社長が採用に関わるべき理由とは?会社説明会で語るべき3つのポイント
採用・育成
こんにちは。ヤマチユナイテッドの石崎です。
「採用は人事担当に任せているが、成果が出ない」
「自分が会社説明会に参加しても、何を話せば良いのかわからない」
こうした悩みを抱える中小企業の経営者は少なくありません。
少子高齢化で人材獲得競争が激化する今、採用はもはや「人事担当の仕事」というだけではなく「経営の最前線」。
社長が肝入りで取り組むべき、最優先の経営課題なのです。
そこで今回は、社長がなぜ採用に関わるべきなのか、その理由と具体的な関わり方をご紹介。
また、社長が会社説明会で必ず語るべき3つのポイントも解説します。
社長主導の採用が、中小企業の競争力を劇的に高める理由を知って、採用で差をつけましょう。
目次
採用難の時代に、なぜ社長が採用に関わるべきなのか
少子高齢化により働く人が減少し、中途採用・新卒採用ともに人材確保が難しくなっています。
せっかく採用しても定着しづらい状況も続き、大企業との賃金格差が再び広がる中、中小企業にとって採用環境はますます厳しさを増しています。
こうした採用難の時代だからこそ、社長が採用の最前線に立つ必要があるのです。
採用難は「人事の課題」ではなく「経営課題」になった
少子化と働き方の多様化により、「人が採れない」状況は一時的ではなく、常態化しています。
これまで「人事部門の業務」とされてきた採用活動ですが、今や経営者が戦略的に動くべきテーマに変わりました。
良い人材が入れば業績は伸び、組織は活性化します。
反対に、価値観の合わない人材を採用してしまうと、組織全体に悪影響を及ぼし、時間もコストも失われてしまいます。
つまり採用は、売上と同じくらい重要な「経営そのもの」。
だからこそ、入口である採用に社長が関わるべきなのです。
「採用力」ではなく「発信力」が企業を分ける
大企業と中小企業の差の一つは、「発信力」です。
大企業には長年培ったブランド力や知名度があり、特別な発信をしなくても一定の応募が集まります。
一方、中小企業は知名度が低いため、どれだけ良い会社であっても魅力が届きにくいという課題があります。
しかし、応募者が最終的に重視するのは、「何をするか」よりも「誰と働くか」。
有名企業であっても、実際に一緒に働く人に魅力を感じなければ入社の決め手にはなりません。
逆に、中小企業でも社長自らが積極的に発信し、会社のビジョンや仕事の楽しさや魅力、魅力や熱意、社長の人となりを伝えられれば、求職者の心は動きます。
大企業の社長が採用の現場に立つことは、ほぼありません。
中小企業は「社長が語る」という強力な発信力のある戦略を取ることで、採用市場での存在感を大きく高められるのです。
だからこそ、会社説明会には社長自らが出て、直接語ることが重要です。
社長が関わることで「採用」から「組織」が変わる
採用は「価値観採用」であるべきで、その価値観を最も明確に持っているのは社長です。
社長が採用・選考に関わることで、会社の価値観に本当に合う人材を見極められます。
価値観が合う人材は定着率が高く、組織文化を強化する存在になります。
逆に入社後に価値観のズレが生じると、本人も会社も不幸になります。
社長が採用段階で惹きつけ、見極めることで、ミスマッチを防ぎ、定着率・組織力を大きく向上させることができるでしょう。
また、将来の幹部候補を見抜けるのも、やはり経営者ならではの視点です。
右腕・左腕となる人材の見極めは、ほかの社員には委ねられない重要な判断でしょう。
見抜く事や見極める事は簡単ではありませんが、直接目で見て、直接期待をかけることは可能です。
その効果が大きい。
中小企業の競争力は「人材の質」で決まる
中小企業の最大の競争力は「人」です。
資本力やブランド力では大手に勝てなくても、「人材の質」では勝負ができます。
採用難の今だからこそ、「誰と働くか」を社長が決める採用へのシフトが、中小企業の生き残り戦略として欠かせないのです。
中小企業で社長は採用にどう関わるべきか
繰り返しになりますが、採用は人事部門の業務ではなく、経営の最前線。
社長が採用活動全体に関わることで、採用の質はもちろん、組織そのものが変わっていきます。
理念・ビジョンを言語化し発信する
会社の理念、存在意義、パーパス、会社の未来像をしっかりと言語化し、自ら熱く語ることが第一歩です。
社長が語るからこそ、理念は「単なる言葉」ではなく「メッセージ」として伝わります。
採用計画を決め、実行に参加する
どんな人を採りたいのか、なぜ採るのかをしっかりと決めることが重要です。
求める人物像を明確にし、価値観や行動特性にまで落とし込みます。
採用計画では、人事担当者から「どんな媒体を使うのか、採用の動線設計(応募から選考までの流れ)、インターンシップをどうするか」などの提案を聞き、その決定プロセスに社長もしっかりと参加することが大切です。
