業務標準化のメリットとは?属人化を防ぎ新人が育つ仕組みとヤマチの事例

業績管理・経営計画

山﨑 舞
山﨑 舞

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こんにちは、ヤマチユナイテッドの山﨑です。

 

事業を多角化する、あるいは世代交代の時を迎えている会社では、人員補充や新卒採用枠の拡大を検討することもあると思います。

その際、業務の引継ぎがスムーズにいかないケースも多々ありますよね。

営業部門ではベテランと新人の成績に差が付き、彼らを支援する間接部門では特定の人でなければわからない仕事がある...そんな状況ではないでしょうか。

組織の中で働くからこそ、誰が担当しても一定の成果が期待できる仕組みを作っておくことが大事で、それが「業務の標準化」です。

 

今回は、業務標準化に取り組んでいるヤマチユナイテッドの事例を含め、皆さんの会社でもすぐに始められる仕組みづくりについてご紹介していきます。

目次

  1. 業務標準化とは?メリット・デメリット、進まない背景も解説

  2. 業務標準化の進め方は?個人のスキルに頼らない、属人化を防ぐ仕組みづくりを解説

  3. ヤマチユナイテッドは業務標準化をどう進めた?実際の取り組み事例を紹介

  4. 業務標準化を定着させるポイントは?ヤマチの委員会制度の活用方法を解説

  5. 業務標準化で属人化を防ぎ、個人依存から組織で成果を出せる仕組みをつくろう

業務標準化とは?メリット・デメリット、進まない背景も解説

「業務標準化」とは、担当者が誰であっても一定の品質で業務を進められるように、仕事の進め方や判断基準を統一することです。

例えば、営業活動であれば商談の進め方や提案資料、顧客管理の方法などを共通化することが業務標準化にあたります。

業務が個人の経験や勘だけに頼っている状態では、担当者によって成果に差が生まれたり、引き継ぎが難しくなったりします。

業務標準化は、そのような属人的な業務を減らし、組織として安定した成果を出せる状態を目指す取り組みといえるでしょう。


業務標準化のメリット

業務標準化には主に次のようなメリットがあります。

  • 生産性の向上(無駄な作業や判断の迷いを減らせる)

  • 品質の均一化(担当者による品質のばらつきを抑えられる)

  • 属人化の防止(特定の人しかできない業務を減らせる)

  • 人材育成の効率化(教育や引き継ぎがしやすくなる)


業務標準化のデメリット・注意点

一方で、次のような点には注意が必要です。

  • ルールを細かく決めすぎると柔軟な対応が難しくなる

  • マニュアルを守ること自体が目的化しやすい

  • 現場から反発が出る場合がある


そのため、目的を共有しながら運用と改善を続けることが重要です。


業務標準化が進まない背景とは?

業務標準化は多くの企業にメリットがありますが、会社規模や組織の状況によって取り組む優先度は異なると思うんですよね。

従業員数が少なく、目に見える範囲の人同士でコミュニケーションが十分に取れる環境で、変更・修正・決定までのプロセスも見えているような状態であれば、個人の裁量に任せて業務を進めていっても、そこまで問題はないと考えられます。

しかし、会社の規模が大きくなり、だんだん人数が増えてくるとそうもいきません。

それまで少数精鋭で業務をうまく進めていても、人が多くなることによって個人のスキルレベルに高低差が目立つようになれば業務標準化の必要性が感じられてきます。


では、必要があるのに業務標準化ができていない会社は、どうしてできていないのでしょうか。

その背景として、まず挙げられるのは業務や顧客が特定の人に集中している状況です。

例えば営業部門では、創業時から活躍しているベテラン社員や社長・副社長・専務などの経営層が現役の営業担当として成果を上げていることがあります。

こうした人材は長年にわたって顧客との信頼関係を築いてきたため、売上やノウハウが個人に紐づきやすくなります。

お客様も会社というよりは営業個人に付いていて、後進に引き継ごうにもなかなか担当を移せなかったり、お客様側も担当が変わることに不安を感じたりする場合もあるでしょう。

