縦横斜めの連携がシナジーを生む!オンライン朝会がグループ経営の連携を強化
組織・給与制度
こんにちは、ヤマチユナイテッドの山﨑です。
コラムを読んでくださっている皆さんの中には、多角化による経営戦略をすでに進めている方がいらっしゃると思います。
事業の多角化は中小・中堅企業が規模を拡大していくのに非常に有効ですが、一方で、事業数、社員数がある程度まで増えてくると組織が縦割りになりがちです。
縦割り組織のデメリットとして「情報共有がスムーズに行われない」「縦横斜めの連携が取れずシナジー効果が生み出せない」などがあるでしょう。
それが多角化経営の足かせとなり、企業としてもう一回り、二回りも成長したいのに「なかなかうまくいかない」ということもよくお聞きします。
そこで今回は、ヤマチユナイテッドがグループ全社を対象として実施している「オンライン朝会(あさかい)」についてご紹介。
オンライン朝会は、縦横斜めの連携によりシナジー効果を生み出し、縦割り組織のデメリットを打開する仕組みの一つといえます。
グループ組織全体の目線合わせをされたい、情報共有をよりスムーズにされたいとお考えの企業様は、是非導入を検討されてはいかがでしょうか。
目次
- 縦横斜めの関係とは?グループ経営における縦割り組織の課題
- オンライン朝会で実現する「縦横斜め」の情報共有
- 成功するオンライン朝会の進め方とポイント
- オンライン朝会で情報共有し、縦横斜めの関係を強化することで多角化がスピーディーに
縦横斜めの関係とは?グループ経営における縦割り組織の課題
最初に、ビジネスにおける「縦横斜めの関係」と「縦割り組織」についてご説明します。
また、グループ経営における縦割り組織の課題と、その解決方法についても確認しましょう。
ビジネスにおける「縦横斜めの関係」「縦割り組織」とは?
基本的な「縦の関係」、つまり上層部から現場へ指示命令を伝える、あるいは現場から上層部へ承認を求めるなど上意下達、下意上達の関係は組織として構築できているところが大半だと思います。
しかし、部署や事業部、法人が複数ある企業の場合、「横の関係」でいえば隣のしていることがわからない、「斜めの関係」でいえば階層が違う相手とのやり取りが全くない...。
このようなことに心当たりはないでしょうか?
これがいわゆる「縦割り組織」です。
グループ経営における「縦割り組織」の課題は?
縦割り組織のままだと、例えば「ほかの部署や事業部、法人と協力して新しいことを実施しよう」と考えたとして、情報収集するにもどのような経路で、どのような依頼をしたら良いのかわかりませんし、隣の部署のちょっと役職が上の人に「話を聞いてみたい」と思ってもなかなか声をかけづらかったりするかもしれません。
どんなに事業を増やし、売上が上がっても、縦割り組織のままでは企業としての成長が頭打ちになるときが来るのではないでしょうか。
手前味噌ですが、ヤマチユナイテッドという組織に対して私が「良いな」と思うのは、身の回りに情報が溢れていて、事業部や法人をまたいで誰にでも話を聞きに行きやすい風土が形成されているところ。
「新規事業としてこれを実施してみたい」と考えたとき、同時に「あの事業部ではこんなことをやっていたな」「この情報はあの人が持っているはず」と頭に浮かぶので、社内リサーチなどの下準備に取りかかりやすいのです。
逆にいえば、情報を持っていないと何かしらの戦略、戦術を考える上でも自発的に新しいことを始めるのは難しく、経営層が社員に情報を与えない状態で「もっと主体的に動いてほしい」と願っても叶うものではありません。
もし皆さんが社員に対して「自分から何もしない」「やる気がない」と感じているとしたら、それは「やりたくない」のではなく「やれない」に近いのではないかと思います。
結局、ほかの事業部や法人のことがわからないままでは興味もわかないし、「自分の事業部・法人の業績だけ上げれば良い」と考えてしまうでしょう。
経営層の皆さんは全体を見ているから「社員にも同じ目線で全体のことを考えてほしいのに」とやきもきするかもしれませんが、その「目線」を育てるためにはやはり情報が必要です。
それがないと、経営者自身がすべての会議に出なければならなくなり、新規事業を始めるにしてもアイデア出しから実行、推進、指示まで逐一行わなければならず、どんなにパワフルな経営者でもどこかで背負いきれなくなります。
情報を与えることで社員もグループ全体を俯瞰して見ることができ、経営層と同じ目線に立てるようになるので、事業推進を任せやすくなる土台作りに役立つと、私たちは考えています。
多角化経営のデメリットとなる縦割り組織、セクト主義の払拭に役立つコラムがありますので、こちらもぜひご覧ください。
縦割り組織のデメリットを改善!セクト主義を防ぐ多角化企業の運営体制
オンライン朝会で実現する「縦横斜め」の情報共有
ヤマチユナイテッドが「縦横斜め」の情報共有として、グループ全社を対象に実施している「オンライン朝会」についてご紹介します。
ヤマチがオンライン朝会を始めたきっかけは?