また、最終面接はできる限り社長が担当するのはもちろんのこと、可能であれば一次選考から社長や役員が関わることが理想です。
若手社員が一次選考を担当する場合、雰囲気だけで判断してしまうケースがあります。
「感じが良い」「優秀そう」といった印象で通してしまい、本当に優秀な「じっくり考えるタイプ」「控えめだが的確に回答できるタイプ」を見逃すこともあります。
社長・役員クラスが早い段階から採用に関わることで、会社の価値観に合った人材を適切に見極めることができます。
また、採用後も入社前・入社後の教育機会で価値観を伝える場に社長が登場することが大切です。
研修などで理念や文化を共有する場に社長が参加することで、新入社員の定着率は確実に高まります。
採用市場の現場感を経営戦略に生かす
採用活動を通じて得られる現場の情報は非常に貴重です。
「応募が減っている」「内定辞退が増えている」といった採用市場の変化を肌で感じ取り、働く環境の整備や事業設計に反映させましょう。
場合によっては、新人でも扱いやすい商品や売りやすいサービスの開発といった事業構築まで踏み込むことができます。
例えば、新卒でも即戦力化しやすい商品開発や研修体制の構築など、採用から逆算した経営戦略を立てることで、採用力はさらに高まります。
社長が採用の全てを担う必要はありません。
しかし、要所要所で関わることで採用の質が高まり、組織全体に良い影響が広がっていきます。
採用で差をつける!社長が会社説明会で話すべき3つのポイント
会社説明会に社長が登壇する際、何を話せば応募者の心を動かせるのでしょうか。
社長が会社説明会で話すべき3つのポイントと、それによって実現する「共感採用」について解説します。
社長が語るべきポイント①会社の存在意義
「何をしている会社か」よりも、「なぜこの事業をしているのか」を伝えましょう。
理念や創業の想いを社長自身のストーリーとして語ることで、応募者の共感を引き出しやすくなります。
切り口はいろいろありますが、まずはご自身の話から始めるのをおすすめします。
学生時代の経験、アルバイト、旅のエピソード、社会人になってどんな経験を積んできたかなど、身近な話を織り交ぜることで社長の人となりが伝わり、応募者との距離が一気に縮まるでしょう。
そこから、現在の事業につながるストーリーや理念などを端的に伝え、「この会社は何を大事にしているのか」を理解してもらうことが、共感採用の第一歩です。
社長が語るべきポイント②これからの未来
今後どこへ向かうのか、組織や事業の未来を明確に描いて伝えましょう。
「これからこんな会社にしていきたい」という長期ビジョンを語ることで、応募者は会社の成長と自分の成長を重ねてイメージできます。
大企業の場合は、ある程度組織が完成しており、新入社員は「歯車の一部」として役割を担うことが多い傾向です。
一方、中小企業の場合は、会社自体が成長・変化の途上にあり、社員一人ひとりの貢献が会社の未来に直結します。
「あなたの成長によって会社も大きくなる」「何でも挑戦できる環境がある」といった、中小企業ならではのダイナミズムと魅力を強調しない手はありません。
社長が語るべきポイント③求める人物像
経営者自身の言葉で「どんな人と働きたいか」を語ることは、ミスマッチを防ぐ上で非常に重要です。
例えば、「スキルより姿勢」「能力より価値観」といった、会社が大切にしているリアルな「人間観」を共有することで、ミスマッチを防ぐことができます。
ヤマチユナイテッドを例にすると、次のような言葉になるでしょうか。
「うちは事業拡大を思い切って進めていくビジョンなので、スピード感があり変化の多い会社です。チャレンジもどんどんしていくので、そこにワクワクできる方はとても居心地が良いと思います。ただ、変化を好まない方や現状維持を望む方には少し大変かもしれません。」
このような社長からのメッセージは、応募者にとって大きな判断材料となり、価値観の合う人材が自然と集まるようになります。
共感採用こそ、採用の効率と定着率を高める最短ルート
会社説明会で社長が上記3つのテーマを語ることで、応募者の「共感」を生む採用が実現します。
社長の言葉に共感した応募者だけが選考に進み、最終的に入社する流れができれば、採用の効率は飛躍的に向上します。
ミスマッチはお互いにとって不幸です。
会社にとっても、入社した本人にとっても、大きな負担や損失につながります。
だからこそ、社長が直接求める人物像を明確に語り、価値観や姿勢の部分で共感できる人材だけに来てもらうことが、採用効率や人材定着率を高める最短ルートなのです。
こちらのコラムでも、中小企業の採用活動のヒントをご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。
中小企業が採用で苦戦する理由は?採用力を高める多角化戦略で差別化を!
