会議の見直し方を解説!社員エンゲージメントを高めよう

組織・給与制度

山﨑 舞
山﨑 舞

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こんにちは、ヤマチユナイテッドの山崎です。

コラムを読んでくださっている皆さんの会社では、普段どんな会議を行っているでしょうか?

中小企業の皆さん、そしてヤマチユナイテッドが主宰する「連邦・多角化経営実践塾」の参加者の皆さんからも非常によくお聞きするのが会議の悩み。

自社の課題についてアンケートを取ると「会議運営」について悩んでいるという声が入ってきます。

数名で構成される会社であればコミュニケーションも円滑ですが、これが10名、20名、さらに100名超の会社になってくるとなかなか難しいようです。

自社の会議運営に対して疑問を感じるようになってきたなら、会議の見直しのタイミングです。

会議の見直しは社員エンゲージメントを高めることにもつながりますので、ぜひご一読ください。

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目次

  1. 会議の見直しをする必要性とは?社員のモチベーションとの関係
  2. 会議の見直しは業績にも関係している
  3. 会議の見直し手順を具体的に解説
  4. 最新!ヤマチユナイテッドの会議構成
  5. 会議運営を見直し、会議が活性化すればエンゲージメントも業績も上がる!

会議の見直しをする必要性とは?社員のモチベーションとの関係

組織において会議はすべてが決定する非常に重要な場であり、階層別、目的別にさまざまな種類の会議を設定していると思います。

しかし、その「普段の会議」が社員のモチベーションを大幅にダウンさせる要因になっているとしたらどうでしょう?

「そんなことがあるだろうか」と思われるかもしれませんが、会議の意義を改めて考えると、運営のどういった点が社員のモチベーションやエンゲージメントと関わってくるかが見えてくるのではないでしょうか。

会議の意義を見直すなら、次の5点を実行できる会議であるかを確認しましょう。

①情報共有と透明性

会議は情報共有することで、組織の透明性を高める役割も担っています。

会社全体で考えたとき、各会議の目的や構成がどう設計されているのかという階層図を明確に整えておくことが大切です。

社員が組織の方針や目標に対して理解を深め、自身の仕事がどう影響するかを理解できるようになると、エンゲージメントが向上します。

②コミュニケーションと関係構築

会議はリーダーシップやメンバー間のコミュニケーションを促進する関係構築の場でもあります。

良好な人間関係が築かれると、社員は組織により貢献しやすくなり、エンゲージメントが高まります。

③参加者の意見とアイデアの尊重

会議が参加者の意見やアイデアを尊重し、フィードバックを求める文化を築くことで、社員は「自分の声が聞かれている」と感じます。

積極的な会議への参加や貢献が奨励される環境が、社員のエンゲージメント向上に寄与します。

④行動計画とフォローアップ

会議での行動計画やフォローアップがしっかり行われると、社員は自分の仕事の進捗や成果を把握しやすくなります。

進捗が見えることでモチベーションが向上し、エンゲージメントが増します。

⑤変化管理と関与

会社に大きな変化がある際、関連する情報を会議で共有し、社員が変化にどのように関与できるかを示すことが重要です。

これによって、社員は変化に対して前向きな姿勢を持ち、エンゲージメントが維持されます。

会議運営でよくある困り事とは?

私がご相談を受ける経営陣の皆様から「会議運営についてのお悩み」を聞き取っていくと、②で挙げたコミュニケーションの問題が大半を占めるのではないかと感じます。

会議運営の困り事としてよくお聞きするのは、以下のような内容です。

  • 会議の時間が長い
  • 議論が脱線する
  • 意見が出ない
  • 強い人の意見に偏りがち
  • 雰囲気が悪い
  • 会議の目的が不明瞭で結論が出ない など

いかがでしょう、皆さんの会社でも思い当たることはないでしょうか?

