新規事業責任者の選び方とは?向いている人・向いていない人も紹介
多角化・新規事業
こんにちは、ヤマチユナイテッド代表の山地です。
多角化経営を進めるためには、新規事業の立ち上げは必須。
しかし、新規事業となると引っ張ってくれるリーダー、つまり適切な事業責任者を配置する必要があります。
新しい環境の中で事業を進めるためには、いかに良い事業責任者を選ぶかが勝負のカギとなります。
そこで今回は、新規事業を立ち上げる際に、どのような人材を責任者にすれば良いのか、そのポイントを紹介します。
新規事業責任者に向いている人、向いていない人の特徴もあわせてご紹介しますので、参考にしてください。
目次
新規事業の責任者とは?
新規事業の責任者の仕事は、新しい事業を構築し、目標到達までの道筋を設計していくことです。
事業全体を広い視野で見ることができ、決断力・経営能力も同時に求められます。
対外的な交渉も必要になるケースも多いことから、コミュニケーション能力や交渉力も大切でしょう。
新規事業の責任者として選ばれやすいのは、中小企業の場合は「社長」「社長候補」「幹部」「幹部候補」が挙げられます。
ただし、ヤマチユナイテッドの場合、新規事業の責任者はキャリアや年齢では決めません。
私の会社では、全体的に若い従業員が多いということもありますが、おもに20代後半から30代の若手社員を抜擢しています。
ここからは、新規事業の責任者の選び方をご紹介します。
新規事業の責任者の選び方のポイント
では具体的に、どのような人を新規事業の責任者に選ぶのでしょうか。
選び方のポイントをご紹介します。
ポイント①リーダーとして組織を引っ張ることができる
新規事業の内容に対する向き不向きなども考慮しますが、一番のポイントは 「人を動かした経験」があるかどうか。
新規事業の責任者に最も求められるのは、ビジネスセンスでも才能でもスキルでもなく、組織を動かすことだからです。
3人~5人など少人数のチームでも、チームリーダーとして組織を率いたことがある人は、人を動かすことがどれだけ大変であるか身をもって知っています。
そのため、新規事業を任せても、なんとか事業を前に進めることができます。
ポイント②事業が目指すビジョンをチームで共有できる
新規事業を進めるためには、チーム全員が同じ気持ちで目標に向かっていく必要があります。
そのときに必要となるのが、チームのビジョンです。
「どんなことを大切にしていて、それを達成するためにはどのように進めれば良いか」をチーム全員で共有できるかどうかが、事業をスムーズに進められるかを左右します。
ビジョンは、ただ仕事をこなしていくだけではチームメンバーに浸透しません。
新規事業の責任者、つまりチームリーダーが、いかに浸透させる工夫ができるかにかかっています。
企業におけるビジョンの考え方については「ビジョンとは?会社も社員も前向きになれるビジョンの作成方法と事例を紹介」で解説しています。
ぜひご覧ください。
ポイント③ロジカルな思考ができる
新規事業の責任者はチームをまとめるだけでなく、時に経営に関する判断力が求められます。
外部との交渉の機会も多いため、感情的にならず、メリットやデメリットを比較し、冷静により良い選択ができることが重要です。
ロジカルな思考ができることは、チームメンバーに対しても筋道立ったわかりやすい説明ができるということなので、チームをまとめるためにも重要なスキルになります。
新規事業の責任者に向いている人・向いていない人
前述のとおり、新規事業の責任者に求められるのは「リーダーシップがとれる」「ビジョンの共有ができる」「ロジカルな思考ができる」というスキルです。
そのような意味では、天才肌の専門職は、新規事業の事業責任者にはあまり向いていません。
例えば、親しみやすい人柄でお客様の心をあっという間につかんでしまうようなトップセールスマン。
営業マンとしては優秀でも、センスでうまく仕事を回している人は、それをロジカルに組織に伝えることができません。
「トップセールスマンが、優秀なマネジャーになるとは限らない」とよくいわれるのもそのためです。
それよりも、口下手で不器用なタイプの営業マンのほうが、実は責任者に向いています。
口下手でも売れるように、売るための仕組みやステップをマニュアル化するような努力をするため、売るためのコツを組織にロジカルに伝えることができるのです。
新規事業で組織を動かす際にも、「ロジカルに考え、伝える」ことが求められます。
「黙って俺についてこい」では人は動きません。
「こんなに面白い事業だから、一緒にがんばってみよう」とロジカルに、そして情熱的に説明できて、初めて人は動くのです。
人を動かすのが得意な社員に新規事業を任せる。
これも多角化経営を成功させるポイントなのです。
ヤマチユナイテッドでは、新規事業の立ち上げを進めながら人材を育てることにも注力しています。
「新規事業を立ち上げて人材を育てる!人材育成のポイントとは?」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
新規事業の責任者に求められるスキルを把握し、得意な社員に任せることが多角化経営を成功させる
新規事業の責任者は、一般的には社長や社長候補、幹部、幹部候補などから選ばれます。
しかし、ヤマチユナイテッドの場合は、経験も年齢も浅い若手社員が選ばれることも多いです。
社員の年齢が全体的に若いということもありますが、キャリアや年齢によって新規事業の責任者を選んでいません。
ヤマチユナイテッドでは、新規事業の責任者は「リーダーシップがとれるか」「ビジョンをメンバーと共有できるか」「ロジカルな思考ができるか」といったポイントで選んでいます。
そのため、いくら営業成績が良くても、それだけで「責任者に向いている人」だと判断することはありません。
むしろ、その裏でどんな努力をしているか、仕組み化をしているかなどが重要なのです。
人を動かすのが得意な社員に新規事業を任せることも、多角化経営を成功させるポイントだといえます。
ヤマチユナイテッドでは、社員教育に関してさまざまな角度からの取り組みをしており、経営セミナーやイベントなどでご紹介しています。
スケジュールはホームページでチェックしてみてくださいね。
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Authorこの記事の著者
ヤマチ連邦多角化経営実践塾 塾長
山地 章夫
ヤマチユナイテッド代表。経営を楽しみ、社員700名、50事業・年商256億円の企業グループの舵を取る。本業を中心に事業を次々と立ち上げ、売上げを積み増す「連邦多角化経営」を実践。経営の安定化と人材育成を両立する独自の経営手法が、多くの中小企業経営者の注目を集める。