社内の情報共有は何からやるべき?会社全体に効果をもたらす情報BEST3
KATAKA
こんにちは、川田です。
情報共有の重要性については様々な場面で語られる事が多いと思いますが、一口に情報共有と言ってもその内容は目標、業績進捗、課題、ノウハウ、タスクや今後のスケジュール、各部署から社員への情報...等多岐にわたります。
さらに、会社全体ですべき情報共有、事業部内、チーム内...等情報共有する範囲によっても、共有する情報の中身は変わってきます。
今回は数ある情報共有の中でも、会社全体で「これは共有して良かった!」と効果を実感した情報についてお話いたします。
目次
1.【具体例】当社の情報共有の方法と中身
当社では、コロナ禍になり、中々社員が集まり情報共有する場がなくなってしまったのをきっかけに会社全体で「オンライン朝会」というものをスタートしました。(オンライン朝会の内容・効果についてはこちら)
オンライン朝会では、週1回30分間、私がオンライン配信をし、全社員がそれを聞くという形で情報発信をしています。
配信動画は録画されるので、業務の関係上リアルタイムで見られなくても、いつでも好きな時に見ることができるようになっています。
発信する情報の中身は、会社の状況や必要性に応じて変化させてきたのですが、現在は以下の情報を共有しています。
▪業績
各事業部、部門、チーム、個人ごとの業績が分かるように情報を出しています。 また、営業であれば営業成績の進捗、内勤であれば生産性等、細かく業績進捗が追えるように数字を管理しています。
▪KPI
業績同様、各事業部、部門、チーム、個人ごとにKPIが設定されているので、その進捗情報です。 例えば、住宅営業であれば「次回商談率」「行動量(管理顧客へのアクション実績など)」、他店舗展開をしている介護部門では「各店舗の品質基準点数」...といった、業績につながる重要指標を追っています。
▪集客、広報関係
各事業部の集客情報や、イベントやCMなどの広報活動状況、SNSの活用状況等について共有しています。
▪契約、成果実績
住宅事業部であれば、契約情報やお引渡しをした物件情報、 イベント事業部であれば、どんなイベントを手掛けたのか、メディアに掲載されたのか 等、誰がどんな成果を出したのかを目に見える形で共有しています。
▪社内委員会、プロジェクト報告
社内委員会やプロジェクトの活動内容や進捗状況等を報告しています。 また、社員に協力を仰ぎたいことなどもここで発信しています。
▪MVP
毎週各部門から週間MVPを選出し、誰がMVPになったのかとその理由を併せて公開しています。
これらの情報はどれもやって良かったと効果を実感しているのですが、今回はその中でも特にやって良かったと思う情報を効果とともに3つ紹介します。
2.【共有すべき情報BEST3 ①】業績進捗
共有すべき情報1つ目は「業績進捗」です。
◎社員の当事者意識が生まれる
事業部別、部門別、チーム別、個人別と個人ベースまで細かく数字を公開することによって、社員一人ひとりに現状を理解してもらうベースが整います。
さらに、ただ数字を公開するだけでなく、会社としてこの数字はどのような意味を持つのか(良いのか、悪いのか、頑張っているのか、もっと頑張れるのか...等)をトップの私が解説やメッセージを加えながら共有することで、しっかりと現状を理解してもらうことができます。
この自分が置かれている状況を正確に認識することで、「自分の仕事はこのくらい貢献しているのか」と当事者意識やモチベーションにつながったり、「自分はまだこれしかできていないのか」と良い危機感を持つことにつながるといった効果があります。
◎社内の協力体制が生まれる
業績進捗では、会社全体の状況も知ってほしいので、あえて他事業部や他部署の情報も共有しています。
当社ではこれによって部署や事業部を越えた協力体制が生まれました。
3.【共有すべき情報BEST3 ②】KPI進捗
共有すべき情報2つ目は「KPIの進捗状況」です。
◎社員が自主的に動きだす!
KPIの進捗状況は業績とともに公開すると、業績とKPIの関係性が明確になり、とても効果的です。
ポイントは業績もKPI進捗も個人やチームベースなど、なるべく細分化して公開すること。
「業績の良い人、良いチーム=KPI進捗も良い」ということを数字で見せることで、KPIに対しての社員の納得感が高まります。
◎会社の状況を明確に把握できる!