その結果、業務や顧客の引き継ぎが進まず、新人が経験を積む機会も限られてしまいます。


新人が定着しない原因とは

さらに、新人がなかなか定着しない、あるいは独り立ちできない背景には、具体的に次のような課題が考えられます。


原因①業務フローが明確になっていない

新人自身、業務フローが明確になっていないので、自分がやるべきことのスタートからゴールが見えていない段階のまま現場に赴いているのではないでしょうか。


原因②営業ツールがうまく活用されていない

商談をスムーズに進めるための営業ツールがないと、自分で資料を作るなどして対応するしかありません。

また、せっかく営業ツールが用意されていても更新されていなければ修正の手間がかかりますし、共有されていなければ活用することができません。


原因③必要なスキルや知識が明文化されていない

むやみに「売上を上げてこい」と言っても、何をどうすれば良いか理解するまでには非常に時間がかかります。

新人には営業トークや業界動向に関する知識など、活躍のために必要なスキルや知識をあらかじめ示してあげると、成長スピードが上がるはずです。

これらの原因により、新人が定着しない、なかなか独り立ちしない、ということが考えられます。


原因④業務標準化するための旗振り役がいない

現役プレイヤーである先輩方が手取り足取り教えるには忙しくて手が回らず、コミュニケーションも希薄になりがちなので、その間に新人は孤立感、孤独感を深めて辞めていくこともあります。

そこまで想像がついてもなぜ業務の標準化ができないかというと、旗振り役がいないからではないでしょうか。

  • 「これは、業務フローを明確にしたほうが良さそうだ」

  • 「最新の営業ツールを用意したら良さそうだ」

  • 「ステップを踏んで、成長できる仕組みを作ったほうが良いな」

などと、誰もが「やった方が良い」と思っているのに、取りまとめをする人がいない。

 

上の人は忙しすぎる一方で、現場の若手や新人は情報や権限が不足しており、自分から着手しづらい状況にあります。

自ら旗振り役を買って出るような余裕と能力がある人は、ハイパフォーマーとして活躍していることも多く、日々の業務で手いっぱいになってしまいます。

結局「個」で動いてしまいがちなため、本来は組織全体を見る目線を持っている人、全体の売上や業務効率を見ている人が旗振り役を務めてくれるのが理想的です。

 

しかし、ヤマチユナイテッドでもそうですが、中小企業では実際にそういった立場の人ほど個人の仕事も抱えており、手が回らないのが実情ではないかなと思います。

そこで、中小企業でも取り組める業務標準化の仕組みづくりについて、次の項目から説明していきたいと思います。

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業務標準化の進め方は?個人のスキルに頼らない、属人化を防ぐ仕組みづくりを解説

業務標準化の進め方について見ていきましょう。


業務標準化はどの業務から始めるべき?

業務標準化の必要性は理解していても、「どこから手を付ければ良いのかわからない」という企業は少なくありません。

まず大切なのは、全ての業務を一度に標準化しようとしないことです。

対象範囲が広すぎると準備や調整に時間がかかり、途中で頓挫してしまう可能性があります。

 

そのため、まずは次のような業務から着手すると良いでしょう。

  • 頻度が高い業務

  • 属人化している業務

  • ミスやトラブルが発生しやすい業務


小さな成功事例を積み重ねながら対象範囲を広げていくことが、無理なく業務標準化を進めるポイントです。


業務標準化の進め方

業務標準化の仕組みづくりにあたり、もっとも必要とされるのがベテランの皆さんのノウハウです。

 

順を追って、流れを説明していきます。

  • ①業務プロセスを整理する

  • ②業務フローを書き出す

  • ③ノウハウの収集

  • ④効率化と標準化

  • ⑤事前に準備することを業務フローに落とし込む


①業務プロセスを整理する

各部署・部門の業務活動を書き出して順番に並べます。

業種によって異なりますので、以下のようなイメージで作ってみてください。

 

<BtoB営業、飲食店(接客)のプロセス事例>

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見直しを兼ねて、業務の流れに過不足はないか、プロセスの順序は適切かといったこともあわせて見ていきましょう。


②業務フローを書き出す

業務活動の各プロセスを掘り下げた業務フローを書き出します。

営業部門を例にして、図でご説明します。

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例えば、「顧客リストを作成する」というプロセスの中には、「WEBで調べる」「優先順位を付ける」「担当を割り振る」といったフローがあります。

こうした流れを順番にまとめていくとわかりやすくなります。

この中で他部署と連携するようなフローもあると思います。

 

