インターンシップ内容の企画方法は?成功のための秘訣や成功実例も

採用・育成

山﨑 舞
山﨑 舞

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こんにちは、ヤマチユナイテッドの山崎です。

自社の社風にマッチし、その中で実力を発揮してくれる人材を獲得することは会社の未来を左右する大きなポイントです。

その意味でも当グループでは採用活動を非常に重視し、毎年初期段階からさまざまなコンテンツを準備して先手先手で動けるように計画を練っています。

インターンシップもその一つ。

単なる「就業体験」で終わることなく、学生の好奇心や向上心を刺激するようなインターンシップの内容の決め方について、当グループの内容に触れつつご説明したいと思います。

目次

  1. インターンシップの定義や目的は?学生の期待を上回る情報提供を
  2. インターンシップ内容の決め方は?秘訣は「4プロセス1サイクル」
  3. ヤマチユナイテッドのインターンシップ内容をご紹介
  4. インターンシップを成功させるプログラム内容のポイント
  5. インターンシップ内容の企画は企業の成長に欠かせない「人材への投資」

インターンシップの定義や目的は?学生の期待を上回る情報提供を

「インターンシップ」といえば、社員が働く現場で学生が実業務の一端を体験するという、まさに就業体験そのものが目的でした。

しかし、2023年度(令和5年度)から大学生などのインターンシップの取扱いが変更となっています。

2023年6月、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意(3省合意)によって「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が改正。

この改正は「2025年(令和7年)3月に卒業・修了する学生(学部生ならば令和5年度に学部3年生に進学する学生)」が、「2023年度(令和5年度)に参加するインターンシップ」から適用されています。

改正されたキャリア形成支援に係る4類型

「学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取組み」が次の4つの類型に整理されています。※2024年3月時点

  • タイプ1:オープン・カンパニー
  • タイプ2:キャリア教育
  • タイプ3:汎用型能力・専門活用型インターンシップ
  • タイプ4:高度専門型インターンシップ(試行)

4つの類型の違いを簡単に、わかりやすくご説明します。

タイプ1:オープン・カンパニー(※オープン・キャンパスの企業・業界・仕事版)

  • 取組みの性質・目的 :個社・業界に関する情報提供・PR
  • 特徴:業界・企業による説明会・イベント
  • 学生の参加期間(所要日数):超短期(単日)
  • 就業体験:なし
  • 「インターンシップ」とは称さない

タイプ2:キャリア教育

  • 取組みの性質・目的:働くことへの理解を深めるための教育
  • 特徴:大学などの授業(講義)や企業による教育プログラム
  • 実施時期:学士・修士・博士課程の全期間(年次不問)※
  • 就業体験:任意
  • 「インターンシップ」とは称さない

※企業が主催の場合は、時間帯やオンラインの活用など、学業両立に配慮が必要

タイプ3:汎用型能力・専門活用型インターンシップ

  • 取組みの性質・目的 :就業体験を通じて、自らの能力の見極め、評価材料の取得
  • 特徴:職場における実務体験
  • 学生の参加期間(所要日数):汎用的能力活用型は短期(5日間以上)、専門活用型は長期(2週間以上)
  • 就業体験:必ず行う(必須)
  • 「インターンシップ」と称して実施

タイプ4:高度専門型インターンシップ(試行)

  • 取組みの性質・目的:就業体験を通じて、実践力の向上、評価材料の取得
  • 特徴:特に高度な専門性を要求される実務を職場で体験※
  • 就業体験:必ず行う(必須)
  • 「インターンシップ」と称して実施

企業は上記4類型に照らして、インターンシップの実施形態・プログラムを設計、または見直しをしなければなりません。

そうなると現場とはまた別の受け皿が必要になりますから、お金も人手もその分多くかかるんですよね。

近年、新卒採用スケジュールの変更が相次ぎ、採用担当者の負担が増しているという現状。

その上、売り手市場で内定辞退のリスクも高まっていることから、内定承諾を得られるまではまったく気が抜けません。

ですから企業側としては、採用スケジュールをしっかりと立て、インターンシップなどでいかに自社をアピールするかをしっかりと練り上げておくことが大切です。

インターンシップなどで自社への興味を深めてもらうことを目的とし、その興味が愛着になっていくほどの強力な仕掛けが必要だと思うのです。

以上を踏まえると、企業側としては学生が参加しやすい条件をそろえた上で、業種や企業の情報提供(※タイプ1の場合)、就業体験を十分に行なえるインターンシッププログラムを企画することがまず基本。

さらにその中でいかに学生に向けて自社の魅力を表現できるか、学生が期待する以上の内容を用意できるかが、採用活動の成否を分けると考えられます。

こちらのコラムもあわせてご確認ください。

新卒採用の時期やスケジュールを確認!準備や内定のコツや心構えも

インターンシップ内容の決め方は?秘訣は「4プロセス1サイクル」

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具体的にどのようなポイントに着目してインターンシップを企画したら良いでしょうか。