これはトップとして効果を感じたことですが、KPI進捗を共有する体制を作ったことで、業績だけでは分からない本当の状況を把握できるようになりました。
例えば、業績の共有だけだと、
営業Aさん:0棟
営業Bさん:0棟
と一見同じ成績のように見えますが、ここに次回商談率(次の商談につながったかどうか)というKPI進捗が加わると
営業Aさん:0棟、次回商談率80%
営業Bさん:0棟、次回商談率20%
という風に同じ成績でも違いが把握できるようになります。
また、現場の社員としてもどこを改善すれば良くなるのかということが明確になりますし、KPIの数字が良い人に聞きに行く等、行動もしやすくなります。
4.【共有すべき情報BEST3 ③】週間MVP
共有すべき情報3つ目は「週間MVP発表」です。
このMVP発表は ①MVPに選ばれた社員 ②MVPを選んだ社員 ③それを聞いている周りの社員 ④会社 の4方向に効果があります。
①MVPに選ばれた社員:モチベーションアップ
これは容易に想像がつくとは思いますが、選ばれた社員は褒められることでモチベーションアップしてさらに頑張ってくれるようになります。
ただMVP社員の名前を発表するだけでなく、具体的に何が良かったのかも含めて褒めることで、社員の自信につながります。
当社ではMVPに選ばれた社員が数週間後に再度選ばれるという現象が起こりました。
②MVPを選んだ社員:部下を見る目が変わる!
週間MVP発表は、チームや部署のマネージャー(上司)がそれぞれ自チームのメンバー(部下)から事前にMVPを選出してもらい、選んだMVPと、その選出理由を情報共有会という場で報告を受けた私が、朝会で発表するという流れで行っています。
マネージャーがMVPを選ぶ理由は、数字だけでなく、日々の光る行動から、チーム・会社への貢献からなどさまざまです。
このように今でこそ幅が広がっていますが、当初は自分のチームから毎週MVPを選出するとなると、なかなか出すことができないマネージャーが続出していました。
なぜ、選べないのか。
情報共有会を続けていくと、上司は部下のことをきちんと見ていなく、さらに自分が部下に対して期待していなかったということに気づきました。
つまり、MVPの選出を「表彰する」という目的でしか捉えていなかったのです。
そうすると、数字など結果にのみ目が行きがちです。 自分は部下にどんな行動を望むのか、何を期待しているか。
期待を設定することで、部下一人ひとりの行動を気にするようになります。
そうすると、「期待に沿った動きをしてくれたから」「思いも掛けないことをしてくれたから」などと、MVPを選べるようになってくるのです。
選出を通して、マネージャーは結果ばかりでなくメンバーの動きをよく見るようになり、以前と比べて上司と部下の関係もよくなっていると感じます。
③それを聞いている周りの社員:社員が自主的に動き出す!
聞いている社員は、直接自分がかかわる業務なら「褒められていることを自分も真似しよう」「自分ももっと頑張ろう」となり、違う部署のメンバーの表彰に対しては「こんなに会社のためにやってくれているのか」と、感謝の気持ちや会社に対する自信をもてるようになります。
MVP発表が、聞いている社員を行動に駆り立てる刺激となっているのか、みんなの行動量や頑張り度がアップしていることが目に見えます。
これは、目標をクリアするためにどんな行動を取れば良いのかが明確になり、その行動の具体例が毎週更新されるため、高いテンションを維持して業務に当たることができているからではないかと思います。
④会社:ノウハウの蓄積が可能に!
MVP発表を取り入れることで、「そんなことまでしてくれていたのか!」「これは良い取り組みだ!」とこれまで知らなかった社員の頑張りが沢山見えてきました。
当社では良い取り組みをしている社員にインタビューをし、誰でもマネできるように研修動画を作成しています。
今まで属人化し、埋もれてしまっていたノウハウを蓄積できるようになり、これは会社としても大きな財産だと感じています。
5.まとめ
今回ご紹介した「業績」「KPI進捗」「週間MVP」はどれも業績に直結する社員の頑張りや動きを「見える化」することができる情報だと思っています。
ですので、ただ情報を見せればよいという訳でなく、「なぜそうなっているのか」という情報の背景も含めて共有することがとても重要です。
さらに、情報共有の仕方という部分にもポイントがあるのですが、これについては次回のコラムでお話ししますので、是非ご覧ください。
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Authorこの記事の著者
株式会社ジョンソンホームズ|常務取締役|グループ常務
川田 新平
ジョンソンホームズを陣頭指揮。企業ミッションの明文化、共有・浸透を図るとともに社員が輝き主体的に経営参加する組織づくりを通して、新たな成長軌道に導く。現在はグループで展開する多様な事業にコミット。社員皆をよくするために、毎月500名の社員の話を聴くことを自ら実行している。