仕事と人生を楽しむためのヒント!経営がうまくいかないときの楽しみ方
多角化・新規事業

こんにちは、ヤマチユナイテッド代表の山地です。
突然ですが、あなたは仕事を楽しんでいますか?
「楽しむ余裕なんてない」と感じる経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
義務感や責任感から、仕方なく経営を続けているように思えるときもあるでしょう。
もしかしたら、そのピリピリした雰囲気が社内に蔓延していませんか。
私の持論は「仕事も人生も楽しめばうまくいく!」
楽しそうにしている経営者のもとには、人もお金も集まってくるもの。
今回は、経営者にとって「仕事を楽しむ力」がなぜ必要なのか、経営がうまくいかない経営者の共通点や仕事を楽しむ経営者との違いをご紹介します。
さらに、経営者流の「仕事の楽しみ方」や、多角化経営によって経営が楽しくなる理由についてもお伝えしましょう。
目次
- 経営がうまくいかないときこそ「仕事を楽しむ力」が必要な理由
- 経営がうまくいかない経営者の共通点は?仕事を楽しむ経営者との違い
- 経営がうまくいかないときこそ試したい!経営者流「仕事の楽しみ方」
- 仕事や経営を楽しむ視点を取り戻すカギは「多角化経営」
- 経営がうまくいかないときこそ、仕事を楽しむことが大切!多角化経営によって経営も人生も前向きに
経営がうまくいかないときこそ「仕事を楽しむ力」が必要な理由
「仕事を楽しむ」とは、ただ楽な仕事をすることや仕事が簡単だから楽しいわけではありません。
自分の力やアイデアを生かして挑戦し、やり切ったときの達成感や満足感を得られる状態を指します。
経営がうまくいかないときや困難に直面した際も、この「楽しむ力」があれば前向きに物事を考えやすく、失敗も学びの機会として受け止めることができるでしょう。
その姿勢は社員や取引先にも良い影響を与え、協力や共感を得やすくなるため、組織全体の活力を高める原動力にもなります。
仕事を楽しむためには、まず自分なりの「働く目的」や「意味」を見つけることが大切です。
お金や生活のためだけでなく、自身の興味や関心を追求することでも、前向きに取り組めるようになります。
さらに、日々の業務に積極的に挑戦すること、効率や方法を工夫すること、職場の人間関係を良好に保つことでストレスの少ない環境を作ることも重要だと言えます。
こうした工夫の積み重ねによって、自然と「仕事を楽しむ」状態に近づいていくでしょう。
この「仕事を楽しむ力」は、経営や組織の成長に直結します。
やりたい仕事に取り組み、周囲からの協力や感謝を得られる環境では、経営者自身も前向きに挑戦でき、困難な状況でも柔軟な発想や新しいアイデアを生み出しやすくなります。
経営がうまくいかない経営者の共通点は?仕事を楽しむ経営者との違い
私はこれまで、さまざまな業界の経営者とお会いしてきました。
かつてはコンサルティング会社で働いていた経験もあり、経営者の方々を客観的に観察する機会も多くありました。
経営者の方々との交流でよく感じるのは、「経営を楽しんでいない」ということです。
財務的に苦しい会社であれば楽しむ余裕がないのは理解できますが、そうではない会社でも、経営者の方がとても苦しそうに見えて、ピリピリとした雰囲気をまとっている。
義務感や責任感から仕方なく経営をしているように感じてしまうのです。
では、このような経営者は、なぜ苦しみながら経営を続けているのでしょうか。
会社経営がうまくいかない・楽しむことができない原因
経営がうまくいかない状況では、経営者自身も仕事を楽しみにくくなる傾向があります。
その原因には以下のように、さまざまなものがあるでしょう。
- 「仕事を任せられる社員がおらず、細かい仕事まで自分でこなしてしまい、肝心の「経営」を行う時間がいつまで経っても取れない」
- 「自社のメインとなる事業の市場動向が思わしくない」
- 「頑張っているのに自社の経営規模が思うように拡大していかない」
確かに、経営は簡単ではありません。
ストイックに「経営道」を究めるのが悪いことだとは思いませんが、経営者が暗い表情でピリピリしていれば、まわりの幹部や社員も自然とそのような雰囲気に染まっていくものです。
笑顔がなく、辛そうに仕事をする社員ばかりの会社になってしまうと、社風としてその雰囲気が固定化してしまいます。
そうなると、不思議なもので、採用活動をしても似たような雰囲気を持った人材しか集まりません。
会社の業績が上がりにくくなるのは当たり前ですよね。
買い物をするなら、機嫌が悪そうな店員よりも「楽しそうに働く店員から買いたい」と誰もが思うように、楽しそうにしている経営者のもとには、人もお金も集まってくるものです。
経営者には悩みがつきものと考えている方は、ぜひこちらもご覧ください。
経営者の孤独の原因とは?社員が自発的に動き出す組織になるまで
仕事を楽しんでいる経営者と楽しめていない経営者の違い
