸いです。
目次
- シナジー効果とは?
- 多角化企業におけるグループ連携の課題とその根本的な原因とは?
- シナジー効果を生み出すのに効果的なグループ連携会議の設計と運営方法
- グループ連携により得られるシナジー効果のメリットとスケールアップ戦略
- シナジー効果を生み出すにはグループ連携会議による事業部間の相互理解が必須
シナジー効果とは?
シナジー効果を日本語でいえば「相乗効果」のこと。
ビジネスシーンにおいては、複数の部署や事業体が連携することにより、それぞれが個別に活動した時以上に得られるメリットのことといえるでしょう。
ヤマチユナイテッドも多角化を進める上で、シナジー効果を見据えた事業展開を行なっています。
例えば、2つの事業を連携させた際に2つ同時に効果が出るようなものもあれば、2つの事業のうち1つは早めに、もう1つには時間差で効果が出てくるようなものもあります。
「シナジー効果が同時に出ないのならやる意味がないのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、そこは長い目で見ていきましょう。
うちでは「追々効果が表れる」と考えていて、一方が他方に協力するというケースは往々にしてあります。
多角化企業におけるグループ連携の課題とその根本的な原因とは?
多角化により事業が増えると、それぞれの管理が難しくなることもあるでしょう。
また、グループの仕組みができていない状態で多岐にわたる分野の仕事を手がけることになって、セクショナリズム(部署同士で協力せず、自部署の利益を優先する状態)が進んでしまうといったことも起こりがちです。
自社で少しずつ事業を増やし、それに合わせて仕組み作りも進めていくことができれば良いのですが、例えばフランチャイズに加盟したり、M&Aで急に社員数や事業数が増えて「仕組みづくりが間に合わない」ということもあるかもしれません。
事業部、または法人が個別に既存のやり方を踏襲してきたために情報共有が不足し情報の透明性も低く、連携が進まないということもよく聞くケースです。
連携したほうが良いことはたくさんあるのに、旗振り役になる人がいないし、そういった仕組みを整えるのにかかる負荷のようなものに抵抗を覚えて進まない。
多角化企業におけるグループ連携の課題は、このようなところにあるのではと思います。
そこで、グループ連携の第一歩としてまずはそれぞれが情報を出して共有し、相互理解を深めるための会議の設計が最も大事なのではないでしょうか。
これもなかなかできない、やりにくいという会社もあるでしょう。
その原因として、会議に出る幹部や幹部候補生、役員等にグループ連携の目的やメリットがきちんと理解されていないと私は考えています。
多角化戦略のメリットについては「多角化戦略12のメリット。多角化経営が可能にすることとは」でもご紹介していますので、あわせてご確認ください。
「連邦・多角化経営実践塾」のお客様の例
グループ連携の難しさを改めて実感した具体的な例として、ヤマチユナイテッドが主宰する「連邦・多角化経営実践塾」のお客様の例をお話ししましょう。
そのお客様の会社では複数の法人と事業体をお持ちですが、グループ全体の会議は今までやってこられなかったそうです。
そのため、横の連携はなく、社員は自分の所属先以外の事業のビジネスモデルをまったく知らない状態で、すべてを理解しているのは社長だけでした。
お客様に限らず、このような会社は案外多いものです。
お客様には「グループ全体の会議をやりましょう」とご提案をするのですが、中小・中堅企業において事業部長クラスの方が現役のトップ営業だったりすることもしばしばあって、会議に出る時間がない、あるいは時間が合わないとおっしゃいます。
これもやはりよくある話で、「BtoB」と「BtoC」の事業が連携している会社の場合、一方はセールスの時間帯、一方は店舗の営業時間で動いていて互いに空けられる時間が重ならないことがあります。
さらに、事業によって決算期が違って繁忙期にもズレがあるのでタイミングが合わないケースもあるでしょう。
でも「できない」と言っているだけでは何も変わりません。
経営者には、「何を目的にグループ連携するか、それによってどのようなメリットが得られるか」を丁寧に説明した上で、幹部や事業部長クラスの社員の視座を上げていくことが求められます。
営業活動は確かに大事ですが、これから会社が成長するためにはグループ連携を進めていくことも大事ですし、そのために情報を共有することも大事なのです。
