インナーブランディングとは?ミッション浸透の効果や進め方を解説!

ブランディング

山地 章夫
山地 章夫

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こんにちは、山地です。

連邦・多角化経営において、グループ全体でどのように一貫性を出すかは、経営者の腕の見せどころです。

すでに複数の事業をもっているなら、それらをうまくブランドでくくり、つなぐ作業が必要になります。

まだ事業が少なければ、一貫性を考えながら新規事業を立ち上げていく意識を持つことが大事です。

「これはうちでは異質だね」という事業があると、あとで苦しくなっていきます。

そうした事態を避けるには「インナーブランディング 」が大切。

今回は事業を多角化する際に欠かすことのできない「インナーブランディング」と「ミッション」についてブランディングとの関係を考えながらお話していきます。

目次

  1. インナーブランディングとは?
  2. インナーブランディングの効果・メリットとは?
  3. インナーブランディングの前にミッションの策定を
  4. インナーブランディングはミッション・ミーティングで進める!
  5. インナーブランディングでのミッション浸透がブランドを育てる!

1.インナーブランディングとは?

事業のブランディングを構成する要素として挙げられるものは何でしょうか?

社名、ロゴ、ビジョン、ミッション、コーボレートメッセージ(キャッチフレーズ、ストーリー)などが考えられますが、私が特に重要視しているのがミッションです。

ミッションを社員に浸透させることが、ブランドの価値を高めるためにはとても重要です。

インナーブランディングとは、企業のミッションや理念を社員に浸透させるための、社員に対するブランディング活動を指します。

一方、社外(顧客)に対して行うブランディング活動は「アウターブランディング」と呼びます。

当社ように、多角化で多数の事業を展開する場合には、各事業、各社員が、企業の軸となるミッションから外れないよう、このインナーブランディングに力を入れる必要があります。

多角化を進める経営者にとって、 ブランド全体をコントロールするのは重要な仕事のひとつです。

グループのミッションの下に、数多くの事業をくくる技術が必要になりますし、ミッションを何度も言い続けてグループ内に浸透させなければなりません。

2.インナーブランディングの効果・メリットとは?

インナーブランディングを行うことで、どのような効果やメリットが得られるのでしょうか?

社員の方向性を揃えてブランドを確立

インナーブランディングでミッションを浸透させることで、社員を同じ方向に向かせることができます。

当社の住宅会社である「ジョンソンホームズ」のミッションは、「いつまでも続く自分らしい幸せな暮らし」というものです。

つまりは、家を販売するだけでなく「家に住んでからの幸せを届ける」ということを掲げています。

ミッションが腹に落ち、社員の行動に落とし込まれれば、目先の売り上げのためだけに家を売ろうと考えることはなくなります。

そして、家を買ってもらったあとのアフターサービスに力を入れようといった発想に変わります。

このミッションが浸透していなければ、ある社員は「家を売るまでが大事」という考えで動くかもしれませんし、ある社員は「家の完成までのスピードが大事」と考えて動くかもしれません。

それでは、ブランドとしてのイメージがお客様には伝わりません。

こうしたミッションのもとで働く社員が、会社の商品やサービス、社風などのイメージと連動することによって、ブランドが構築されていくのです。

社員の満足度やモチベーションの向上

またインナーブランディングは、社員の満足度やモチベーションの向上にも貢献します。

ミッションが分からないまま働くということは、何のためにこの商品を売っているのか、何のためにこんなルールがあるのか、そんな想いを抱きながら働くことです。

ミッションを明確にし、それをしっかり社員に浸透させることができれば、仕事に対する満足度やモチベーションのアップに繋がります。

社員がミッションを理解し業務に誇りを持って当たれる環境が実現できれば、離職を防ぎ、社員を定着させられるというメリットもあります。

社員の満足度を高めることで、お客様に対しても質の高いサービスを提供できるようになり、顧客満足度の向上に繋がるということも考えられます。

3.インナーブランディングの前にミッションの策定を

「ミッション」とは、役割や使命、理念という意味の言葉ですが、ビジネスにおいても意味は同じです。

企業が事業を行う上で、何を成し遂げたいのか、何を目的としているのかをあらわしたもので、企業経営の基礎となる重要な考え方になります。

インナーブランディングは、社員に浸透させるミッションがあってこそ。

そもそもみなさんの会社では、しっかりミッションを持っているでしょうか?