これらのことを会議の参加者がそれぞれに感じていると、モチベーションが下がってくるのは当たり前。

「うちの会議ってこうですよね」という不満の声が出てくる段階はまだ良いのですが、それもなくなってくるとさらに深刻ですね。

加えて、業績や経営課題に対するプロジェクトの進捗状況を見るに成果が出ていないとき、コミュニケーションが不足している会社の場合、上層部からの発破かけがまた、現場社員のモチベーションを低下させるという悪循環。

「コミュニケーションが悪いな」「それで社員のモチベーションが下がっているな」と察知したときこそ、会議の見直しのタイミングです。

「会議で意見が出ない」とお困りの方は、こちらのコラムもあわせてご確認ください。

会議で意見が出ない原因。意見を引き出す「ワーク型経営会議」とは?

会議の見直しは業績にも関係している

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ヤマチユナイテッドでは、会議を非常に重要視しています。

なぜなら、会議は会社の経営の良し悪しと密接に関係し、業績に大きな影響を及ぼすと考えているからです。

特に「組織の設計」と「会議の設計」という2点においては、業績との関連性を見過ごせません。

組織の設計とは、人材開発と言い換えても良いですが、社内の人材や事業をどう構成して組織を作っていったら良いかということ。

会議の設計とは、どんな目的の会議をどんな頻度、どんな参加者で行うかということ。

この2点がうまく紐づいていると、業績のPDCAが回ってきます。

具体的に説明してみましょう。

うちでは管理会計を取り入れて数字をオープンにし、部門別営業利益管理を行っています。

各部門が実質儲かっているか・儲かっていないかがわかるような状態にしているので、ある事業を伸ばしていくというのであれば、それを一部門として組織構成をした方が良いというのが組織の設計。

これが土台で、それら部門別の会議と会社全体の会議をどう構築し、結びつけるかが会議の設計となります。

私たちが企業様から業績系のコンサルティングを依頼されたときは、以下の内容を必ず事前に情報を確認させていただきます。

  • 企業様の組織構成
  • コンサルティングを依頼された方(または講義や研修に参加される方)がどのような立ち位置か
  • 会社全体の会議にはどのようなものがあるか

組織の設計と会議の設計がうまく紐づき、ちゃんと業績に関係するアジェンダがセットされていれば業績は上がっていくと考えているため、これらは重要なポイントだと見ているからです。

会議の見直し手順を具体的に解説

「会議の見直しに着手したい」という方のために、会議を見直す際の手順を紹介していきます。

①会議一覧表を作成する

自社で行われている既存の会議をすべてリストアップしてください。

それぞれに、目的、主要テーマ、課題、アジェンダ、参加者、開催方式(リアルorオンラインなど)、開催日、ファシリテーター(あるいは書記)担当者といったことも記入していきます。

何のためにやる会議で、何の議題を取り扱って、そこにどの階層の人が出ているのかを明確にするための作業です。

②会議を分類する

リストアップした会議を種類に応じて分類してください。

例えば、全体朝礼や経営計画発表会など全社員を対象としたものは「情報共有」、上層部が集まる会議は「意思決定」という分類になるでしょう。

うちのように多角化していると縦横斜めの情報共有も必要ですから、事業部別、部門別といった分け方もあるかもしれません。

斜めの情報共有でいうと、コスト削減や効率化のためにグループ全体でIT関連を統一し、ITプロジェクトを立てたというような場合も。

これに関わる会議は機能別のところに分類されます。

③全体のバランスをチェック

会議を分類し一覧化できたら、一つの分野だけに偏っていないかどうか確認を。

意外と意思決定の会議ばかりであったり、情報共有の会議が極端に少なかったり、ブレインストームでアイデア出しをする会議がなかったりということも考えられますが、各分野にバランス良く会議が設置されていることが理想です。

④会議の種類と運営を見直す

一覧表をもとに、会議の内容を見直し、場合によっては要・不要も検討していきましょう。

以下の4点をポイントとして進めてください。

ポイント(1)課題感に対応する会議が設置されているか

会議は本来、経営課題を解決するためのものとして設置されているはずですから、自社の課題感に対してきちんと会議が設計されているかという点をチェックしましょう。

できれば、一覧表作成の前段として先に課題を抽出しておくともっと良いと思います。

ポイント(2)不要な会議はないか

定例会議だからと惰性的に集まっているけれど、それは本当に必要な会議でしょうか。

毎回更新されない情報が上がってくるようなら、開催頻度を見直すべきかもしれません。

ポイント(3)各会議の運営方法は適切か

リストアップした会議に併記した項目についても見直しを。

例えば「開催方式」に関しては、コロナ禍以降、オンライン会議が広く定着しましたが、現時点ではやっぱり対面のほうが良いものも出てきているかもしれません。

ポイント(4)アジェンダを見直す

アジェンダは会議の成否を左右するともいわれます。

各会議の目的やテーマ感にフィットしたアジェンダが入っているか、いま一度見直しましょう。

会議の見直し後に大切な事は?