連邦・多角化経営実践塾のお客様の中には「何だかあまりうまくいっていない」「新規事業が出てくるような社風じゃない」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、お話をいろいろと伺っていくと、グループ連携会議をやっていないところが多いです。
それぞれの事業に知識なり、人なり、物なりの資産があるはずなのに、それらをグループで共有できないままでは個別に一から作り上げていかなくてはなりません。
そのためのコスト、時間、手間は非常にもったいないと感じてしまいます。
グループ連携を円滑に進め、シナジー効果を高めていくには情報共有の場としてのグループ連携会議が必須です。
繰り返しになりますが、経営者の方々はそこをしっかり皆さんに伝え、会議に参加することは営業活動と同じように大事な業務であることを理解してもらう必要があります。
多角化を成功させる条件について、こちらのコラムもあわせてご確認ください。
事業の多角化戦略の失敗例・成功例とは?成功させる条件もご紹介
シナジー効果を生み出すのに効果的なグループ連携会議の設計と運営方法
それでは、シナジー効果を生み出すのに効果的な「グループ連携会議」をどのように設計・運営していけば良いかを説明していきます。
現在のヤマチユナイテッドでは、グループ連携会議を月1回開催していますが、十数年前はうちの社員たちも、隣の事業部のことは全然知らないような状況でした。
私たちがグループ連携会議を始めたのは事業数もまだそれほど多くなかった2000年代初頭。
事業責任者たちは現場の業務をこなしながら出席していたので現場側の調整は大変だったと思いますが、会議を行う必要に迫られていたのです。
なぜなら、会議の当初の目的はシナジー効果だけではなく、社長が自分の業務に集中する時間を作ることと、事業部間の相互理解を深めることだったからです。
事業が増えたことで会議自体も増え、社長が全部に出席すると経営者としてやるべき仕事をする時間がなくなってしまうため、全体把握の場が必要だったんですね。
そこで、最初は他の事業部を理解するところから始めました。
隣の事業部のビジネスモデルもわからない状態ですから、当時の会議でメンバーから出てくる質問も「営業は何人体制ですか」「粗利益は何パーセントの事業ですか」「どのような流れでセールスをしていますか」「受注後の顧客フォローはどうしていますか」「得意先は具体的にどこですか」など、今振り返ると本当に初歩的な内容ばかりでした。
実際のところ「うちもこうなるだろうな」という会社は多いのではないでしょうか。
ざっくばらんに質問が飛び交うような会議だったので、シーンとした状態で時間が過ぎていくという雰囲気ではなかったものの、今のグループ連携会議は2時間半から3時間程度で終わるところ、当時は半日以上かけて行なっていたそうです。
そうして徐々に戦略的な話や注力しているポイントなどを議論することができるようになるまで約1年かかりました。
この会議を通じて、事業部同士が互いにビジネスモデルを理解すると同時に、視座を上げるような教育もできたように思います。
この次のフェーズとしては、役員の1人がファシリテーターとなってワーク型会議のスタイルをとり、ある事業部の中期経営計画と単年度計画について隣の人とペアで議論し、発表する形になりました。
売上を上げる方法、利益をさらに出す方法を考えていくなかで、だんだんと新規事業のアイデア出しをするような場にもなっていったという流れです。
こういったことを繰り返しつつ、社長が権限移譲も進めていき、事業責任者に任せられるところは任せるようにして社長自身の時間も確保することができました。
これから皆さんが「うちでもグループ連携会議をやってみよう」と思うのであれば、やはり場の定義と目的の共有が最も重要です。
最終的に、グループ全体で目標を達成することが目的であるならば、そのために相互理解をしてシナジー効果を出すことを目指さなければならない、だから会議をやる必要があることを出席するメンバーが意識して議論できるようにしなくてはいけません。
ヤマチユナイテッドで行なっているグループ連携会議
現在のヤマチユナイテッドで行なっているグループ連携会議を参考までに紹介します。
まず当グループの会議構成の階層について図で見ていただきましょう。
この中の「HQ会議」がいわゆるグループ連携会議です。
開催頻度は月1回、2時間半から3時間程度。
9時から始まって昼前には終わるようなイメージです。
