グループの一貫性を支えるのは、ミッションである

ブランディング

山地 章夫
山地 章夫

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こんにちは、山地です。

連邦・多角化経営において、グループ全体でどのように一貫性を出すかは、経営者の腕の見せどころです。

すでに複数の事業をもっているなら、それらをうまくブランドでくくり、つなぐ作業が必要になります。

まだ事業が少なければ、一貫性を考えながら新規事業を立ち上げていく意識を持つことが大事です。

「これはうちでは異質だね」という事業があると、あとで苦しくなっていきます。

今回は事業を多角化する際に欠かすことのできない「ミッション」について考えます。

目次

  1. ミッションは「世の中に、幸せをばらまく」こと
  2. グループのミッションは間口を大きく
  3. ミッションの浸透がブランドを育てる
  4. 毎月一度のミッション・ミーティングで浸透を
  5. まとめ

1.ミッションは「世の中に、幸せをばらまく」こと

当社は50以上の事業を展開していますが、それらは住宅やインテリアショップ、デイサービスなどを行う「ライフスタイル事業」(一般消費者向け事業)と、イベント企画・施工、建築資材の卸売、住宅フランチャイズ、デイサービスフランチャイズなどを行う「プロフェッショナル事業」(企業向け営業)のどちらかに分けることができます。

住宅、イベント、デイサービスなど、一見関連のない事業を展開しているように感じるかもしれませんが、いずれの事業も「世の中に、幸せをばらまく」というグループ全体のミッション(理念)のもとに事業を行い、ブランディングしています。

「B to Bであるイベントの企画・施工事業は違和感があるのでは?」とたまに指摘されることもありますが、この事業はもともとビデオカメラなど一般家庭用品のレンタルサービスから始まっています。

一般の人でもビデオカメラを手軽に購入できる時代になってからは、企業向けにイベント機材などをレンタルする会社へと進化していきましたが、私たちが企画・運営している運動会や成人式、就職説明会などは、人生の節目となるイベントであり「人を幸せにする企業になっていく」という意味をもったミッションにつながっています。

2.グループのミッションは間口を大きく

多角化を進める経営者にとって、 このようにブランド全体をコントロールするのは重要な仕事のひとつです。

グループのミッションの下に、数多くの事業をくくる技術が必要になりますし、ミッションを何度も言い続けてグループ内に浸透させなければなりません。

ですから、グループ全体のミッションで事業をくくるときは、「世の中に、幸せをばらまく」のように間口を広げるのがコツ。

「住宅業界を変える」といった狭いコンセプトだと、整合性のとれない事業が出てきます。

各事業のブランドは尖る必要がありますが、グループ全体では大きな網をかけるようなミッションにするとよいでしょう。

一方、新規事業の提案があがってきたときに、ブランディングの観点から「うちにはふさわしくないからやめよう」と判断することも経営者の大切な仕事です。

たとえば、M&Aの案件が持ち込まれることがありますが、どんなに収益性がよい事業であっても、「グループ全体の中で違和感がないか」 ということを真っ先に考えます。

いくら儲かっても、グループのミッションやビジョンにそぐわない事業であれば、いずれ行き詰る可能性が高いですし、他の事業へ悪影響を及ぼすおそれもあります。

ですから、事業を始めるときは、個別のブランドと全体のブランドの両方を意識し、行き当たりばったりでやらないことが大切。経営計画と一緒に、ブランドについても検討するとよいでしょう。

3.ミッションの浸透がブランドを育てる

それぞれの事業のブランディングを構成する要素として、社名、ロゴ、ビジョン、ミッション、コーボレートメッセージ(キャッチフレーズ、ストーリー)などが考えられますが、私が特に重要視しているのがミッションです。

当社の住宅会社である「ジョンソンホームズ」のミッションは、「いつまでも続く自分らしい幸せな暮らし」というもので、つまりは、家を販売するだけでなく「家に住んでからの幸せを届ける」ということを掲げています。

こうしたミッションが、会社の商品やサービス、社風などのイメージと連動することによって、ブランドが構築されていくのです。

しかし、ミッションをつくっても、勝手に組織に浸透していくわけではありません。

ミッションを浸透させていく作業が必要になります。

よくある失敗例は、デザイナーやコンサルタントに、カッコいいロゴやミッションをつくってもらうケース。会社の周年記念のときに大々的に発表したりしても、形だけのミッションなので、いずれ忘れ去られてしまいます。

また、朝礼で立派なミッションを唱和するけれど、イヤイヤ言わされているので誰も覚えていない、ということもよくあります。

4.毎月一度のミッション・ミーティングで浸透を

ジョンソンホームズでは、月に一度「ミッション・ミーティング」と呼ばれる会議を開催しています。

ミッションの下には「ジョンソンホームズが大切にしていること」というクレド(企業の信条)があり、「幸せな暮らしを増やすこと」「人とのつながりを大切にすること」といった7つの言葉が掲げられています。

ミッション・ミーティングでは、「幸せな暮らしを増やすことについて、実際にどう実践しているか?」といったテーマを社員の間で話し合い、ミッションの意味や実現方法について深堀りしていくのです。

だから、ミッションが組織の隅々にまで浸透していきます。

ミッションが腹に落ち、社員の行動に落とし込まれれば、目先の売り上げのためだけに家を売ろうと考えることはなくなります。

そして、家を買ってもらったあとのアフターサービスに力を入れようといった発想に変わります。

こうしたミッションにもとづいて社員が行動することは、「あの住宅会社はお客さんのことを考えて提案してくれる」といったイメージにつながり、ブランディングにも貢献することになるのです。

5.まとめ

ミッションがいかにブランディングに重要か、ご理解いただけたでしょうか?

はっきりとしたミッションを社員に提示していないのなら、なるべく早くとりまとめ、発表した方がよいでしょう。

ただし、その際は、トップダウンではなく、幹部や社員を巻き込んで、「自分たちでつくった」という形にするべきです。

ミッションが単なるお飾りにならずに、血の通った言葉となるはずです。

また、多角化で新規事業を立ち上げるときにも、ミッションは重要です。

社員にミッションを浸透させることこそが、ブランドを育てることにつながっているといえるでしょう。

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