ヤマチユナイテッドには住宅販売の事業部がありますが、「新築住宅を売る部門」と「建材や設備を仕入れる部門」とが連携していないと、納期の確認に時間がかかります。

その結果、お客様が他社へ流れてしまうこともあり得ます。

こういった他部署との連携部分も見直して改善していくことが大切です。


③ノウハウの収集

ここでベテランの皆さんの出番です。

営業部門を例に挙げると、プレーヤーを兼任しているのであれば社長、副社長といった役職の方々も含めたベテランやハイパフォーマーを集めます。

 

そして、「契約を受注するまでにどのようなことをしているか」を書き出してもらいます。

こういった方々にありがちなのが、ある種の「思い込み」。

「自分がやっていることはそんなに特別なことじゃない」と思っている方が多いのです。

でも、実際に書き出してもらってまとめる作業をしてみると、ものすごく細かい部分だけれども「ここが人と違うから、やっぱりあなたは売れるんですね」と感じるところが出てくるもの。

顧客へのちょっとした気遣いであるとか、自分なりのツールを作って持っているとか、実績を裏付ける理由が何かしら見つかると思います。

 

ちなみに、店舗や支店がある会社の場合は店舗ごと、支店ごとでノウハウを出してもらうと取り組みが全然違うこともあって面白いです。

地域性や顧客ニーズが違えば営業のポイントも変わってくるので、そのようなところも参考になるはずです。

 

なお、ノウハウを共有する際には、部署や担当者ごとに異なる表現を使っていると認識のズレが生じることがあります。

 

業務標準化を進める上では、業務の進め方だけでなく、組織内で使う言葉や定義を統一することも重要です。

詳しくは下記コラムもあわせてご覧ください。

強い組織は共通言語で動く!ビジネスの言葉の統一が組織力を高める理由


④効率化と標準化

収集したノウハウをもとに、業務の効率化と標準化を進めます。

例えば、営業部門でアポ取りの顧客リストを作るときに、昔だったら業種別の電話帳(タウンページ)を見て、片っ端から電話をしたかもしれません。

しかし、今ならWEBで調べたほうが早いですし、専門業者に依頼するほうが費用対効果を考えてもメリットが大きい場合があります。

 

実際にアポ取りをする段になれば、営業トークスクリプトがあると、新人でもしっかり話ができます。

サンプルなどを持っていく必要があれば、資料一式がそろっていることで迅速にお客様の元へ向かえます。

商談ではお客様の要望をマニュアルに沿って聞き取るようにすれば、新人でも聞き漏らしなく、その後別の部署へつなぐにもスムーズです。

トークスクリプトや資料、マニュアルのようなツールに生きてくるのが、ベテランの方々のノウハウです。


⑤事前に準備することを業務フローに落とし込む

BtoBの「できる営業」は相手方の稟議フローの確認までしてきます。

担当者からの提案ルート、決定までの期日などをきちんと聞いてきて「ではこの日にまたお電話差し上げます」として帰ってきます。

しかし新人の場合は、ここまで確認がおよばず、せっかく商談までこぎつけたのに話が流れてしまったり、その間に競合他社に取られてしまったりすることもあるでしょう。

だからこそ「ここまで聞いてくるんだよ」とベテランのやり方をマニュアルとして示してあげれば、契約に至る確率を上げることができると思うのです。

 

資料についても各々が自分のためだけに作成しているケースは多いですが、同じ作業をそれぞれにやることほど効率の悪いことはありません。

きちんとした資料を一つ作って共有しつつ、必要に応じて更新していくのがベストです。

クロージングで見積もりを差し上げる際も、相手方の担当者が決裁を取りやすいような補足資料を用意します。

その稟議補足資料自体、ただ金額と商品名だけ記載するより、詳細説明や写真がちょっと入っているほうが通りやすい、といった話も聞きますね。

本当に細かいことですが、そのような工夫を取り入れていくことが業務フローの見直しにもつながります。

 

一例として、BtoB営業のフローにおいてできる工夫は下図のようにいろいろありますので、ご参考ください。

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部署内に分散して蓄積されているノウハウをまとめて一つにし、共有することで業務標準化はかなり進みます。

ヤマチユナイテッドは業務標準化をどう進めた?実際の取り組み事例を紹介

業務標準化の事例として、ヤマチユナイテッドの事業部で実際に行なったことをご紹介したいと思います。

 

イベントの企画運営や関連機材のレンタルを主な業務とする「アンカー」は、BtoBのビジネスモデルで事業展開しているヤマチユナイテッドの事業の一つです。

ヤマチユナイテッドは多角化経営なので会社説明もなかなか難しいです。

アンカーが手がけるイベント事業はお客様の要望に沿ってさまざまなやり方がありますから、内容や予算規模についてヒアリングすることが多く複雑であるという課題がありました。