ヤマチユナイテッドが「オンライン朝会」を始めたのは、ちょうどコロナ禍の頃でした。
オンライン朝会を簡単に説明すると「各部門の情報をまとめてライブ配信する取り組み」のことで、社員は自席で視聴することになっており、どうしてもタイミングが合わない場合にはあとで録画を見ることもできます。
朝会自体はだいぶ前からあって事業部単位で運営していたので、毎朝始業前にやるところもあれば、週1回、数十人から100人ほどを集めてやるところもありました。
また、ヤマチユナイテッドでは以前から情報共有の仕組みも整えています。
定性情報、イベント情報は社内SNSで発信し、会議の階層をきちんと設計することで経営層から下りてくる情報の報連相もしっかり伝わるようになっていて、月初には必ず全事業部の業績一覧が速報として出る仕組みが整っていました。
うちでは情報共有の下地は十分にできていたし、不具合もほぼなかったのです。
それが一変したのが、2020年に発生したコロナ禍。
対面の会議ができなくなり、それに伴って経営層の会議の内容を事業部の責任者が現場で部下に直接伝える機会もなくなりましたし、イレギュラーな環境が続くことによって不安を感じる社員も少なくないという状況に私たちは危機感を覚えました。
そこで、いま一度社員の目線を合わせ、短期間で一体感を取り戻せるような戦略推進が必須であると判断した結果が、グループ全社を対象としたオンライン朝会の実施です。
当社がコンサルティングしている企業様の中には「朝会ならうちでもやっている」というところは多いのですが、それでも「なかなかうまくいかない」と悩んでいるケースも多いようです。
社員数が20人、30人と増えてくると、全員が一度に集まるのは難しい場合もあるかと思います。
小規模の組織であっても、支店や店舗が本社と分かれている場合もあります。
本社は本社、店舗は店舗で業務内容が異なるのならコアタイムも異なり、互いに話をする機会がないということもあるでしょう。
そうなると定期ミーティングも全体ミーティングも設定しづらく、情報共有が難しくなってきますよね。
もちろんそこは上長がうまく伝えながら報連相を徹底することでもカバーできますが、会社、あるいはグループの全体像が見えるような話をする機会があるとより良いはずです。
オンライン朝会の設計のポイント
オンライン朝会の設計にあたって最も重視したのは、グループ全体の経営状況をいかに多くリアルタイムで伝えられるかということ。
コロナ禍による打撃は大きく、事業部によってはマイナスになるところもありました。
グループ全体の業績を上げようと考えると、そのマイナス分をほかの事業部に補ってもらうということも考えなければなりませんでした。
オンライン朝会を通じて、会社全体の情報を社員により早く正確に、かつリアルタイムに伝える。
そうすることで、社員一人ひとりが現状を把握し、「プラスの事業部が補えるところは補う」「マイナスの事業部は挽回するための力をためて計画を練る」といった作業に全社一体感を持って取り組んでもらうことが狙いでした。
他者と隔離され、ともすれば孤独を感じるような状況下でも、オンライン朝会を通じて「ほかの皆も頑張っているんだ」と実感することができます。
そして、ほかの事業部の業績を見て「ここはうちがフォローしなきゃ」「自分には何ができるだろう」と考えることができるようになったのは、大きなメリットだったと思います。
また、オンライン朝会は対面で行うわけではないので「社員が皆見てくれるのだろうか」という不安もあるでしょう。
実際、当社のお客様の中にも「見ていない人がけっこういるようだ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
でも「これを聞きに来れば良い情報がたくさんある」と社員に思わせることがとても重要で、むしろ「聞きに来ないと遅れを取る」という認識になってもらわないといけません。