出席メンバーは、社長、常務、執行役員、各事業部の事業本部長、そしてグループ全体の採用や人材活用を統括するHRD(Human Resource Development)の責任者の、合わせて15名ほど。
うちでいう「事業本部長」は、各法人内にある事業部の統括責任者を指します。
ヤマチユナイテッドが導入している「カンパニー制」は、各法人の中に各事業部があり、事業部ごとにそれを統括する事業本部長がおり、事業部の中にある一つ一つの部門をカンパニーとして、カンパニーごとに独立採算制をとるという建て付けになっています。
メンバーは机をロの字形に並べ、常務をファシリテーターに据えて各種報告やディスカッションを進めます。
各事業部の業績の報告や計画の進捗は会議のフォーマットとして事前に共有されています。
アジェンダは大きく5つです。
1.社長から一言
社長の近況報告や最近気になっていることを短く話してもらいます。
自社に関すること以外にも、世間一般のビジネスに対して思うことであったり、「こんなビジネスモデルがあるらしいよ」というようなことであったり、時には「特にないです」で終わることもあるそうです。
2.各事業部からの報告
各事業本部長がそれぞれの業績の進捗について話します。
具体的には、前月までの月次の業績と累計、決算予測の3点。
このほか人事やイベントなど細かいところにも言及しますが、ヤマチユナイテッドではこのほかにも階層ごとに情報共有のための会議をしばしば行なっているので、基本的には事業部同士の情報共有というよりは、あくまでも社長へ報告することが主眼です。
現在の業績が良いのか悪いのか、悪ければどう挽回していくか、概要とポイントを抽出して話します。
3.採用HRD報告
採用に伴う活動の進捗を共有します。
インターンシップイベントの集客状況、予約状況、開催報告、選考シーンに入ってくると会社説明会の予約人数、そこから1次、2次面接に進む人数が共有されます。
また、採用内定者が決定すると、内定者情報の共有や内定者懇親会の予定発表と、当然時期ごとに発表内容は変わります。
HRDの責任者は事業本部長クラスではないのですが、この会議はグループオールの情報共有の場という位置付けですので、HRDから1名参加してもらうことにしています。
4.「THE 100VISION」ネタ出し
ヤマチユナイテッドのミッションとして掲げている「THE 100VISION」。
2030年までに100の事業を創出し、それを担う100人の事業責任者を育て、100億の高利益を生み出して100年続く会社にすることを目指し、現在グループの総力を上げて全力で取り組んでいる目標です。
上記の目標達成に向け、かなりの早さと頻度で新規事業を立ち上げていかなければならないので、各事業部ごとにアイデアを出してもらいます。
具体的な計画を立ててプレゼンテーションまで進んでいるものに関しては進捗を報告。
最近では2024年7月、M&Aにより「FM NORTH WAVE」がグループインしましたが、前オーナーが上場企業であったため、この件に関してはちょっと特殊な例で、締結までは社内でも一切情報を出せない状態でした。
逆に、イベント事業部が始めたばかりの警備事業「ASE(エース)」については、毎月のグループ連携会議で進捗状況が報告されていました。
社内SNSなどでも「人材を募集しています」「こんなことを求めているので、できる人を紹介してください」などと発信し、ほかの事業部の人脈やノウハウ、ナレッジを活用しています。
グループ内ではこのように社員同士が発信、交流しやすい環境も整えているので、新規事業立案までの段階で「うちもその事業に参加したい」とほかの事業部が手を上げることもありますし、それこそシナジー効果に関しては現場の社員が敏感に情報をキャッチして活用していると思います。
事業部同士で情報共有することにより、採用やコンサルティングなど外部に委託する部分のコストを削減できるというメリットもあります。
5.「THE 100VISION」推進のための情報共有
「THE 100VISION」は元々期限を定めず「いずれはそういう会社になろう」と社員の共感を誘う大きな目標だったのですが、2023年に「2030年まで」と期限を切った経緯があります。
そうなると「2030年までに、あといくつ事業を増やさなければならないか」「あと何人の事業責任者を育てなければならないか」という具体的な数字が見えてくるので、これまでよりスピーディに事業創出、人材育成を行う必要が出てきました。