会議の見直しが済んだ後、もっとも大切なのは会議に参加する社員に、会社の全体像の中で「この会議はこの立ち位置にあり、こういう目的の会議なので、この頻度、この時間、このアジェンダでやっている」としっかり嚙み砕いて説明してあげること。

そうでないと会議の参加率も上がらず、発言もなくただ座っているだけで「時間が長いわりに何も決まらない」と感じ、社員のモチベーションはまた下がる一方です。

会議に関するお悩みは中堅の幹部社員からいただくことが多く、経営者自身も「自分ばかりしゃべってるな」と感じることがしばしばあるといいます。

部下は部下で発言しにくい雰囲気を感じることもあるでしょうし、そもそも「発言したところで何にもならない」と思っている人も多いでしょう。

経営者・部下がそれぞれ会議運営に疑問を抱いているならばこそ、階層ごとでも部門ごとでも、社員みんなで会議の要る・要らないを話し合って精査し、「この会議は必要だよね」と納得した上で進めていくのが一番良いと思います。

だからこそ、会議のルールも決めることをおすすめします。

例えば「資料はいつまでに配り、参加者はそれに目を通した上で会議に臨む」「事前にアイデアを練ってから参加する」「議事録はいつまでに発報する」など。

こういったルールの中で一番徹底してほしいのは「会議に欠席・遅刻をしない」ことです。

中小企業は忙しいので欠席、遅刻、ドタキャンみたいなことが起こりがちですが、それが当たり前になると会議をやる意味がなくなります。

もし欠席や遅刻の可能性があるなら、事前に必ず連絡をしてリスケするか、代理を立てて委任する。

そして、そのための調整や依頼は欠席・遅刻をする人自身が行うことを徹底しましょう。

欠席・遅刻が許されるとしたら、お客様のクレーム対応を今すぐにその人がやらなければならないなどといった緊急を要するケースとなります。

会議はそれくらい大事な業務だという意識を皆さんが持つことも重要なポイントです。

最新!ヤマチユナイテッドの会議構成

ここで、ヤマチユナイテッドの会議構成についてご紹介します。

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図の左側で示している通り、各事業部では「カンパニー経営会議」が行われています。

うちは部門別で営業利益管理を行っていますから、カンパニー経営会議で業績を週次でチェックし、月単位でまとめると次の「事業部経営会議」へその報告が上がっていきます。

この次に行われる会議が法人ごと(グループ各社)の各社経営幹部が出席する「各社経営会議」、そしてグループオールの法人も入ってくる「HQ(ヘッドクオーター)会議」へ進みます。

最終的に、このHQ会議で共有した情報が、翌週をめどに全社向けの「オンライン朝会」に反映されるという仕組み。

当グループで住宅販売を手がけている「ジョンソンホームズ」を例に挙げます。

カンパニー経営会議の「カンパニー」とは、新築事業部だと「インターデコハウス」「ナチュリエ」「インゾーネの家」「アメカジ工務店」「COZY」の5ブランドそれぞれを表しますから、これは各ブランドのメンバーによる会議です。

この流れで行くと事業部経営会議は新築事業部の会議で、各ブランドのカンパニー長と事業本部長が参加します。

各社経営会議はジョンソンホームズの会議で、新築事業部、Rデザイン事業部、インテリア事業部といった社内の各事業部のトップが参加します。

HQ会議はジョンソンホームズのほかの法人の事業本部長プラス役員、そして社長と常務が入ってきます。



ヤマチユナイテッドの会議構成の階層を視覚化したのが以下の図です。

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このような構成で、アジェンダも固定で設定し、うちでは上意下達も、現場からの課題抽出もスムーズにできるように設計しています。