形骸化を避けるためにも、重大な情報をいち早くここで流す、社員が「あれはどうだったっけ」と思ったときに朝会を聞きに来る、あるいは見返すと役に立つという設計にしておく必要があります。
ヤマチのオンライン朝会の配信内容は?おすすめの配信項目もご紹介
現在のオンライン朝会とは配信頻度や方法が少し変わりましたが、当時(2020年頃)の状況でいうと社員のボリュームゾーンが大きく2つに分かれていました。
住宅関連事業を展開する「ジョンソンホームズ」は月・金曜日、そのほか複数の事業部がある「ヤマチコーポレーション」は火曜日に、朝9時から30分間、Microsoft Teamsを使って、項目を設定して配信。
それぞれ当時の配信内容を参考までにお見せします。
皆さんが「これからオンライン朝会を取り入れてみよう」と思われるなら、以下のような項目をベースにした上で、上の図のように事業部・法人の業務内容によって追加項目を設定すると良いと思います。
トップメッセージ
現在の経営状況や年間目標に込める想いなど、数値データだけでなく、未来へ向けたトップからのメッセージや日々意識してほしいことなどを中心に発信してください。
インフォメーション
新店舗オープン情報やキャンペーン情報、その他社内の人事情報など全社員に向けて情報発信すべきことを想定しています。
事前に各部署から発信したい情報を集約しておくと良いでしょう。
業績進捗
各部署の最新業績を共有します。
売上、粗利益、経費、営業利益などを中心に発信しましょう。
そのほかに、売上個数や件数といった情報も盛り込むとよりわかりやすくなります。
行動進捗(KPI進捗)
事業部の達成目標に対し、重要指標とされるKPIを設定し、定期的にその進捗を追うことで確実に目標達成ができるようにしていくことを目指します。
各種ランキング
営業担当や店舗・支店などにおける売上や件数などをランキング化することで社員に気付きを与える材料とします。
営業スタッフのセールス件数もここで発表して良いのですが、できない社員を抽出するのではなく、あくまで良い取り組みを行なっている社員を見つけるという視点で発信しましょう。
顧客の声・クレーム報告
顧客から感謝されたことや、逆にクレームになってしまったことを日々共有することで社員の目線を上げます。
失敗したことを責めるのではなく、共有することで同じ失敗が起きにくい体制を整えましょう。
プロジェクト進捗
社内で動いている各種プロジェクトの進捗について報告する項目です。
いつ、誰が、どのような活動をしているかわかりやすく明文化することで、社員の間の情報格差をなくしていくことができます。
MVP表彰
各部署で良い取り組みをしている人を必ず週に1人以上表出することにより、選ばれた人自身のモチベーションをアップさせるだけでなく、周囲に気付きを与えるきっかけになります。
以上、すべての項目がすぐにそろわなくても、まずは始めてみることが大事。
私たちも、始めた当初はKPIが週次で出てくる体制がまだ整っていなかったり、お客様の声が随時上がってきてはいても集約・蓄積・共有するという体制になっていなかったりと、オンライン朝会を続けながらそろえていった項目もありました。
MVP表彰にしても、現場の責任者が部下をよく見て知っていかないと推薦することができないので、週次で報告できるようになるまでにはある程度時間が必要だと思います。
初めのうちは、週次で情報が発信されるのだと社員に理解してもらって習慣化することを目指し、トップメッセージやインフォメーションのようにすぐ発信できるものからやっていってかまいません。
オンライン朝会で発信する情報については「社内の情報共有は何からやるべき?会社全体に効果をもたらす情報BEST3」でも、ご紹介しています。
オンライン朝会のメリット
