企業ブランディングの目的とは?連邦・多角化経営との関係も確認
ブランディング
こんにちは、ヤマチユナイテッドの山地です。
皆さんは、企業の価値を高める「企業ブランディング」を行う目的について考えてみたことはあるでしょうか。
また、「企業ブランディングをするなら、ひとつの事業に集中すべきだ」「多角化でさまざまな事業に手を広げていくと会社としての統一感が失われて、ブランディングしにくくなるのでは?」と、考えていらっしゃる経営者の方は少なくないかもしれません。
確かに、たくさんの事業を展開することでブランドイメージがぼやけてしまえば、企業ブランディングの効果は期待できないでしょう。
今回は、企業ブランディングの目的や、連邦・多角化経営とブランディングの関係について考えたいと思います。
また、新規事業を立ち上げる際、企業としての一貫性がなければ「何でも屋ではないか」「ごちゃごちゃといろんなことをしている」といった、マイナスイメージにつながる恐れもあります。
そのリスクをどう回避するかについても、詳しくご説明しましょう。
目次
- 企業ブランディングの目的は?メリットも確認
- 企業ブランディングの手法・手順をご紹介
- 連邦・多角化経営には企業ブランディングが不可欠
- 新規事業は企業ブランディングを意識して立ち上げを
- 企業ブランディングの目的と多角化経営の関係を確認しよう
企業ブランディングの目的は?メリットも確認
一般的に「ブランディング」とは、ブランドの価値を高め、顧客から選ばれるための施策のこと。
「企業ブランディング」とは、企業ブランドや企業のイメージを戦略的に高めるブランディング戦略となり、「コーポレート・ブランディング」とも呼ばれます。
企業ブランディングの目的としては、競合他社や競合商品との差別化を図り、自社の商品やサービスの優位性を明確にすることにあります。
競合他社・競合商品の違いを認識してもらい、自社の商品やサービスが選ばれることは売上を伸ばすことにつながります。
企業ブランディングで企業の価値や知名度が高まることは、宣伝・広告費の削減にもつながるでしょう。
また、企業の知名度が上がることで信頼性やイメージも向上するため資金調達がしやすくなり、融資や投資などがスムーズに受けられる可能性も高いです。
さらに、企業ブランディングは人材採用面でもメリットがあり、自社に興味を持ってもらえる機会が増えるので、求職者に選ばれやすくなる可能性もあるでしょう。
企業ブランディングは、入社意欲のある優秀な人材を採用するための戦略的な取り組みともいえます。
顧客に選ばれ必要とされる、そして長く愛される企業・ブランドであるためにも、企業ブランディングは中小企業にとって欠かせない要素となっています。
「中小企業こそブランディングに力を入れるべき理由とは?」も、あわせてご確認ください。
企業ブランディングとインナーブランディングとの違いも確認
企業が行うブランディングのひとつに「インナーブランディング」があります。
インナーブランディングとは、自社の社員に向けたブランディングのこと。
企業のミッション(理念)などを社員に浸透させるための、社員に対するブランディング活動となります。
ちなみに、企業が行う社外(顧客や取引先など)向けのブランディングのことは、「アウターブランディング」といいます。
インナーブランディングについて詳しくは、こちらのコラムをご覧ください。
インナーブランディングとは?ミッション浸透の効果や進め方を解説!
企業ブランディングの手法・手順をご紹介
一般的な企業ブランディングの手法・手順は以下のとおりです。
- 自社の現状を分析・把握する
- ブランドの定義(ブランドコンセプト)を設定
- ブランドを浸透させるための施策を実施
- ブランドの検証
それぞれご紹介します。
1.自社の現状を分析・把握する
企業ブランディングを行う前に、自社の現状を分析・把握する必要があります。
自社の既存ビジネスを分析する方法として、「3C分析」「4P分析」「5F分析」「SWOT分析」「PEST分析」などがあります。
これらの分析方法によって、自社と競合他社の立ち位置、自社の強みや弱みなどを分析してみましょう。
2.ブランドの定義(ブランドコンセプト)を設定
ブランドの定義(ブランドコンセプト)を設定し、方向性を明確にすることは重要なポイント。
競合他社の商品やサービスと差別化をするためにも、自社の強みや個性を生かしたブランドアイデンティティを設定しましょう。
名称、シンボル、デザインなどといったブランドを構成する要素が、ミッション(理念)とつながっていることが鍵となります。
ブランディングのカギとなる「ブランド力」の定義については、こちらのコラムで詳しくご紹介しています。
ブランディングの効果とは?目的や定義、成功させるポイントを解説!