札幌だけでもイベント会社はたくさんある中、アンカーを選んでいただくためには何が決め手になるのか、そこをいかにシンプルに提案できるかが勝負どころです。

お客様が商談に割いてくださるのは30分、長くても60分程度という限られた時間です。

その中で「会社説明から商品概要、強みや実績のアピールをしつつご要望を伺って、不安や疑問を解消していく」となると、やることは盛りだくさん。

そういったこともあって、業務標準化の作業に着手することにしました。

 

当時の営業担当は5人、うち1人は新卒入社の新人でした。

その新人が早期に戦力となり、売上に貢献できるようにしたいという狙いが一つ。

それと、ヤマチユナイテッドが外部向けに主宰するオンライン講座「KATAKA」の教材を作成することが、もう一つの目的でした。

 

初回の商談を業務標準化する

まず取り組んだのが、初回商談のロールプレイングです。

そこで見えてきた課題をもとにお客様視点を整理し、必要なツールを整備していきました。


①ロールプレイングと課題の発見

イベントは内容によって難易度が変わりますが、このときはオンライン配信のイベントを受注すると仮定し、お客様の設定も細かく決めて行いました。

商談をプロセスに分け、それぞれにどのくらいの時間をかけているかを各人に書き出してもらうと、会社説明、業績紹介、サービス説明...と出てきますが、人によって順番もボリュームもバラバラでした。

営業同士でほかのメンバーの商談を見学することもないし、新人が先輩に付いていくことも一度現場に入ってしまうとなかなか定期的にはできません。

そのため、各々自分なりのやり方で進めていたのです。

私自身も「KATAKA」の教材作成のためにその場にいたのですが、例えば「アンカー」という社名だけでなく、「ヤマチユナイテッド」の名前も出したほうが地元のお客様には伝わりやすいのではないかと感じる場面がありました。

そうした経験から、会社紹介の仕方一つをとっても、人によって大きな違いがあるのだと実感しました。


②お客様視点の整理

その点、さすがと感じたのはゼネラルマネージャーの会社紹介。

会社沿革に触れながら「こういう歴史があって、こういうところを得意としてきたから、今こういう実績があって強みとなっています」という説明にとても説得力がありました。

やはりお客様の側としてはイベントを確実に成功させたい、絶対に失敗したくないという思いが強いので、「この人に任せて安定運用できるのか」が一番心配なのだろうと想像がつきます。

そこへ安心感を持っていただけることが、決め手の一つになるのではないでしょうか。

私であれば、A社とB社で多少の価格差があっても「安心して任せられる」と感じるほうへ依頼すると思いますし、自分たちでは思いつかない提案をしてくれる営業にお願いしたいと考えるでしょう。

そうすると、お客様が求めていることは何か、みんなで話し合っていくうちに「会社に対する信頼感」「今までの実績のバリエーション」「安定運用の担保」「営業との信頼関係」といった要素がだんだん見えてきました。


③時間配分と商談ツールの見直し

お客様が求めていることが整理されたところで、商談に要する30分ないし60分をどう使うか考えていくと、各プロセスの時間配分は以下でどうかという話に当時はなりました。

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これを踏まえて、会社紹介や実績は動画で見せたほうがわかりやすいだろうと話がまとまり、イベントを手がける事業部だけあって動画はすぐに完成。

会社紹介は「ヤマチユナイテッドのここから派生して、このような経緯で『アンカー』となり、今までにこのような実績があります」とダイジェスト版にまとめました。

これまでのお客様に許可をいただいた上で以前のイベント映像を使って実績紹介とし、およその金額を提示すれば規模に対する予算感も伝わりやすい内容になりました。

商談の前段となる部分を動画にすることで、人が違ってもクオリティに差がつきにくくなり、誰でも同じ所要時間で自社の概要を伝えられるようになりました。

そうすることで、お客様側にとっても「アンカー」のサービスをイメージしやすいという利点が生まれたのです。

また、提案ツールに関しては各メンバーが使っているパンフや資料などを全部出してもらって活用できるものは活用し、一つのツールに統合するという作業も行なっています。


ヒアリングシートの作成

次に、お客様の要望をお尋ねしていく際のヒアリングシートを作成しました。

オンライン配信であれば「現場にも観客を入れるハイブリッドタイプか、配信のみか」といったように、イベントの形式や規模によって確認すべき項目は異なります。

商談内の時間配分としては10分程度を想定し、その中で確認すべき項目をA4用紙1枚程度にまとめます。

イベント事業部でいえば営業部のほかに、現場作業にあたる施工部、図面を書いたり見積もりを出すなどする制作部門があり、それぞれがスムーズに連携するためには聞いてくるべきことがいろいろあります。