私としては、以下の4つのプロセスを一つのサイクルにしてプログラムの内容に落とし込むことが大切だと考えています。

①【興味】学生に興味を持ってもらい集客する

まずは学生に自社への興味を持ってもらうことが大前提。

学生の興味を引くために必要な要素について解説します。

学生の興味領域を知る

業界や企業の情報以外にも、マナー講座のように就職活動を円滑に行なうための「就活スキルアップ」の場を用意すると「参加してみようかな」という気持ちを誘発しやすいです。

その際はフィードバックの機会も設けることが大切です。

自社の魅力を多方面から表現

インターンシッププログラムのコース名や種類にも工夫して、企業の個性や社風を織り込むとアイキャッチとして効果を発揮します。

参加へのハードルを下げる

学生の動向を分析し、実施場所や期間、時期といった条件がより参加しやすいものとなるよう検討しましょう。

②【参加】内容の充実を図り、満足度をアップさせる

実際にインターンシップに参加してくれた学生に対しては、下記のような要素を取り入れたコンテンツを提供しましょう。

学生の自己分析・成功体験への支援

ゲーム形式のワークショップなどを取り入れることで、学生が得意分野や長所を自覚するきっかけを作ることができます。

採用担当以外への接触頻度UP

ランチ会やインタビューのように現場の社員と接する機会を多く持つことで社風が伝わり、学生側も入社後イメージを具体的に描けるようになります。

また、近年では新型コロナウイルスの世界的な流行を受けたことから、接触型のコミュニケーション以外の方法も増加しました。

ソーシャルメディア、動画配信サービス、クラウドサービスを利用したWEB対面などを利用し、採用担当以外とコミュニケーションを取れる場を増やすことが重要です。

ちなみに、当グループでは会社説明会をはじめ、新卒採用活動で若手社員に活躍してもらっています。

その理由やメリットなど、詳しくは「会社説明会で若手社員が選ばれる理由とは?リクルーターのメリット」をご覧ください。

自社に合いそうな人材の見極め

学生の素の表情や仕事に対する本音が表れるような企画を組んだり、コミュニケーションを密にしたりするよう心がけると、入社後のアンマッチ防止につながります。

③【ファン化】リピート学生を増やし、親和性を高める

インターンシップを行なって終わりではもったいない!

「その後」につなげるためにはこのような取り組みがポイントとなります。

個別メッセージの送付

参加者一律ではなく、一人一人を『個』として扱うことで「人を大切にする会社である」と印象づけることができます。

ほしい層へのプレミア企画招待

「インターンシップ参加学生のみ招待」というようにプレミア感のある企画を案内し、採りたい層をより深く知る機会とします。

スキル面の育成支援

ポテンシャルを見極めて伸ばしつつ、不足部分のスペックを理解して育成につなげていきます。

④【口コミ】ファン化した学生や内定者・社員が発信

その年の就活生だけでなく、翌年就活を迎える学生にも効果を波及させるには「口コミ」がポイントです。

「知っている先輩」と「見たことある先輩」の口コミで宣伝&波及効果

自社のインターンシップに参加した友人や先輩=「知っている先輩」の口コミや、内定者・社員=「見たことある先輩」のSNSは、参加の動機づけとして強力です。

これらの「興味」「参加」「ファン化」「口コミ」という4つのプロセスを一つのサイクルとし、フロー化してインターンシッププログラムに落とし込むのが非常に重要です。

ヤマチユナイテッドのインターンシップ内容をご紹介

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ヤマチユナイテッドのインターンシップ内容は、現場社員が考案したプログラムなので、より実践的な体験が可能です。

ワークを通じて、社員から個別のアドバイスをもらう機会が多いという魅力もあります。

当グループのインターンシップは下記のように、複数の職種(事業部)のコースをご用意しており、何度でもご参加(リピート)できるプログラム内容となっているところもポイント。

<イベント営業コース>

主催者のヒヤリングから要望をくみ取り、主催者のニーズに合ったイベント実現へ向けた会場図面を作成・提案

<住宅営業コース>

ジョンソンホームズの複数ある住宅ブランドの中から、お客様のご要望に沿った暮らしのご提案をする営業業務を体験

<設計・現場監督コース>

ワーク形式でお客様を想定し、そのお客様にあったお家のプランを図面上で作成する。お家づくりの行程に関わるクイズ等も用意。お家が完成するまでのイメージを掴んでもらえるような内容

<商社ビジネスコース>

取引先へのヒヤリングを基に、お客様のニーズに合った商品選定~建材のご提案を行う営業業務を体験

<フランチャイズ本部コース>

フランチャイズ店舗の現状から課題を抽出し、店舗の経営者に改善策を提案する業務を体験

ヤマチユナイテッドの過去のインターン内容

以下は2020年6月〜翌年1月に行なったインターンシップの一覧です。

実施月

タイトル・内容

6月

"社会人になった自分"をリアルにシミュレーションしよう!

