イメージだけに留まらない「ブランドを統一すること」の3つの効果

ブランディング

山地 章夫
山地 章夫

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こんにちは、山地です。

ブランディングの取り組みを、カッコいいロゴやマーク、おしゃれな商品パッケージをつくることだと勘違いしている方はいないでしょうか。

ブランディングは単なるデザインワークではありません。

確かに、目に見えるのはロゴやマークだけかもしれませんが、目には見えない大きな効果があるのです。

今回は、ブランディングの可視化されない効果について、ご説明しましょう。

目次

  1. ブランディングの目には見えない効果
  2. 効果(1):顧客創造
  3. 効果(2):雇用強化
  4. 効果(3):組織強化
  5. まとめ

1.ブランディングの目には見えない効果

私は、多角化の際に大切なのは、グループ全体のブランドの統一だと考えています。

「それぞれの事業がうまくいっているのなら、それで十分ではないか」

「わざわざ費用と時間をかけて、グループのブランドイメージを統一する必要があるのか」

そう考える方もいるかもしれませんが、私はグループ全体のブランドを統一する効果として、大きく分けて次の3つがあると考えています。

(1)顧客創造

(2)雇用強化

(3)組織強化

ひとつずつ順番に、くわしく説明していきましょう。

2.効果(1):顧客創造

まず、グループ全体のブランドイメージが一貫していると、お客さまが増えて、売り上げアップが期待できます。

顧客に「このブランドなら安心して購入できる」「お付き合いできる」という印象を与えることができるからです。

当社の場合、各事業がそれぞれミッションを持っています。

たとえば、デイサービス「きたえるーむ」は「すべてのお客さまのクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献する」というミッションを掲げています。

ほかの事業のミッションにも、「お客さまの豊かな生活(ライフスタイル)を支援する」というコンセプトが通底しています。

その上で、それぞれの事業を束ねるホールディング会社「ヤマチユナイテッド」では「世の中に、幸せをばらまく」をグループ全体のミッションとして掲げ、「THE 100VISION」という全社を統括するビジョンにより達成を目指しています。

「単独1000億円の企業を目指すより、10億円の事業・企業を100個つくる。そして100人の経営者を育てる」と、多角化を志向していることを内外にアピールしているのです。

このようなグループ全体のブランドイメージにこだわっているので、会社間の取り引きにおいても「一貫性があって将来性もある企業グループだ」「数多くの事業を展開しているので経営的に安定しているだろう」という印象につながるようで、安心して新規の取り引きを始めてくれます。

3.効果(2):雇用強化

ブランディングは雇用の面でも効果があります。

大きくて有名な会社であれば、優秀な人を採用するのは難しくありませんが、私たちのような中堅・中小クラスの企業だと、そうはいきません。

しかし、ブランドがしっかり立っていて「こんな理念のもとで世の中を変えようとしている」ということが伝われば、企業規模の大小や有名無名を問わず、同じような志を持つ人が応募してきてくれます。

当社の場合は「THE 100VISION」を前面に打ち出しているので、「新しいことにチャレンジできる会社だ」「自分も社長になれるかもしれない」といったイメージに惹かれて入社してくる人がいます。

また、多角化した事業の中に特定の層にアピールできる事業があれば、それをきっかけに採用を有利に進めることもできます。

当社の事業のひとつに、若者を中心に人気を集めるインテリアショップ「インゾーネ・ウィズ・アクタス」があります。

そのため「あのオシャレなインテリアショップを経営している会社なら働いてみたい」と、人材募集に応募してくれる人がたくさんいます。

また、「M+(エムプラス)」というマンションリノベーションの事業に興味を持って、この仕事に就きたいと応募してくる人もいます。

したがって会社説明会では、採用のターゲット層から注目を集めそうな事業の例を中心に、多角化のストーリーを披露するという作戦をとることができます。

ちなみに採用情報サイトは、グループのサイトと一貫性のあるミッションやビジョンを伝えることが大切です。

見た目のデザインをかっこよくしただけでは「上辺だけだな」と見抜かれてしまうので、会社のミッションやビジョンをはじめ、経営者のライフスタイルや価値観をも伝えることが必要でしょう。

社風も企業のブランドイメージに直結するので、採用ページには若手社員の笑顔やイキイキと働いている写真を使うこともポイントです。

応募者に近い将来の自分をイメージさせることができれば、親近感を抱いてもらえます。

当社が北海道で人気就職先ランキングの上位にランクインできたのは、このようにブランディングを意識しながら多角化を進めた結果だと思います。

4.効果(3):組織強化

ブランディングは、組織を強くする効果もあります。

ミッションやビジョンがないがしろにされ、ブランドが確立されていない会社だと、社員は些細なことで「うちの会社は何を考えているかわからない!」といった不満を抱き、辞めてしまうでしょう。

しかし、自社のブランドが明確になっていれば、会社で働くことを誇りに思い、ロイヤルティーも高まるので、たとえ少し仕事が大変でも「この目標を達成するために、この会社に入ったんだ」と思い直してくれます。

当社の住宅会社ジョンソンホームズには「いつまでも続く自分らしい幸せな暮らし」という事業ミッションが浸透しています。

家を建てて終わりではなく「住んでからの幸せ」を提供するのが目的なので、社員はブレることがありません。

「お客さまのために尽くす」という思考が、当たり前になっているのです。

同じような価値観や志を持つ仲間が集まって、「お客さまに喜んでもらうにはどうすればいいか」を考えながらチームワークよく行動するので、自然と業績もアップしていきます。これもブランディングの効果といえるでしょう。

また、多角化を進めると、いつのまにか事業部ごとの縦割り組織になってしまいがちです。

大切なのは、それらの縦割り組織に横串を刺すこと。

当社では「経営推進会議」や「委員会」といった横の連携を強化する制度を導入して、グループ全体を大きなひとつの会社のように運営していますが、そのときに肝となるのが、すべての事業をひっくるめたビジョンやミッションです。

一貫性のあるブランディングで一体感を醸成しておかないと、それぞれの事業が資本関係でつながるだけになり、多角化の効果が薄れてしまうでしょう。

5.まとめ

以上、長々と説明してきましたが、事業を多角化すればするほど、ブランディングが重要になることをご理解いただけたでしょうか。

ブランディングの効果とは、決してロゴやマークなど目に見える差別化だけではありません。

大切なのはなによりも「ミッションの浸透」だということをお伝えできたとしたら幸いです。

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