では、「仕事を楽しんでいる経営者」と「仕事を楽しめていない経営者」には、どのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの傾向を確認してみましょう。
仕事を楽しんでいる経営者の傾向
- 自分なりのやりがいや意味を見つけ、前向きに行動している
- 小さな目標も意欲的に達成し、達成感を味わっている
- 職場の人間関係が良好で、協力を得やすい
- 向上心があり、スキルや成果を高めようとしている
- 困難やトラブルにも、学びや成長の機会として前向きに取り組める
仕事を楽しめていない経営者の傾向
- 他人と自分を過度に比較してしまい、自己評価が下がりやすい
- コミュニケーションが控えめで、孤立しやすい
- 新しい挑戦に自信が持てず、慎重になりすぎることがある
- 物事を悲観的に捉えやすく、先行きに不安を感じやすい
経営がうまくいかないときこそ試したい!経営者流「仕事の楽しみ方」
私自身も経営者になってからしばらくは仕事に追われていて、「楽しく働いていた」とは言えない日々がありました。
住宅資材の卸商社を営む父親から会社を引き継いだとき、「うちの業界はこれからダメになっていくばかりだぞ」と脅かされ、会社をなんとか経営するだけで精一杯でした。
このままではまずい、新しいことを始めなければ...。
そんな思いから新規事業に挑戦することにしたのですが、私は「どうせなら自分が楽しめる仕事をしよう」と考え、貿易の仕事を始めたのです。
海外旅行が好きだったので、頻繁に海外に出張できる貿易の仕事は魅力的でした。
実際に始めてみると、みるみる仕事が楽しくなり、それに比例するかのように売り上げも拡大していきました。
あのまま父親から引き継いだ事業を守ることに必死になっていたら、きっと会社は弱体化していくばかりだったでしょう。
私の経験から言えることは、「経営を楽しむと業績は良くなっていく」ということです。
これまでお会いしてきた経営者の方々を見ていても、いつも楽しそうに見える人の会社はたいてい儲かっています。
そうです、「仕事も人生も楽しめばうまくいく!」のです。
楽しみながら仕事を行うことは、次のように多くのメリットがあります。
- ストレスが減り、精神的に安定する
- 意欲が高まり、仕事に積極的・主体的に取り組める
- 効率や成果が向上し、周囲からの評価を得やすくなる
- 前向きな姿勢が社内外に好影響を与え、人や資源を引き寄せやすくなる
経営者流「仕事の楽しみ方」とは?
経営者が仕事を楽しむためには、まず社員や会社、取引先のために行動し、周囲との協力や感謝を実感することが大切です。
目標は長期だけでなく、1日や1週間単位の小さなものも設定すると、日々の達成感を得ながら前向きに取り組めます。
また、自分の強みや関心を生かした仕事やスキルアップに取り組むことで、楽しさややりがいが自然と高まります。
加えて、仕事と私生活のオンオフを意識すること、周囲と積極的にコミュニケーションを取って職場の雰囲気を整えること、気持ちに余裕を持つことも重要です。
さらに、モチベーションや気分は自分で整える工夫をすることで、仕事をより前向きに楽しむことができるでしょう。
仕事や経営を楽しむ視点を取り戻すカギは「多角化経営」
では、どうすれば経営を楽しめるのでしょうか。
その手段の一つが「多角化経営」です。
事業を一つだけに絞るのでなく、3つ、6つ、9つと事業会社を増やしていく。
独立した法人でなくても、事業部単位でもかまいません。
私の場合、住宅資材の卸商社を引き継いでから、貿易商社、輸入住宅建築へと事業を拡大し、現在50を超える事業を展開しています。
住宅関連、インテリア、飲食、介護、イベント、教育、家具メーカー、商社など、展開する業界はさまざまです。
多角化経営によって経営が楽しくなる理由
「多角化経営」を実践すると、一つの事業に集中しているときよりもさまざまな面で経営が楽しくなります。
多角化経営によって経営が楽しくなる理由を4つに絞って紹介しましょう。
(1)経営規模拡大の近道になる
ビジネスの規模が大きくなって、会社が成長していけば、経営は楽しくなります。
しかし、市場の拡大は緩やかで、数字も少しずつしか伸びません。
いきなり市場が広がる時代でもないので、一つの事業に集中していたら、どんなに頑張っても5%伸ばすのがやっとです。
多角化経営によって事業を増やせば、30%、40%、50%と大きく数字を伸ばす可能性も生まれます。
(2)リスクの分散ができる
例えば、10の事業を展開している場合、一つの事業が2,000万円の損失を出しても、ほかの事業で5,000万円儲かるネタがあれば「まあいいか」と余裕を持って経営の舵とりができます。
また、仮に一つの事業が立ち行かなくなり、リストラをしなくてはいけない状況に追い込まれても、社員を切らなくて済みます。