聞き漏らしがあると部門間の関係がギスギスしたり、他社に遅れを取ったりする可能性もあるので「後からまた聞けば良い」ということでももちろんありません。

 

また、見込み営業に出た新人がお客様のところから帰ってくると、先輩社員と一緒にアポの振り返りをすることは皆さんの会社でも行われていると思いますが、「ここを聞いてこなかったのか」ということは『あるある』ではないでしょうか。

指摘される新人も、指摘する先輩も、良い気持ちはしないですよね。

ヒアリングチェックシートとトークスクリプトを活用し、必要な情報を漏れなく確認できれば、新人の自信にもつながります。

さらに、聞いてきたことをベースに「じゃあこんな提案もできるね」などと、先輩とさらに深い話もできるようになります。

提案のアイデアやクロージングの決め手のアドバイスをもらえれば商談がよりまとまりやすくなり、実績にもつながるのです。

私はこのときお客様役になっていろいろと質問していたのですが、やはりベテラン営業マンは勘が良いというか、「そこを聞いてほしかった」というところを良いタイミングで聞いてくれるんですよね。

やはりそこは経験値の差で、ヒヤリハットを経験してきて「こういうところを聞き取らないと危ない」というのが身にしみているのでしょう。


FAQの作成

お客様の安心につなげるためにももう一つ、FAQを作成することにしました。

営業担当には産みの苦しみがある大変な作業だったと思いますが、お客様によく聞かれる質問を20個ずつ書き出して提出することをノルマとしました。

それを私が「会場について」「配信ツールについて」「予算について」のようにカテゴリー分けし、似ているものをつぶしていってExcelの表にまとめました。

あとは回答をセットで書き込んでいけば、キーワード検索で質問とそれに対する回答が出るようになり、これでFAQは完成。

ツールといっても何も特別なものではありません。

あらかじめFAQを整えておくことで、お客様から質問を受けたときにも、FAQを見てその場で回答できる場面が増えます。

 

FAQ作成の流れをわかりやすく図にしてみました。

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集約する作業はそれなりに大変ですが、私の場合は営業担当5人分のFAQをまとめるのに1時間くらいで済みましたし、一旦作ってしまえば追加や更新にそれほど手間はかかりません。

みんなでやるなら、付箋に書き込んでどんどん出し合っていく方法でも良いでしょう。

のちのち、作成したFAQをホームページに掲載し、お客様にメールでURLを送れば、不安や疑問を軽減できると思います。

 

BtoB営業の場合、各フローと活用できそうなツールを図示すると以下のようになります。

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皆さんの会社でも、業務プロセス、業務フローを整理するところから業務標準化を始めてみませんか?

 

型化については、下記コラムもあわせてご覧ください。

業績を上げる組織に不可欠な「型化」とは?自律的に成長する企業の作り方も

業務標準化を定着させるポイントは?ヤマチの委員会制度の活用方法を解説

何でもそうですが、せっかく業務標準化の仕組みを作ったのなら継続的に活用しなくては意味がありません。

 

私が普段お付き合いしている中小・中堅企業の皆さんにお聞きすると「定着しない」ことが課題となっているケースが案外多いようです。

市場が変わったり世代が移り変わったりした場合、特にベテランばかりだった営業組織が若手中心に刷新したりすると、スキルレベルも悩みどころも違うためにやり方を変えないとならなくなることもありますよね。

ここで仕組みの見直しと更新をうまくやらないと、定着しないということになるのだと思います。

 

では、その見直し・更新をする人=コラムの最初のほうで出てきた「旗振り役」が必要になるのですが、社長、副社長、専務といった役職者が主導しすぎないことがポイントです。

上の人が主導しすぎると、現場の人が自分たちで動く機会を持ちにくくなってしまうからです。

本来は一番現場に近い人が一番お客様にも近く、一番市場ニーズをつかんでいるはず。

そのため、現場に近い人たちをプロジェクトメンバーとしてアサインし、どのタイミングで誰がどうやって見直しをするのかを決めておけば、あとはくるくる回すだけ。

 