オンライン朝会はコロナ禍がきっかけで「情報共有による一体感の醸成」を目的にスタートしましたが、しばらくするともう一つメリットがあることに気が付きました。
それが「社員の考え・行動の変化」です。
組織が大きくなってくると、経営層は現場の業務を社員に任せ、自分たちにしかできない「さらに組織を広げていく」という仕事をしなければなりません。
現場に任せるのは良いことなのですが、一方で個人の裁量に任せている部分の差異も大きくなっていく恐れがあります。
成績を上げる人がいる一方で上げられない人もいて、ベテランだけが売れているということはよくあると思いますが、ここを脱しないと組織の成長にはつながりません。
だからといって、経営層がいちいち現場へ行ってどうなっているかと確かめるわけにはいかず、結果的に現場の業務はブラックボックス化してしまう。
ヤマチユナイテッドではこれを避けるため、「現場で何が起こっているか」「社員がどのように仕事に取り組んでいるか」「成績上位者はどのような工夫をして営業利益を上げているか」といったことが「自動的に上がってくる仕組みがほしいよね」という話をしばしばしていました。
そこで、オンライン朝会がうまく機能していることに気付いたのです。
うちはそもそもトップダウンで指示命令を出して社員を動かす社風ではないので、エンジンがかかる瞬間というのは、社員が自分で気付いて納得した上で自発的に行動し、その結果、物事が大きく動き出すものだという考え方。
それを踏まえると、自分以外の人が何をどうしているか知らないうちは「このくらいやっておけば良いか」という主観の中で仕事をしてしまうことも多いと思います。
しかし、オンライン朝会を聞くことで、業種・業態が違えど頑張っている人や工夫している人がいるとわかると活力になるし、「自分はこのままで良いのか」と社員自身が自分で考えるきっかけにもなっていたのです。
ほかの人が何をやっているのか聞けば聞くほど、また、成績上位の営業スタッフや間接部門のハイパフォーマーの取り組みを知れば知るほど、自分の立ち位置を意識するようになるし、目指すべきところを考えるきっかけにもなります。
その結果、良い取り組みを自分でも実践しようとする社員が増え、「これくらいで良いか」が「ここまでやらないと」という意識に変わっていったのです。
ヤマチが導き出したオンライン朝会の効果
これまでのことを踏まえて、ヤマチユナイテッドが導き出したオンライン朝会の効果をまとめてみました。
- 1人の社員が「何をどれだけ頑張っているか」が見えたことで「自分も頑張らないと」と周りの社員が呼応するようになった
- トップメッセージを通じて数字の捉え方や感覚を経営者と共有することによって社員の目線が一つにそろった
- 業績アップのために「やるべきこと」と指標を定め、社員一人ひとりの行動量が増えた
- 一体感が生まれて社員のモチベーションが上がった
- 毎週開催することで業績管理が必須かつ定期的に更新するものとなり、高速PDCA化が強制的に進んだ
成功するオンライン朝会の進め方とポイント
それでは、オンライン朝会の導入の流れを図でわかりやすくご紹介します。
成功するオンライン朝会のポイント
オンライン朝会を形骸化させず、意義ある取り組みとして継続していくためには、いくつか意識していただきたいポイントがあります。
「なぜやるのか」を経営トップの口から説明する
今までなかったものを新しく始める際には何でもそうですが、「このような経緯があり、このようなことを目的としてオンライン朝会を始めることにした」と、トップの口から全社員に説明してもらうのが最も効果的です。
うちはコロナ禍がきっかけだったので、トップメッセージの概要は次のようなものでした。
どの部署においても業績が厳しく、社員の皆さんも情報が少ない状態で不安も大きいはず。
