"ダメな情報共有"に潜む落とし穴とは?

KATAKA

川田 新平
川田 新平

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こんにちは、川田です。

本日のコラムテーマは「ダメな情報共有の落とし穴」

手厳しい言い方ですが、これは私自身への戒めの言葉でもあります。

情報共有の様々なメリットに期待して実行してみたものの、思ったような成果を上げられていない。
社内も大きく変わった様子が見られない・・・。本当に意味があったのだろうか?

このような状況に共感できた方は、ひょっとすると、落とし穴にはまっているのかもしれません。かつての私もそうでした。

本日は、私自身の経験から"ダメな情報共有"の落とし穴についてお伝えできればと思います。

「情報共有」と一言でいっても色々ありますが、今回は業績に関わる情報の共有をメインにお話します。

情報共有について悩んでいる方の新しい気づきのきっかけになれば幸いです。

目次

  1. 情報を共有していたつもりでできていなかった!その理由は?
  2. 会社の状況・結果よりも公開すべき情報がある

1.情報を共有していたつもりでできていなかった!その理由は?

そもそも、ダメな情報共有とは、一体どのような情報共有でしょうか?

私の考えとしては、以下のようなものが挙げられます。

① 自分の話したいこと、伝えたいことしか共有しない

② 決定事項だけを共有して、その決定に至った背景を伝えていない

③ 指示命令をするだけで、「なぜそれをすべきか」を伝えていない

過去の私は、③のように指示命令をするだけで、「なぜそれをすべきか」を伝えていませんでした。

そのために「社員にとっては納得度の低い指示命令を出していた」と振り返っています。

社員には「どうして川田さんはこんなこというんだろう?」「でも言っているからやらなきゃ」と思わせていたことだろうという自覚もあります。

経営ボードで仕事をしていると、自分の会社全体、他の会社の状況、業界や情勢にも目を向けなければいけません。

物事は長期的な視野で考えなければいけません。

一方で、社員は現場の最前線にいるわけですから、リアルタイムで現場の細かい情報がどんどん入ってきます。

このように置かれている立場が違うことで、目の向くポイント、危機と感じるポイントも違ってくることでしょう。

先ほど述べた「ダメな情報共有」は、「情報を公開している=社員が全員、自分と同じ目線で物事を見ている」という勘違いから起きているものです。

自分(経営トップ)の指示がいかに理性的で正しいものだったとしても、現場からすると「急に言われた」「何のためにするのかわからない」という「わけのわからないトップの命令」が生み出されることになり、それでも上が言うのだからとりあえずやらなきゃ・・・という考えになります。

結果的に、意図を理解しないまま場当たり的な動き方をとってしまうのです。

では、このギャップを解消するためには何をすれば良いのか?

その答えは、情報量を揃えることです。社員にも、自分が持っているだけの情報を公開するのです。

実行の指示・命令をするときには、なにをすればよいかだけではなくその背景まで開示します。

バックグラウンドを知ることで社員たちもなぜ今その指示が出されているのかが明確になり、意図を理解した適切な対策と行動をとることが出来るようになるのです。

2.会社の状況・結果よりも公開すべき情報がある

情報量を揃えるために私が行っているのは「プロセスの共有」です。

例えば当グループの営業部門では、売上がでるまでの業務フローを整理し、特に重要な部分を指標化。

この指標の達成目標値を社員それぞれに与えました。

この指標の達成度合いは週次で管理し、帳票に起こして全体に共有します。

週次でも月次でも、業績を結果として共有するのではなく、フローや指標を見える化し、リアルタイムで共有することで、業績が推移するプロセスを見ることができます。

現場の社員たちも「なにがどうなって、このような結果になるか」「月の終わりはどうなりそうか」「どのような対策を打つべきか」といった具合に全体に目線が向けられるようになってくるのです。

また、プロセスを公開するときは帳票をもとに私なりの解釈も加えて説明するようにしています。

朝から30分、週次の業績進捗を私なりの解釈を添えて伝えるのです。全社員に向けてオンライン配信しています。

いわば"しゃべる業績帳票"といったところでしょうか。

例えば、現状の数値が良い結果なのか、悪い結果なのか。どこを見てそう考えているのか。仕方ない結果なのか、もう少し頑張れたのか...といったような"数字の捉え方とポイント"を付け加えるのです。

こうすることで、現場社員も注目するべきポイントがわかるようになり、トップと現場の間でも結果の捉え方が揃ってきます。

このように、業績結果が作られるまでのプロセスと結果の捉え方がわかることで、上から出される指示の背景がわかり、社員の中でも納得感が生まれるようになります。

今まではただ言われたことをやるだけだった社員も、納得感を持って動いてくれるようになりました。

インプットする情報が増えたことで、自ら対策を考えて動き出す社員も増えてくれるようにまでなりました。

私のところにも、「●●部の彼がこんなことをしてくれた」「自分で行動を起こしてくれて、こんな良いことが起こった」というような嬉しい報告をいくつも耳にするようになりました。

情報の捉え方とプロセスの共有をしてわかったことは、持っている情報の量、情報の捉え方さえそろえてしまえば、役職も能力も関係ないありません。

みんなが同じ判断をし、同じ行動が取れるようになります。

あれやれ、これやれ、といちいち指示命令を出さなくても、情報を得るだけでこんなにも自分たちで成し遂げてくれるものかと、今では社員のことをとても頼もしく思うばかりです。

大事なことなので、最後にもう一度言わせていただきますね。

「情報共有の落とし穴=社員と自分の目線の違いを考えず、結果だけを共有してしまうこと」

「真の情報共有は、数字がつくられるプロセスと捉え方を伝えること」

今回のコラムはいかがでしたでしょうか。

業績の情報共有にお悩みを抱える皆様に、少しでもお役立ていただけますと幸いです。


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