そのための場が、各部署から現場社員を出してもらって構成する「委員会制度」です。

委員会は目的に応じて複数あって良いと思います。

  • 顧客アンケートを分析する「顧客満足度委員会」

  • 抽出されたお客様の声を営業シーンや商品・サービスに生かす「ヒアリング委員会」

  • 現場のニーズを拾ってツールを作る「ツール整備委員会」

  • 効率をより上げる工夫をする「業務効率化委員会」 など


営業ツールは使い方を間違えるとトラブルにつながる場合もありますので、「ツール研修委員会」もあると安心です。

自分の部署以外のところや上層部へ掛け合うような場面も出てくるでしょうし、何かのシステムを導入するなど予算を動かすケースも想定されますから、役職者はオブザーバーとして入り、仲介役として動いてあげると良いですね。

 

このほか「目安箱」としてメールで集約できるフォームを作っておいて、「こんなツールがあったら良いな」というものを投稿できるようにしておくのも有効です。

もちろん「できる・できない」とその理由といったように定期的なフィードバックがセットですが、こういった取り組みが個ではなく組織でできるようになると、いろいろな人からいろいろなアイデアが出てくる建設的な組織になっていきます。

 

これは営業部門に限らず、間接部門も同様です。

むしろ間接部門こそ業務が属人化しがちなところがあり、長くいる人が多くの業務を担っていると、その人が急に休んだ際に業務が滞ってしまうこともあります。

属人化している業務の外部委託やシステム導入も視野に入れつつ、「何かできないか」と組織で話ができるようになっていくと、人によって仕事量や残業時間が違うといった問題も改善されると思います。


業務標準化を定着させるために

ただし、業務標準化は仕組みを作っただけでは十分ではありません。

実際に運用する現場の声を取り入れながら、定期的に見直しと改善を行うことが大切です。

 

また、市場環境や顧客ニーズは常に変化しています。

一度決めたルールや業務フローも、そのまま使い続けるのではなく、現状に合っているかを定期的に確認する必要があります。

最初から完璧な仕組みを目指すのではなく、小さく始めて改善を積み重ねていくことが、業務標準化を定着させるポイントといえるでしょう。

委員会活動を通じて無駄やムラを解消すれば、時間や手間を短縮するだけでなく社員も次のステップへと成長することができます。

業務標準化を検討する際は、ぜひ委員会制度も取り入れてください。


経営層と現場との間に生まれがちなギャップについて知りたい方は、こちらのコラムもあわせてご確認ください。

経営層と現場でギャップが生まれる理由は?経営と現場をつなぐ4つの対策

業務標準化で属人化を防ぎ、個人依存から組織で成果を出せる仕組みをつくろう

業務標準化のメリットは、誰が担当しても一定の品質で仕事を進められるようになること。

しかし、旗振り役が不在であるという課題は中小企業でも起こりやすく、なかなか進められないのが実情です。

 

実際に業務標準化を行うには、次のような手順で進めます。

  1. 業務プロセスを整理する

  2. 業務フローを書き出す

  3. ノウハウの収集

  4. 効率化と標準化

  5. 事前に準備することを業務フローに落とし込む


近年、ヤマチユナイテッドでも業務標準化に取り組んでいます。

例えば、BtoB営業のある部門では商談をプロセスに分け、それぞれのフローで使えるツールを見直したり整備したりすることで、新人でも売上インパクトを出せるような仕組みを整えました。

業務標準化の仕組みがある程度整ったら、委員会制度を活用して定着を図る方法もおすすめです。

目的に応じた委員会を立ち上げ、「いつ・誰が・どのように見直すか」を決めておくことで、現場主体で運用しやすくなります。

役職者は旗振り役を担いすぎず、オブザーバーとして他部署や上層部をつなぐ役割を果たすこともポイントの一つです。

委員会活動を通じて無駄やムラを解消すれば、時間や手間を短縮するだけでなく社員も次のステップへと成長することができます。

 

コラム内でも少し触れましたが、ヤマチユナイテッドのオンライン講座「KATAKA」では「型化」、つまり型に沿って誰もが同じレベルで取り組める業務管理体制構築のノウハウをご紹介しています。

アンカー」の事例でお話しした業務標準化の教材も活用していますので、ご興味があればホームページで概要をご確認の上、受講をご検討ください。

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