新規事業は「人を動かした経験」がモノを言う
多角化・新規事業
こんにちは、山地です。
今日は、新規事業を立ち上げる際に、どのような人材を
責任者にすればいいのか。そのポイントを紹介します。
新規事業の責任者は、キャリアや年齢では決めません。
私の会社では、全体的に若い従業員が多いということもありますが、
おもに20代後半から30代の若手社員を抜擢しています。
もちろん、新規事業の内容に対する向き不向きなども考慮しますが、
いちばんのポイントは 「人を動かした経験」があるかどうか。
新規事業の責任者に最も求められるのは、ビジネスセンスでも
才能でもスキルでもなく、組織を動かすことがだからです。
3人でも5人でもいいから、チームリーダーとして組織を率いたことがある人は、
人を動かすことがどれだけ大変であるか身をもって知っているので、
新規事業を任せても、なんとか事業を前に進めることが出来ます。
そういう意味では、天才肌の専門職は、あまり事業責任者には向いていません。
たとえば、親しみやすい人柄でお客様の心をあっという間
につかんでしまうようなトップセールスマン。
営業マンとしては優秀でも、センスでうまく仕事をまわしている人は、
それをロジカルに組織に伝えることが出来ません。
「トップセールスマンが、優秀なマネジャーになるとはかぎらない」
とよくいわれるのもそのためです。
それよりも、口下手で不器用なタイプの営業マンのほうが責任者に向いています。
口下手でも売れるように、売るためのしくみやステップを
マニュアル化するような努力をするため、
そのコツを組織にロジカルに伝えることができます。
新規事業で組織を動かす際にも、
「ロジカルに考え、伝える」ことが求められます。
「黙って俺についてこい」では人は動きません。
「こんなに面白い事業だから、一緒にがんばってみよう」とロジカルに、
そして情熱的に説明できて、初めて人は動くのです。
人を動かすのが得意な社員に新規事業を任せる。
これも多角化経営を成功させるポイントなのです。
SHARE! この記事を共有する
Authorこの記事の著者
ヤマチ連邦多角化経営実践塾 塾長
山地 章夫
ヤマチユナイテッド代表。経営を楽しみ、社員700名、50事業・年商256億円の企業グループの舵を取る。本業を中心に事業を次々と立ち上げ、売上げを積み増す「連邦多角化経営」を実践。経営の安定化と人材育成を両立する独自の経営手法が、多くの中小企業経営者の注目を集める。