ヤマチの人生ゲーム

7月

ヤマチの社員と考える

社会人で役に立つ"会話力"って?

8〜9月

"北海道からウェーブメイク"を続ける道産子商社の強みを探る!

ヤマチにZOOMイン!

10月

あのメジャーリーガー大谷翔平をも成功に導いた!?

\ヤマチ流/魔法のツールで自己分析をしよう!

11月

「半年で1人前に成長」とも言われるヤマチならではの新人研修とは?

ヤマチの企業カルチャーを体験!〜フレッシャーズキャンプ編〜

12月

仕事もプライベートも全力で楽しみたい!

シゴトの楽しいを見つける自己分析ワークショップ

1月

競争倍率20倍を勝ち抜く!"ヤマチのあの人たち"の特徴は何なのか?

「企業の求める人物像」大分析!

この他にも、1dayインターンシップ、3daysインターンシップなども開催。

また、インターンシップ以外にも様々なイベントを開催しています。

最新イベント情報は、ヤマチユナイテッド新卒採用サイトのイベント情報をご覧ください。

インターンシップを成功させるプログラム内容のポイント

当グループでのインターンシップのプログラム内容や企画・運営してきた経験をもとに、インターンシップを成功させるポイントについてご紹介します。

堅苦しくない内容にする

当グループのインターンシップでは、複数の職種(事業部)のコースをご用意していますが、それぞれ堅苦しさを感じさせないプログラム内容になるように作っています。

「ユニークな会社」「人間力」「会話力」など、当グループに対して持ってもらいたい印象が伝わるようなコンテンツを作りつつ、頭だけでなく体も動かすような学びの機会としています。

個人ワーク、ペアワーク、グループワークをバランス良く入れる

全体的に、個人ワーク、ペアワーク、グループワークをバランス良く取り入れることも意識しています。

モチベーションをアップさせることや社風を伝えることを目的に、インターンシップでさまざまな学生や社員と交流する機会を設けています。

自社の魅力が伝わる内容にする

当グループは「社風・社員の雰囲気の良さ」が魅力の一つと考えているので、プログラム内容にもしっかり入れ込んでいます。

社風を体感できる、または社員と交流するコンテンツを増やすことで、学生の満足感や入社への動機付けを行なっています。

リピート可能なプログラムにする

企画内容を毎月変え、選択制のコース設定で何度も学べるようにすることでリピートできる仕組みを作るのもコツです。

企業のトップが人材への投資に注力する

当グループで開催している「連邦・多角化経営実践塾」には、全国から多くの経営者の方々が参加します。

中には「ヤマチさんはお金もあるし人もいるからできるんでしょう」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

ですが私たちの意識としては、採用活動にはお金も人手もかかって当然。

「むしろお金もマンパワーもしっかりかけてください」と言いたいところなのです。

特に現状の就活市場でいうと、インターンシップの時期にウエイトをかけてがんばることができれば、のちの実働が楽になる傾向にあります。

でなければ、内定出しから承諾までだいぶ焦らされてしまう、採用活動が長期化して次年度に食い込むなど、気が休まらない日々を過ごすことになるのです。

特に中小企業においては兼務で採用担当となっている方も多いと思いますが、可能であれば専任にしてあげてほしいと思います。

人材への投資はお金も人手もかかりますし、それらを動かすのは非常にパワーがかかります。

インターンシップのプログラムの内容以前に、トップ自身が「人に投資をしよう」という判断を下し、専任部署を作って取り組むことがインターンシップを成功させるための第一歩です。

インターンシップ内容の企画は企業の成長に欠かせない「人材への投資」

インターンシップの目的は、学生に自社の仕事やサービス内容の理解を深めてもらい、その業種のやりがいを体感してもらうことで、採用につなげること。

インターンシップの企画は「興味」「参加」「ファン化」「口コミ」の4つのプロセスを意識することが大切です。

インターンシップの成功の秘訣は、情報を発信して多方面から魅力を伝え、学生を自社のファンにすること。

そして、有望学生を選考までつなぎ止めるにはスキルアップの機会を提供することが大切なポイントです。

また、インターンシップのプログラム内容は堅苦しくないものにし、個人ワークだけでなくペアワークやグループワークも取り入れます。

自社の魅力が伝わるようにするのはもちろん、リピート可能なプログラムにするのもポイントです。

企業のトップが人材への投資に注力し、専任部署を作って取り組むことも重要です。

ヤマチユナイテッド流インターンシッププログラムも一つの参考として、自社のインターンシッププログラムの設計を見直してみるのも良いでしょう。

ヤマチユナイテッドでは、連邦・多角化経営実践塾以外にも経営セミナーやワークショップイベントを随時行なっています。

その都度ホームページでご案内しますので、スケジュールをご確認の上、お役に立ちそうな機会がありましたらぜひご参加ください。

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