中小企業こそブランディングに力を入れるべき理由とは?

ブランディング

山地 章夫
山地 章夫

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こんにちは、山地です。

今回は「ブランディング」について考えます。


「ブランディングは大企業が取り組むべきもの」

「経営に余裕ができたら、ブランディングについても考えよう」

中小企業の経営者の中には、このように考えている方が多いのではないでしょうか。


ブランディングといえば、新聞やテレビにドーンと派手な広告を打つ印象が強いため、そう思うのも当然かもしれません。

けれども私は「中小企業こそブランド化を図るべき」と考えます。

特に多角化に取り組む中小企業こそ、ブランディングを強く意識すべきというのが、私の持論です。


今回は中小企業の「ブランディング」について考えていきましょう。

目次

  1. 中小企業における「ブランド」「ブランディング」とは
  2. 中小企業こそブランディングに取り組むべき理由
  3. 中小企業のブランディングは既存事業のブランド化から
  4. 中小企業でもブランディングは難しくない!

1.中小企業における「ブランド」「ブランディング」とは

ブランドの定義はさまざまですが、私は「他人と違う結果を生むための違い」をブランドと考えています。

たとえば、同じような商品やサービスでも、ライバル会社のものは売れていないのに、自分の会社のものが売れている場合、その理由は「ブランドが立っている」からだと言えます。


そもそもブランドという言葉は、自分の家畜と他人の家畜を間違えないように焼き印を押して区別していたことに由来するそうです。


競合との違いをシンプルに表現するのがブランドです。

具体的に言えば、会社の理念(ミッション)や社風などが、商品やサービスなどと一貫性を持ってつながっていることが分かり、お客さまはその企業のマークやロゴデザインを見た瞬間に安心して購入・利用できる。

そうした状態をつくり上げ、維持・進化させていくのがブランディング活動なのです。


当社は20年以上も前からブランディングを意識して、ずっと取り組んできました。

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2.中小企業こそブランディングに取り組むべき理由

中小企業は特に、似たような商品やサービスを扱っているライバル企業がたくさんいます。

だからこそお客様に選んでいただくためには、ブランディングで競合との差別化を図る必要があるのです。


「ブランディングは余裕のある企業がやるもの」というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、当社は十分な資金がない頃から、ブランディングを意識していました。

むしろ、お金のない会社ほどブランディングに力を入れるべきなのです。


インターネットのない時代はともかく、今では中小企業でもホームページを使って気軽にブランドイメージをつくることができます。

ブランディングは、極端なことをいえば名刺1枚からでも始められます。


会社のミッションを決めて、事業のロゴをつくり、名刺やホームページを整備したうえで事業活動を続けていれば、「らしさ」がブランドになっていきます。

ブランディングを意識しながら事業を立ち上げていくと、それなりにエッジが立って、ブランドイメージが浸透していくものです。

しかも、中小企業は社員が少ないので、社内にブランドが浸透しやすいというメリットがあります。


これが大企業なら、ブラデンディグに取り組もうと思っても、簡単にはできません。

広告代理店などに大金を払って大々的にやらなければ、社外はおろか、社内にさえなかなか浸透しないでしょう。


社内にブランドを浸透させることの効果については「ブランディングの効果は「ブランドを統一すること」で発揮される」や「インナーブランディングとは?ミッション浸透の効果や進め方を解説!」で詳しくお話しています。


当社の「連邦・多角化経営」では、自社の事業部の一つひとつを「ブランド」、事業部長のことを「ブランドマネジャー」と呼んでいます。

それぞれの事業にロゴやマークがあり、その理念(ミッション)やビジョン、社風などを表現しています。

3.中小企業のブランディングは既存事業のブランド化から

新規事業を立ち上げるときも、経営計画と一緒にブランド化について熟考することが大切です。


しかし、それ以前に、もし既存のビジネス事業のブランディングができていないのであれば、そこから始める必要があります。

既存事業のブランドが明確になっていなければ、新規事業のブランディングもうまくいくわけがないからです。

まずは、自社のブランドが現在ユーザーにどのように認知されているかを把握しましょう。


既存のビジネスを分析する方法として、3C分析4P分析SWOT分析などがあります。

これらの分析によって、自社や競合のポジション、自社の強みや弱み、差別化の方向性などを検証することができます。


ブランディングは「どんなお客さまに売りたいのか」を明確にし、顧客を絞り込む作業でもあります。

既存ビジネス事業のブランド化を煮詰めていくと、顧客が絞られることによって事業が研ぎ澄まされ、ブランドが2つ、3つに分かれることもあります。


たとえば、当社の住宅会社「ジョンソンホームズ」は、もともとひとつのブランドでした。

しかしお客さまをライフスタイル別、嗜好別に切り分けていった結果、ブランドが増えていきました。


いまでは、輸入住宅の「インターデコハウス」、自然素材の家「ナチュリエ」、インテリアから考える家「インゾーネの家」、ガレージ付き注文住宅の「アメカジ工務店」、コンパクト住宅の「COZY」と、まったく違うブランドが5つもできあがりました。

それぞれが順調に売り上げを伸ばしています。


既存事業をブランディングし直すことで、業績が改善される可能性も高まるはず。ブランド化の作業は、すなわち多角化を推進する作業でもあるのです。

4.中小企業でもブランディングは難しくない!

一つひとつの事業がブランド化され、それらを束ねた集合体としてグループ全体のブランドが広く認知される。


とてつもなく難しいことのように感じますが、理念(ミッション)やビジョン、顧客層が明確になっていれば、困難なことではありません。


まずは既存事業をブランド化し、社内に浸透させることから始めてみませんか。


ブランディングについては他にも様々な視点からコラムを書いております。

ぜひこちらも合わせてご覧ください。

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