ミッション策定のポイント

グループ全体のミッションで事業をくくるときは、「世の中に、幸せをばらまく」のように間口を広げるのがコツ。

「住宅業界を変える」といった狭いコンセプトだと、整合性のとれない事業が出てきます。

各事業のブランドは尖る必要がありますが、グループ全体では大きな網をかけるようなミッションにするとよいでしょう。

ミッションは、新規事業の提案があがってきたときに、ブランディングの観点から「うちにはふさわしくないからやめよう」と判断する材料になります。

たとえば、M&Aの案件が持ち込まれることがありますが、どんなに収益性がよい事業であっても、「グループ全体の中で違和感がないか」 ということを真っ先に考えます。

いくら儲かっても、グループのミッションやビジョンにそぐわない事業であれば、いずれ行き詰る可能性が高いですし、他の事業へ悪影響を及ぼすおそれもあります。

ミッションは言わば、新しく始める事業を成功へと導く道標のようなものなのです。

事業を始めるときは、個別のブランドばかりに注目せず、それが全体のブランドやミッションに沿っているか意識することが大切です。

ミッションについては以下のコラムでも詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。

会社のいまに違和感を覚えたら、ミッションの見直しどき

ぎくしゃくしている組織が自発的に動き出す組織になるまで

当社のミッションは「世の中に、幸せをばらまく」こと

ヤマチユナイテッドの「ミッション」を例にご紹介しましょう。

当社は50以上の事業を展開しています。

それらは住宅やインテリアショップ、デイサービスなどを行う「ライフスタイル事業」(一般消費者向け事業)と、イベント企画・施工、建築資材の卸売、住宅フランチャイズ、デイサービスフランチャイズなどを行う「プロフェッショナル事業」(企業向け営業)のどちらかに分けることができます。

住宅、イベント、デイサービスなど、一見関連のない事業を展開しているように感じるかもしれませんが、いずれの事業も「世の中に、幸せをばらまく」というグループ全体のミッション(理念)のもとに事業を行い、ブランディングしています。

「B to Bであるイベントの企画・施工事業は違和感があるのでは?」とたまに指摘されることもありますが、この事業はもともとビデオカメラなど一般家庭用品のレンタルサービスから始まっています。

一般の人でもビデオカメラを手軽に購入できる時代になってからは、企業向けにイベント機材などをレンタルする会社へと進化していきましたが、私たちが企画・運営している運動会や成人式、就職説明会などは、人生の節目となるイベントであり「人を幸せにする企業になっていく」という意味をもったミッションにつながっています。

4.インナーブランディングはミッション・ミーティングで進める!

ミッションをつくっても、勝手に組織に浸透していくわけではありません。

ミッションを浸透させていく作業が必要になります。

ジョンソンホームズでは、月に一度「ミッション・ミーティング」と呼ばれる会議を実施してインナーブランディングを図っています。

ミッションの下には「ジョンソンホームズが大切にしていること」というクレド(企業の信条)があり、「幸せな暮らしを増やすこと」「人とのつながりを大切にすること」といった7つの言葉が掲げられています。

ミッション・ミーティングでは、「幸せな暮らしを増やすことについて、実際にどう実践しているか?」といったテーマを社員の間で話し合い、ミッションの意味や実現方法について深堀りしていくのです。

こうしたミッションにもとづいて社員が行動することは、「あの住宅会社はお客さんのことを考えて提案してくれる」といったイメージにつながり、ブランディングにも貢献することになるのです。

ミッションの浸透でよくある失敗例は、デザイナーやコンサルタントに、カッコいいロゴやミッションをつくってもらうケース。

会社の周年記念のときに大々的に発表したりしても、形だけのミッションなので、いずれ忘れ去られてしまいます。

また、朝礼で立派なミッションを唱和するけれど、イヤイヤ言わされているので誰も覚えていない、ということもよくあります。

形だけだったり、社員が嫌々やらされるミッションの共有では、インナーブランディングは失敗に終わってしまいます。

5.インナーブランディングでのミッション浸透がブランドを育てる!

ブランディングを成功させるには、まず社内のブランディングが大切。

インナーブランディングで、社員の向かう方向を定め、モチベーションの維持を図りましょう。

そのためにはまずミッションの策定が大切。

特に多角的に事業を展開している企業では、ミッションで一つの軸を定める必要があります。

ミッションは狭めすぎず、ある程度間口を広げることも大切ですよ。

自社ではっきりとしたミッションを社員に提示していないのなら、なるべく早くとりまとめ、発表した方がよいでしょう。

ただし、その際は、トップダウンではなく、幹部や社員を巻き込んで、「自分たちでつくった」という形にするべきです。

ミッションが単なるお飾りにならずに、血の通った言葉となるはずです。

ミッションは作って終わりにせず、定期的なミーティングなどを活用して理解を深めることも忘れずに。

社員にミッションを浸透させる「インナーブランディング」ことこそが、ブランドを育てることにつながっているといえるでしょう。

ブランディングについては他にも様々な視点からコラムを書いております。

ぜひこちらも合わせてご覧ください。

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