そのために人事制度や評価制度、組織体制、委員会活動などを見直しているので、これらの施行状況、設立状況、進捗をここで情報共有します。
以上が、ヤマチユナイテッドのグループ連携会議の概要です。
グループ連携会議は雰囲気づくりもポイント
他部署連携で会議をする場合、質問やアドバイスの際に問い詰めたり責め立てたりするような雰囲気になってしまうこともあると思いますが、お互い「参考程度に」という意識で進めてもらうと良いですね。
アドバイスを受け入れるかどうかはその事業部の自治に委ねており、例えば年次が高い人が詰めて「絶対こうしなよ」と圧力をかけるようなことはナシ。
グループ連携会議は前向きかつ建設的な議論ができる場であるべきで、時には突飛で笑いが起こるようなアイデアでも気軽に出せるような雰囲気づくりも大事です。
一般的に「会議はつまらない」「時間の無駄」というイメージを持つ人も多いようですが、ヤマチユナイテッドのグループ連携会議に参加しているメンバーは皆楽しそうな顔をして臨んでいます。
始める前の雰囲気からしてすごく明るく、会議中もワイワイやっているようですね。
休憩時間や終了後も会話が弾んでいるようで、「さっき話していた件、うちも連携できませんか」とか「これ進めてみたいんだけど、今度打ち合わせお願いしても良い?」とか、個別に調整することもよくあると聞いています。
グループ連携により得られるシナジー効果のメリットとスケールアップ戦略
グループ連携を強化することにより、新規事業開発以外の場面でも得られるメリットは非常に多いと感じています。
いくつか挙げてみましょう。
グループ連携を強化するメリット①社員の視座が上がる
特に事業本部長クラスの社員にとっては、グループ連携会議を通じて経営幹部と交流することによって経営感覚の共有の度合いが増すのは大きいと思います。
また、隣の事業部の動向を知ることによって「グループ全体で目標達成に向かっているのだ」という意識が強まりますし、ビジネスのアンテナもより高く立つでしょう。
自分たちだけでは難しいと思われることでも「あの事業部と連携すれば実現できるのでは」と、より広い視野をもって業務を進めることが可能となります。
先ほど挙げた警備事業「ASE」はイベント事業部が発案した新規事業ですが、自社で手がけるライブイベントなどの警備を内製化できないかというところから着想しています。
住宅関連事業を展開する「ジョンソンホームズ」でも警備員の需要があることを見込んで計画を立て、自社のコストを削減できるところも評価されて事業化に至りました。
グループ連携を強化するメリット②各事業部の経営資源を有効活用できる
各事業部が持っている人脈やノウハウ、ナレッジを共有することで、商品・サービスの価値向上やコスト削減、取引先拡大、水平・垂直展開の実現が可能となり得ます。
「ジョンソンホームズ」は新築住宅事業のほかにも、インテリア事業や飲食事業といったBtoC事業を多く手がけています。
こういったライフスタイル分野のマーケティング手法はほかのBtoC事業とも親和性が高く、「ヤマチコーポレーション」のライフサポート事業部が発案したフィットネスジム「O-STYLE」や機能訓練専門デイサービス「きたえるーむ」を連携して行なっています。
また、オーダーソファメーカー「blocco(ブロッコ)」は自社内にマーケティングチームがないので、ホームページ改修の時やオウンドメディア戦略を立てる時に「ジョンソンホームズ」のマーケティング室が協力したこともありました。
一般的にはデザイナーに外注したり、コンサルティングを依頼したりするようなことでも自社内で対応できるのは非常に心強いです。
うちの場合、「このような事業を考えているがあなたの事業部で需要はありそうですか?」とアンケートをとっています。
その他にも、「外注しているものをグループ内の事業部で内製化できないか」とHQ会議を通じて各部署に協力を仰いだり、BtoBのビジネスモデルの事業部同士で「そちらのお客様にこの商品を案内してもらえませんか」と依頼したりといったことがしばしば行われています。
グループ連携を強化するメリット③社内のコミュニケーションが良くなる
事業部同士が連携することにより、自然にコミュニケーションの機会が増え、協力してくれる人も増えます。
プロジェクトにアサインしてもらった現場側の社員もモチベーションや視座が上がり、知り合いも増えるのでうちのモットーでもある「楽しく働く」ということに紐づいていくのがとても良いことだと思っています。
グループ連携におけるスケールアップ戦略も確認