3.ブランドを浸透させるための施策を実施
ブランドを浸透させるためにどのように情報発信するのか施策を考え、実施します。
社外に向けたブランディング戦略(アウターブランディング)では、多くの方に自社のことを知ってもらうために広報活動、外部への情報発信、イベントの開催などを積極的に行います。
4.ブランドの検証
ブランドを浸透させるための施策を実施したら、定期的に検証を行いましょう。
検証方法としては、アンケート調査などがあります。
企業ブランディングの効果が感じられなかったり、知名度が思うように上がらなかったりする場合は、広報活動を変更してみたり、ブランディングの見直し※を行うことをおすすめいたします。
※企業ブランド・イメージの刷新を図ることを「リブランディング」といいます。
連邦・多角化経営には企業ブランディングが不可欠
私は、ブランドの統一感を意識しながら新規事業を立ち上げていけば、多角化経営でもブランディングの効果を十分に得ることができると考えています。
むしろ、多角化経営にこそ企業ブランディングが不可欠だと感じています。
そもそもひとつの事業に集中したからといって業績が上がるとは限らず、成功が約束された事業などありません。
しかし、ブランディングを意識しながら多角化すれば業績は上がる。
これこそ、私が「連邦・多角化経営」を実践してきて、たどり着いた持論です。
新規事業は企業ブランディングを意識して立ち上げを
新規事業を立ち上げるときには、当初から企業ブランディングを意識することが大切です。
その事業が明確なミッション(理念)を持つブランドとして際立てば、成功する可能性が高いからです。
しかし、事業のブランドにこだわるだけではまだ不十分。
個別の事業だけでなく、グループ全体のブランドも考慮しながら、多角化を進めていかなければなりません。
当社の場合も、新しい事業を立ち上げる際は、全体の統一感に注意を払っています。
個別の事業が好き勝手にブランディングを展開したら、グループ全体としての一貫性が失われてしまうからです。
たとえ各事業のブランドのエッジが立ったとしても、統一感がなければ、グループ全体のブランドは成り立たなくなってしまうでしょう。
大切なのは、個別の事業をブランド化すると同時に、グループ全体のブランドの一体感を図ることの両輪で考えていかなければなりません。
各事業を統一するグループ全体のブランド化の作業を怠ると、ブランディングがもたらしてくれる効果を得ることも難しくなってしまいますので注意しましょう。
企業ブランディングの目的と多角化経営の関係を確認しよう
「企業ブランディング」は、企業ブランドや企業のイメージを戦略的に高めるブランディング戦略のこと。
企業ブランディングの目的としては、他社との差別化を図り、自社の商品やサービスの優位性を明確にすることにあります。
企業の価値や知名度が高まることで売上を伸ばしたり、資金調達がしやすくなったり、宣伝・広告費の削減にもつながるでしょう。
また、入社意欲のある優秀な人材を採用するための戦略的な取り組みでもあるため、企業ブランディングは中小企業にとって欠かせない要素となっています。
一般的な企業ブランディングの手法・手順も確認しておきましょう。
- 自社の現状を分析・把握する
- ブランドの定義(ブランドコンセプト)を設定
- ブランドを浸透させるための施策を実施
- ブランドの検証
そして、連邦・多角化経営には企業ブランディングが不可欠。
ブランドの統一感を意識しながら新規事業を立ち上げていけば、多角化経営でもブランディングの効果を十分に得ることができるでしょう。
ヤマチユナイテッドでは、経営に役立つ経営セミナーやワークショップイベントを随時行なっています。
スケジュールをご確認の上、お役に立ちそうな機会がありましたらぜひご参加ください。
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Authorこの記事の著者
ヤマチ連邦多角化経営実践塾 塾長
山地 章夫
ヤマチユナイテッド代表。経営を楽しみ、社員700名、50事業・年商256億円の企業グループの舵を取る。本業を中心に事業を次々と立ち上げ、売上げを積み増す「連邦多角化経営」を実践。経営の安定化と人材育成を両立する独自の経営手法が、多くの中小企業経営者の注目を集める。