リストラをするのは経営者にとって大きな心理的負担になりますが、社員をほかの事業に配置転換し緊急避難できるようになれば、そうしたストレスを感じずに済むでしょう。
(3)社員の成長を促せる
事業が増えれば増えるほど、経営者一人で対応できないことも増えていきます。
必然的に部下に仕事を任せなければなりません。
ヤマチユナイテッドでは、それぞれの事業に責任者として社員を割り当てています。
私は「丸投げ」という言葉を使っているのですが、それほど大胆に仕事を任せて経営に巻き込んでいくことによって、社員は飛躍的に成長していきます。
社員の成長は、経営者にとって大きな喜びでもあります。
大きな仕事を任せることは、社員にとってはモチベーションアップにもつながるでしょう。
社員に企業ビジョンを伝え続けることで、モチベーションの維持・向上に努めています。
詳しくは、以下のコラムもあわせてご覧ください。
なぜビジョンが浸透しない?企業ビジョンの重要性とヤマチの成功事例
理念経営とは?「楽しく儲かる社風」をつくるヤマチユナイテッドの事例
また、社員の自主性を育てる方法は、こちらのコラムでご紹介しています。
社員の自主性を育てるには?システム経営・自主計画の導入方法とポイント
(4)自由な時間が増える
社員に仕事を「丸投げ」できると、経営者はフリーに動ける時間が増えます。
そうした時間的余裕があれば、じっくりとビジネスプランや経営戦略を練ったりできますし、心にもゆとりが生まれます。
なにより、日々の仕事に忙殺されているようでは、楽しく経営ができませんよね。
「多角化経営」にはこのように、経営が楽しくなるメリットがたくさんあります。
はっきりいって、良いことずくめなのです。
多角化経営について詳しくは、こちらのコラムをご確認ください。
中小企業はなぜ多角化すべきか?ヤマチの事例に学ぶ成長戦略のヒント
経営も人生も「楽しい」を毎日のキーワードに
経営者が楽しんでいる姿を社員に見せることは大切です。
経営者が仕事を楽しんでいると、それは社員にも伝染します。
カタチからでも良いので、まずは「楽しい」というキーワードを口に出してみてはどうでしょう。
私は普段から「仕事も人生も楽しもうよ」と言い続けています。
会議でダメ出しをする際も「その経営計画は楽しくないな。楽しくなるように考え直してよ」と言います。
最初は社員も「楽しいって何?」と不思議がっていましたが、言い続けていると、社員も次第に「楽しんだほうが良いんだな」と本気で思ってくれます。
そうした社員の雰囲気は、お客さまにも伝わるでしょう。
もしイライラしていて、楽しそうに振る舞えそうもないなら、会社をサボる(笑)。
イライラした態度を社員に見せるよりは、会社に来ないほうがマシです。
会社を自由にサボれるのは社長の特権なのですから、大いに利用しましょう。
これらの方法は、お金をかけずにすぐできます。
まずはできることから試してみましょう。
経営者も社員も楽しめる「多角化経営」の社風づくりについては「良い社風とは?メリットや作り方を解説!「社風経営」で多角化経営の加速化を」でもお話ししています。
興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
経営がうまくいかないときこそ、仕事を楽しむことが大切!多角化経営によって経営も人生も前向きに
経営がうまくいかないときこそ、「仕事を楽しむ力」が不可欠です。
仕事や経営を楽しめない経営者は孤立しがちで、物事を悲観的に捉えやすくなることも。
その結果、会社の雰囲気や成果にも影響が及ぶことがあります。
一方で、次のような仕事を楽しむ工夫を取り入れることで、経営をより楽しくすることができるでしょう。
- 目標設定やスキルアップ:小さな目標を設定したり、自分の関心や強みを生かした仕事に取り組む
- 職場環境の工夫:社員に仕事を任せる多角化経営を実践し、リスク分散や成長促進を図る
- 経営者の自由な時間の確保:社員に任せることで、経営者自身が戦略やプランニングに集中できる
経営者が仕事を楽しむ姿勢を見せることは、社内外に良い影響を与え、業績向上や人材獲得にもつながります。
経営も人生も「楽しい」を毎日のキーワードにすることで、仕事も人生も前向きに進められるでしょう。
ヤマチユナイテッドでは、企業経営に役立つ経営セミナーやワークショップなどのイベントを随時開催しています。
興味のある方はホームページでスケジュールをご確認ください。
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Authorこの記事の著者

ヤマチ連邦多角化経営実践塾 塾長
山地 章夫
ヤマチユナイテッド代表。経営を楽しみ、社員820名、50事業・年商258億円の企業グループの舵を取る。本業を中心に事業を次々と立ち上げ、売上げを積み増す「連邦多角化経営」を実践。経営の安定化と人材育成を両立する独自の経営手法が、多くの中小企業経営者の注目を集める。