計測して「公開」すれば改善される話

KATAKA

川田 新平
川田 新平

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こんにちは、川田です。

「計測すれば改善される。」これは弊社の代表、山地に言われた言葉です。

もう何年も前のことなので、どんな場面で何のために言われたのかは正直なところ記憶にありません。

しかし、20年間マネジメントに携わる中で私自身も大きく実感することとなりました。

さらにいうと、計測したものを社員に『公開』することで全社巻き込み型の課題改善ができるのだということも発見しました。

本日はそんな「計測して、公開すれば改善される」というお話ができればと思います。

目次

  1. 事例① 手探りでもいいから、まずは計測してみる
  2. 事例② 計測した数字を"公開"することで社員の目線が変わる
  3. まとめ

1.事例① 手探りでもいいから、まずは計測してみる

私が計測の重要性を実感することができるようになったきっかけは、グループ内のハウスメーカー・ジョンソンホームズにあるコーディネーターチームの統括リーダーの話を聞いてからです。

このチームは住宅購入の契約が済んだお客様と内装の打ち合わせを担当します。

内装は0からスタートしますので、お客様の納得がいくまで何時間も、何回にもわたって打ち合わせをします。

1人のコーディネーターが担当できる顧客数に限りがでてきてしまうこともあり、生産性を上げることが課題でした。

そこでその社員がとりかかったのが、業務が完了するまでにかかる時間の計測でした。

まずは住宅1棟分の内装が完成するまでにかかった打ち合わせの回数と時間の総計を社員ごとに出すところから始め、出てきた結果をもとにチーム会議を重ね、改善策を上げる...という作業を続けていったのです。

その期間、なんと数年間。気の遠くなるような日進月歩の努力でしたが、その甲斐あってか一棟につき4回かかっていた打ち合わせの数が半分になり(単純計算で労働時間が半分になったということですね)、さらには顧客満足度まで上げるという成果を残すことができたというのです。

この社員のすごいところは、絶対的な根拠や改善の方向性がない中でも手探りで事実を集めつづけたことだと思っています。

KPIやKGIといったような確立された指標がない中でも手探りでも事実を計測し、結果を見ながら改善を重ねる...といった地道な作業を継続することで成果をあげることができたのです。

そういった意味で計測というのは改善に欠かせないものなのだと実感することができました。

2.事例② 計測した数字を"公開"することで社員の目線が変わる

こうして山地の言っていた「計測すること」の大切さは社員から身をもって教わった私ではありますが、自分でも一つ大きな発見をしました。

それは、計測することに加えて、その結果を社員に"自分事"として実感させることも大切だということです。

そこでお話しするのが、同じジョンソンホームズの営業部門の事例。元から営業フローごとの数字の計測(商談の成功率や、受注率などです)は実施しており、その集計データはexcelにまとめ、社員なら誰でもアクセスできるようにしていました。

しかし、記録を見ていたのは管理担当だった社員だけで、肝心のプレイヤーは誰一人として見ていませんでした。

なぜそれほどまでに無関心なのか...と怒りたくもなりますが、一般の社員の目線に立ってみると、「その数字を何のために計測しているのか」「どのように捉えるべきか」といったこともきちんと上から説明しないことには、計測していることの意義が見えにくいのかもしれません。

それよりも自分自身が抱えている目の前の業務に目がいってしまうのもわかります。

しかしこのような現状は、計測した数字を私がラジオパーソナリティーのように解説を加えながら全社員に向けて配信しはじめたことにより一変しました。

元々は別の目的で始めた配信ですが(詳しくは別のコラムで紹介しています)、とにかく計測した数字に意味を付けて強制的に聞かせ始めたことで、社員の目線や意識が徐々に変わっていったのです。

管理職の社員も、一般の社員も、計測することの意味を理解し、数字意識を意識しながらの行動を起こすようになったのです。

今では、「ここの部分の数字を上げることが大事」「次までにこの割合を50%までに引き上げたい」といったように、社員が数字ベースでの自律的な行動目標を掲げていることが私の耳にも届くようになりました。

それも、役職がついていない入社わずか数年の社員からです。

そしてそのような社員は、いずれも目を見張るほどの売り上げの伸びを見せてくれるのです。

コロナ禍で苦境続きではありましたが、最終的には赤字を回避し5億円の黒字で2020年を終えることができました。

本当にありがたい限りです。

最初にお話ししたコーディネーター部門も、自分たちの業務効率を上げるという目的で自発的に計測をはじめ、測った数字がメンバー間で共有されていました。

このように、全員が強制的にでも事実と向き合うことができる環境づくりができていたことが成果に結びついたのだと考えています。

3.まとめ

本日のコラムでは「計測して、公開すれば改善される」ということについてお話しました。

事実は計測することで初めて良し悪しがわかるもので、事実を見つめずに的確な対策を打つことは至難の業。

目標と現実のギャップを埋めるためには、とにかく数字の計測を始めること、それを社員が受け止めることが大切です。

とにかく計測した数字に意味をつけて公開し、強制的にでも社員がその数字と向き合う環境を作り出してみてください。

先ほどご紹介した「オンライン朝会」については、以下コラムで詳しくお話していますので、こちらもぜひ読んでみてくださいね。

▼情報オープンの取り組み「オンライン朝会」についてはこちらのコラムでご紹介しています▼
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