ヤマチ流デジタルトランスフォーメーションを公開 〜オンライン朝会② 共有情報の中身〜
KATAKA

こんにちは、川田です。
ヤマチ流DX(デジタルトランスフォーメーション)の2話目です。
前回のコラムでは、当グループのDX推進に対する考え方や、コロナ禍を機にグループ2社でスタートさせたオンライン朝会を話題に取り上げました。
世の中でいわれるDXの成果のひとつに、情報共有のレベル向上が挙げられると思います。
当グループのオンライン朝会でも、その情報共有から取りかかりました。
そして私たちは、開示する業績の数字や社員の行動に意味をつけて話をするということを行っています。
今回は、オンライン朝会でどんな情報を共有しているかについて、意図なども含めて書いていこうと思います。
目次
1.勢いをつけるため、一体感を形成するために
今回は、ジョンソンホームズでの取り組み事例をベースにお話しします。
当社ではコロナ禍のなか、事業部間に協調関係があまり見られず、また、社員それぞれが自分だけの思いを強くし、見ている方向がバラバラな状態でした。
そこから始めたオンライン朝会では、次の情報を共有しています。
朝会の話し手は私一人で、社員が入力した情報を資料として話をします。聞き手は全社員です。
●全ブランドの事業の進捗状況
●業績につながる事前指標の進捗状況
社員が増えて組織が大きくなり、そこにコロナ禍がきて、ジョンソン社内にいわゆるセクショナリズムが横行していました。
関心があるのは自分の所属する事業部、ブランド内のことだけで、自分たち以外で起こっていることに興味が薄れてしまっているようでした。
そこで、会社全体でよくなっていくために、全体のことをわかってほしいという思いから、全ブランドの事業の進捗状況、業績につながる事前指標の進捗状況を共有することにしました。
数字を開示するだけではなく、私がその数字をどう思っているか、意味づけをして状況を伝えています。
事前指標は例えば、「Aさんは今月契約に至らないが、次月は案件多数」というところまで見えるかたちにしています。
●契約発表/引き渡し発表
契約発表は、契約を獲得した営業社員をクローズアップします。
コロナ禍にあって勢いをつけるために、ポジティブなメッセージを伝えつつ社員の活躍を私が思いきり喜びます。
引き渡し発表は、住宅の完成お引き渡しごとに、お客様が喜んでいる様子を収めた写真を添えて発表します。
契約は営業マンだけに関わることですが、この引き渡し発表を行うことにより、設計やコーディネーターにも焦点をあて、「みんなでやっているんだ」という一体感をつくり出す意図もあります。
2.厳しい状況下でも上手くいっている社員に着目
コロナ禍のこの厳しい時代、外部環境が変化し続ける状況において、トップ一人の力量で会社を伸ばそうというのはなかなか難しいことだと感じています。
理詰めで対策を考えていくと、指示命令することになり、社員はどうしてもやらされ感が大きくなります。
●ランキング発表
どうすれば会社を良くできるのかわからずに右往左往するなか、厳しい状況下でも、必ず上手くいっている社員がいることに気がつきました。
その社員を見つけるために、ランキングを出しています。
優れた成果を上げている営業にインタビューを行い、ノウハウを動画化しているのですが、これによりトップ営業のやり方を営業全体に共有することができます。
そのノウハウを取り入れていくと、急上昇してくる営業が現れる。
その営業マンに成果につながったポイントなど、また話を聞いてみる。
上手くいっている社員を見つけ続けています。
また、ランキング発表の際、「苦しんでいたBさんの業績が半端ない!頑張ってるね!」などと応援したり勇気づけたりしていくと、同じように売れていなかった営業が急上昇してくるということが起こっています。
営業だけに留まらずさまざまな部署で、良い結果を出している社員を探しています。
上手くやっている人のやり方を取り入れてみんなの良い結果につながれば、会社ごとハッピーになれると考えてのことです。
オンラン朝会ではこれらの他にも、より良く業務を行っていくための3つの委員会の報告、週刊MVP発表も行っています。
取り分けMVP発表には、私自身驚きの価値を感じています。
3.オンライン朝会に取り組み、実感していること
職種や役割は違えど、組織として達成したい目的はひとつです。
オンライン朝会での情報開示には、ひとつの目的に対してみんなが頑張っていることを社員それぞれに感じてほしいことと、全体のテンションアップの意図があります。
経営トップの興味・関心はどこにあるのか、業績が思うように上がらず怒っているのか。
そうではなく、自分たち社員を見て喜んでいるのか。
活躍をトップが喜んでいることで、社員のテンションは高まるでしょうし、実際に温度や行動の変化を感じています。
ちなみに、私自身もテンションを上げっぱなしで朝会に臨んでいます。
自部署のことだけではなく他部署の頑張りや、互いのブランドがどんな家づくりをしているかを知ることで、「ウチはどのブランドもセンスがいいよね」などと、社員が誇りを持ってくれるのではないかとも考えています。
社員は他の人が頑張っている情報を多々聞くことになります。
情報を開示すればするほど刺激を受けて、指示命令しなくても良い方向に動き出します。
役割が異なる部署でも影響を受けていることが見て取れます。
最近私が実感している効果のようなことに、以上のことがあります。
オンライン朝会で情報を開示・共有し、その情報に肯定的なメッセージをつけて社員を応援することが、良い変化につながっています。
そのため、今後はもっと情報を開示しようと考えています。
次回はオンライン朝会の鍵となる、週刊MVP発表について深堀りしていきます。
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ヤマチでの変容を時系列に沿って知りたい方は、こちらのシリーズをご覧ください。
第1話:オンライン朝会① DXって、このこと?!
第2話:オンライン朝会② 共有情報の中身(この記事)
第3話:オンライン朝会③ 週間MVP発表 社員成長の2つの法則
第4話:オンライン朝会④ 週間MVP発表がもたらす波及効果
第5話:オンライン朝会⑤ ランキング発表
第6話:社内での動画活用
第7話:部下育成は「自社流DX」で効果爆上がり
第8話:全社員を自主的に行動させる「行動量」の重要性
第9話:型化① 型づくりの経緯
第10話:型化② 3種類の型
第11話:型化③ トップとしての重荷が軽くなった!? 型づくりのメリットについて
第12話(最終回):9億円の赤字を回避し、業績2倍を実現した「3つの取り組み」とは
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Authorこの記事の著者

株式会社ジョンソンホームズ|常務取締役|グループ常務
川田 新平
ジョンソンホームズを陣頭指揮。企業ミッションの明文化、共有・浸透を図るとともに社員が輝き主体的に経営参加する組織づくりを通して、新たな成長軌道に導く。現在はグループで展開する多様な事業にコミット。社員皆をよくするために、毎月500名の社員の話を聴くことを自ら実行している。