新卒採用を成功させる7つのコツ!採用担当の仕事内容や心構えも
社長主導の採用が中小企業に有利に働く理由
社長が採用の前線に立つことは、中小企業にとって大きなアドバンテージとなります。
大企業にはない「人間味」と「近さ」を武器に、優秀な人材を惹きつけられるからです。
中小企業ならではの強みを採用の場面でどう生かせるのか、3つの視点から解説します。
「社長の想い」で応募者の感情を動かせる
経営者自身の言葉には、人事担当の説明にはない「温度」があります。
会社の存在意義、社員への想い、未来への情熱。
これらを最も熱量高く伝えられるのは社長です。
人は論理ではなく感情で動きます。
給与や福利厚生といった条件面も大切ですが、応募者の最終的な入社の決め手は「この社長の下で働きたい」という感情です。
社長が直接語ることで応募者の心を動かし、「この会社で働きたい」という強い動機が生まれるのです。
さらに、会社説明会に社長が登壇すること自体が特別感を生みます。
大企業では人事部長が最終面接を担当することも多く、社長が採用現場に現われることはほとんどありません。
「あの会社の説明会、社長が直接出てきて熱く語っていた」
この体験は応募者の記憶に強く残り、口コミで広がっていきます。
これは中小企業の採用ブランドを強化する最も効果的な方法なのです。
「社長の言葉」が社員の誇りを育て、会社へのロイヤリティを高める
社長が採用現場で理念やビジョンを語ることは、応募者だけでなく、その場にいる既存社員にとっても社長の熱意や会社の意義、魅力を再認識する機会につながります。
社長スピーチをそのまま録画して、社内共有するのも良い方法です。
また、社長が採用に関わる姿勢そのものが、社内への「人を大事にする会社である」という強いメッセージとなります。
採用(人材)の重要性が社内に浸透するとともに、採用された社員も「自分も社長に選ばれた存在なんだ」という誇りを持つことができるので、ロイヤリティが高まるのです。
「人間味」と「近さ」が中小企業の最強の採用力
中小企業の採用において最大の武器は「人間味」と「近さ」です。
そして、その強みを最も体現できる存在が社長自身です。
大手企業では社長が採用現場に出ることはほとんどありませんが、中小企業であれば会社説明会で社長が自ら語り、応募者にストレートに思いを伝えられます。
「うちの会社に来てほしい」と社長から直接言われる体験は、大きなインパクトと信頼感を生みます。
社長が採用に時間とエネルギーを注ぐ姿勢は、それ自体が他社との差別化ポイントとなります。
その体験は学生同士の口コミや後輩への紹介などで広がり、「会社説明会に行ったら社長が直接説明してくれた」という「特別感」をつくります。
合同説明会における企業側のメリットや成功のポイントについては、「合同説明会の企業側のメリットとは?中小企業が成功するポイント」で詳しく紹介しています。
こちらのコラムもぜひご覧ください。
社長が採用に関わる優先順位
中小企業でも社長が採用に出られないケースはありますが、それは優先順位の問題です。
現場業務に追われているのであれば、むしろ業務を任せ、社長は採用を最重要課題として取り組むべきです。
その効果は非常に大きく、採用力の向上に直結します。
採用は経営そのもの!「誰と働くか」を社長が決める時代へ
採用は「人事の仕事」ではなく、「経営者が未来を描く行為」。
採用が難しい今だからこそ、「誰と働くか」を社長自らが決める姿勢が重要です。
社長が採用に関わることで理念が組織に浸透し、共感採用や採用後の定着率向上の実現につながります。
採用は、将来の事業の成長、組織文化の形成、そして会社の未来そのものに関わる重大な意思決定です。
また、採用には責任が伴いますし、法的にも解雇は慎重な対応が求められる時代です。
だからこそ、採用時点で社長が関わり、判断すべきなのです。
中小企業にとって、社長主導の採用は大企業にはない最大の差別化戦略になります。
「人間味」と「近さ」という武器を最大限に生かし、発信力で勝負する。
それが、これからの時代を生き抜く中小企業の採用戦略と言えるでしょう。
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Authorこの記事の著者
株式会社ヤマチマネジメント|取締役 |グループ執行役員
石崎 貴秀
1996年入社。営業課から国際課を経て、総務部チームリーダーへ。その後グループ経営推進会議事務局にて経験を積み、2009年(株)ヤマチマネジメントを設立、移籍。グループ管理本部の統括マネージャーとして采配を振るう。2017年(株)ヤマチマネジメント取締役就任。
連邦・多角化経営実践塾」の開塾にも携わり、2014年以降、第1期~現在までシステム経営のメイン講師として活躍。
入塾した企業約70社にシステム経営を指導してきた。現在はシステム経営のコンサルティングも担当。