しかし、会社として目指したい目標があるので、このオンライン朝会で情報を密に共有し、週次で皆さんにお届けすることによってグループ全体で一体感を持って達成していきたい。
また、良い取り組みをたくさん紹介するポジティブな配信を心がけるので、その取り組みを皆が真似して活用できるような状況を作りたい。
初回はもちろん、定着するまでは触りだけでも目的を繰り返し伝えていただきたいと思います。
限られた時間で要点を絞って伝えられる準備をする
オンライン朝会の配信は、あまり長いと発信する側も視聴する側も大変ですから30分程度、長くても40分までとするのがベスト。
これを超える分は、別の会議でやってきてもらうのが良いと思います。
オンライン朝会の30~40分という限られた時間の中で過不足なく情報提供をするためには、司会者となる人が事前に情報をインプットする場が必要です。
うちではグループ常務が司会を担当していますが、朝会の前に「情報共有会」を設定し、そこで各事業部・各法人の責任者が常務に向けてプレゼンするという形をとっています。
各責任者が共有したい情報の中にも濃淡があると思うので、「ここはさらっとでかまいません」「ここはちょっと多めに話していただきたいです」ということもあわせてお願いしています。
ここの濃淡を付けられる人、業績の背景に興味を持ってくれる人という意味でも、司会者は会社の状況や各事業部・各法人の業績、MVP表彰といった各項目を話していく際に感情移入してくれそうな人を選ぶと良いですね。
熱量が伝わる話し方をしてもらえると視聴する側も楽しく聞けるし、ほかの事業部・法人の熱意が伝わって「自分もやってみよう」と思考・行動の変化につながりやすいと思います。
結果だけでなく背景にも注目する
各種ランキングやMVP表彰の項目においては、背景も一緒に伝えるようにしましょう。
オンライン朝会の目的の一つは、社員に気付きを与え、視聴後に「何か自分で発信してみようかな」「自分でも何かやってみようかな」と思ってもらうことです。
普段の活動に反映できるような情報を発信することを意識して行なってください。
ずっと数字を読み上げているだけの配信では聞いてる方も飽きてしまいますし、意味がありません。
業績を発表する際も会社としての解釈を添えるのがポイントです。
このほか、MVP表彰に関しては会社として定着させたい指標を含めておくことも大事だと思います。
取り組みにしろ指標にしろ、「皆もこうしてほしい」という言い方をするより「こういうことをしてくれているのがありがたいよね」と、ニュアンスとして織り込んでいくほうが良いですね。
グループ全体の一体感をもたせる
部署ごとに縦割りの組織にならないよう、自分たちはグループで仕事をしているのだという意識付けを心がけた配信をしましょう。
具体的には、部署・法人の垣根を越えて協働した案件やシナジー効果を生み出しそうな情報を積極的に発信するということです。
項目がそろわなくてもまずは始めてみる
前の段落でもご紹介したのですが、全項目の配信の準備ができてからやるのではなく、できるところから始めてみましょう。
トップメッセージやインフォメーションはすぐにでも発信できるはずです。
2024年10月現在のヤマチのオンライン朝会の状況
ちなみに、2024年10月現在のヤマチユナイテッドでは、ジョンソンホームズとヤマチコーポレーションを分けることもなく、全社向けに月1回・30分のオンライン朝会を行なっています。
今まで週次でやっていたKPI進捗やMVP表彰、良い取り組みの発信は社内SNSで週次、あるいは随時共有という形に変更しました。
オンライン朝会は、共有する内容をより精査して、業績進捗、各事業部・各法人の決算予測、各委員会・プロジェクトの進捗、グループ全体の業績といった内容に。