コンサルティングのお客様からは「アジェンダも知りたい」という声が多いので、過去のものですが参考までに、皆さんにも公開しますね。

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例えば、うちではカンパニー経営会議の固定アジェンダに「新規事業案を出す」が入っているので、会議のたびに新規事業案を用意していかなければなりません。

同じように、業績報告を固定アジェンダとしてセットしてしまえば、進捗状況を確認せざるを得ないので強制的に報告もまとめてもらう形になりますし、さらに対策立案もしてきてもらうので、管理職育成にも大きな効果を上げています。

そうなると、やはり業績にも効いてきますし、社内の雰囲気も良くなってくるものです。

基本的に、社員の元気がないと業績も上がりません。

社員が元気に発言して会議が活性化し、モチベーションが上がる会議にしていくには、会議の構成と目的をしっかり現場の皆さんに浸透させることが大切です。

それが、エンゲージメント向上にもつながるものと考えています。

会議をより活性化させる方法について詳しくは、こちらのコラムでもご紹介しています。

会議をより活性化させるには?マンネリ化した会議を改善する方法を紹介

会議運営を見直し、会議が活性化すればエンゲージメントも業績も上がる!

会議の意義を改めて考えるとすると、以下の5点を実行する場であることの確認がまず挙げられます。

  1. 情報共有と透明性
  2. コミュニケーションと関係構築
  3. 参加者の意見とアイデアの尊重
  4. 行動計画とフォローアップ
  5. 変化管理と関与

いずれもうまくすれば社員のモチベーションアップ、ひいてはエンゲージメント向上につながりますが、逆の場合は「普段の会議」がモチベーション低下の要因となり得るのです。

特にコミュニケーション不足によって、以下のような会議でよくある困り事の多くが生まれるのだと考えています。

  • 会議の時間が長い
  • 議論が脱線する
  • 意見が出ない
  • 強い人の意見に偏りがち
  • 雰囲気が悪い
  • 会議の目的が不明瞭で結論が出ない

これらのことを会議の参加者がそれぞれに感じていると、モチベーションが下がってくるのは当たり前。

コミュニケーションが悪いな、それでモチベーションが下がっているなと察知したときこそ、会議の見直しのタイミングです。

ヤマチユナイテッドは会議を非常に重要視していますが、なぜなら会議こそ会社の経営の良し悪しと密接に関係し、業績に大きな影響を及ぼすからです。

組織の設計と会議の設計がうまく紐づいていて、ちゃんと業績に関係するアジェンダがセットされていれば業績は上がっていくものだと考えられます。

会議の見直し手順は以下のように進めると良いでしょう。

  1. 会議一覧表を作成する
  2. 会議を分類する
  3. 全体のバランスをチェック
  4. 会議の種類と運営を見直す
  5. アジェンダを見直す

見直しが済んだ後、もっとも大切なのは、会議に参加する社員に、会社の全体像の中で「この会議はこの立ち位置にあり、こういう目的の会議なので、この頻度、この時間、このアジェンダでやっている」としっかり嚙み砕いて説明してあげること。

また、会議のルールも決めておくと良いですね。

特に「会議に欠席・遅刻をしない」ことは徹底し、会議はそれくらい大事な業務だという意識を皆さんに持ってもらうことも重要なポイントです。

ヤマチユナイテッドでは、以下のような流れで会議が行われます。

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徐々に上の階層へ上がっていき、HQ共有した情報が、翌週をめどに全社向けのオンライン朝会に反映されるという仕組み。

固定アジェンダに業績報告を含めることで、進捗状況の管理はもちろん、対策立案も強制的に挙げてもらうようになっているので、業績アップばかりでなく管理職育成にもつながっています。

基本的に、社員自身が会議を「必要で重要である」と認識しないとモチベーションアップやエンゲージメント向上は実現できません。

自分事として捉えてもらうためには、会議の仕分けに参加してもらうこと、参加した意義を感じられるようにフィードバックやフォローアップをきちんと行うことが大事です。

当グループ主宰の「連邦・多角化経営実践塾」では、会議の設計方法はもちろん、その土台となる組織設計やモチベーションアップのためのさまざまな仕組みづくりなどについて、経営陣の皆さんで一緒に参加できるプログラムを用意しています。

興味のある方は、ホームページから募集要項を確認の上、参加をご検討ください。

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