グループ連携におけるスケールアップに関していえば、例えばお客様情報を取得する際のプライバシーポリシーをグループ全体の資産として考えていくことで自分のところだけで1からやらなくて良いことや、それを共通ポイント制度やアプリ開発に発展させようということも可能ですよね。
また、うちの場合は事業エリアが道内だけでなく全国の場合もありますし、フランチャイズ展開もしていますのでさまざまなノウハウがあります。
「既存のブランドをオリジナル化して、フランチャイズ展開をしよう」となった場合には、すでにフランチャイズを実施している事業部にフォローしてもらうことができるので、外部にノウハウを求めるためのコストをかけず、スピーディに実行に移せるのもグループ連携の賜物です。
ある程度エリアを限定して、地域に根差した事業展開を行なっている会社であれば、「自社の事業をしっかり連携させることでグループとしてのブランドを定着させ、その地域で暮らす皆さんに商品・サービスをより深く浸透させる」というスケールアップの仕方もできるでしょう。
このほかM&Aで他社が入ってきた時などは「この事業をどう立て直すか」「自社と親和性を持たせられるか」というのが悩みどころになってきますが、グループ連携の仕組みができていれば難易度も下がるはず。
2024年7月にヤマチユナイテッドにグループインした「FM NORTH WAVE」に関しても、うちにはこれまでメディア事業がなかったので「どう連携できるのだろう」と模索している最中ですが、すでに仕組みがあるので不安はありませんし、むしろ「面白いことができそうだ」と、代表の山地 章夫をはじめ皆ワクワクしています。
シナジー効果を生み出すにはグループ連携会議による事業部間の相互理解が必須
グループ内の事業部同士が連携することで、より大きなメリットを得られるのが「シナジー効果」。
「社内の横のつながりがほとんどない」という会社は実際多いのですが、グループ連携によるシナジー効果を得るための第一歩はほかの事業部のビジネスモデルを理解することです。
グループ連携会議は事業部間の相互理解を進めるのに必須といって良い仕組みの一つ。
中小・中堅企業では部長クラスの社員が現場の業務を兼務していることが多いため、グループ連携会議に出る時間がない、予定が合わないという事情もよくわかりますが、「グループとして成長していくためには現場の業務と同じくらい大事でどうしても必要」だと、経営者からしっかり伝えることが大事です。
ヤマチユナイテッドは「2030年 THE 100VISION達成」を目指してグループオールで取り組んでおり、グループ連携会議もそこを主眼としてアジェンダを設定しています。
新規事業開発に限らず、グループ連携によって得られるメリットはさまざまで、社員の視座が上がる、各事業部の経営資源を有効活用できる、社内のコミュニケーションが良くなることなどが挙げられます。
複数事業部が連携することによってより効率的に事業を増やしていくことができますし、「地域一番」を目指してスケールアップしていくことも可能です。
いまや中小・中堅企業こそ、単一事業に頼るばかりでは危機感を覚える時代となりました。
とはいえ、管理の煩雑さや仕組みづくりの負荷が足かせとなり、多角化経営に踏み出せないという経営者の方々もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、経営自体に課題感をお持ちであれば、グループ連携によってそれが解消される場合も多々あると考えています。
情報共有と報告の場、次の柱を作るためのアイデア出しの場、幹部育成の場としてグループ連携会議を導入してみてはいかがでしょう。
もし自社だけで進めるのが不安でしたら、ヤマチユナイテッドの経営ノウハウを丸ごとお伝えする「連邦・多角化経営実践塾」へご参加ください。
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Authorこの記事の著者
株式会社ヤマチマネジメント|経営支援事業部 |営業推進チームリーダー・人財開発コンサルタント
山﨑 舞
人材総合サービス会社の営業部勤務を経て2018年(株)ヤマチマネジメントへ入社。前職では採用広告サービスの販売営業部で戦略スタッフとして企画・販促・アシスタント業務を担当。その際、元々取引先だったヤマチユナイテッドの社風やミッションに惚れ込み、転職を決意。現在は経営支援事業部で企画・運営を担当しつつ、営業推進チームリーダー兼人財開発コンサルタントとして活動。企業の新卒採用・育成を支援している。