ヤマチユナイテッドは「THE 100VISION達成」、つまり「2030年までに100事業を創出する」というグループ目標を達成するために全社一体となって取り組んでいるので、ここに注力した項目を加え、グループ全体に関わる制度変更や社内で促進されている新規事業立案の進捗状況などがオンライン朝会で共有されています。
ちなみにヤマチユナイテッドでは、2023年12月に警備事業「ASE(エース)」を創業。
そして、2024年9月に印刷事業「ACCEA(アクセア)」が立ち上がりました。
いずれも発想した段階で社内のニーズをつかみ、利益の試算までしてプレゼンに臨んだので割とスムーズに事業化されたのですが、オンライン朝会などで社内の情報共有がうまくいっているからこそ事業化が実現したものだと考えています。
グループ内のイベント事業や住宅事業には警備員のニーズがありますし、印刷物の発注は部署・部門を問わず日々行われています。
今まではこれらを外注していましたが、事前に「あの事業部では警備員を手配しているはず」と見当を付けて問い合わせたり、「印刷物の発注に毎月どれくらいお金をかけていますか?」と部署や階層を気にせず社内SNSを通じて気軽に聞けたりと、まさに縦横斜めの関係の連携が取れていることで発想やリサーチも問題なく進んだようです。
オンライン朝会で情報共有し、縦横斜めの関係を強化することで多角化がスピーディーに
事業の多角化が進んで社員数が増えてくると縦割り組織になりがちで、縦横斜めの関係でいえば「横の関係」や「斜めの関係」の情報共有が薄い、あるいはほぼないといったことが課題となります。
横の関係・斜めの関係の情報共有がうまくいっていないと、せっかく事業を増やしてもシナジー効果が生まれにくく、やがて企業としての成長も頭打ちになるでしょう。
オンライン朝会は、各事業部・各法人の情報を全員が共有することによって全社一体感を高め、社員が能動的に行動することを可能とする仕組みです。
オンライン朝会で情報を共有し、縦横斜めの連携を取ることでシナジー効果を生み出すことができれば、縦割り組織のデメリットを打開することができるでしょう。
例えば、うちでは社内で促進されている新規事業立案の進捗状況などがオンライン朝会で共有されています。
社内の情報共有がうまくいっており、部署や階層を気にせず社内SNSを通じて気軽に確認できるなど、縦横斜めの関係の連携が取れていることから発想やリサーチも問題なく進み、警備事業や印刷事業といった新規事業が実現しました。
もちろんうちではオンライン朝会以外にもさまざまな仕組みを用意しているので、それらがうまく機能しての結果ではありますが、「まずは目線合わせをして一体感を醸成したい」「組織の情報共有を上手に進めたい」という皆さんには、オンライン朝会を試してみることを強くおすすめします。
ちなみにヤマチユナイテッドでは、シナジー効果を生み出すのに効果的な「グループ連携会議」を月1回開催しています。
詳しくは、こちらのコラムをご確認ください。
シナジー効果を生み出す多角化企業の成長戦略!効果的なグループ連携会議の設計と運営方法
ほかの取り組みもぜひ知りたいという方は、ヤマチユナイテッドの経営ノウハウを丸ごと学べる「連邦・多角化経営実践塾」への参加をご検討ください。
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Authorこの記事の著者
株式会社ヤマチマネジメント|経営支援事業部 |営業推進チームリーダー・人財開発コンサルタント
山﨑 舞
人材総合サービス会社の営業部勤務を経て2018年(株)ヤマチマネジメントへ入社。前職では採用広告サービスの販売営業部で戦略スタッフとして企画・販促・アシスタント業務を担当。その際、元々取引先だったヤマチユナイテッドの社風やミッションに惚れ込み、転職を決意。現在は経営支援事業部で企画・運営を担当しつつ、営業推進チームリーダー兼人財開発コンサルタントとして活動。企業の新卒採用・育成を支援している。