会議は言いっぱなしOK、聞き流してもOK

組織運営ノウハウ

山地 章夫
山地 章夫

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こんにちは、山地です。

私は「丸投げが社員を育てる」が持論ですが、今回のコラムは、会議も社員に「丸投げ」しようという提案です。

あなたの会社では議事録を作っているでしょうか。

その場で話し合って決まった決定事項はともかく、会議の場で出されたさまざまな意見やアイデアには、どのように対応していますか?

私たちの会社では、原則、対処を求めません。

言いっぱなしOK、聞き流してもOKです。

どうしてだと思いますか? そのわけをご紹介しましょう。

目次

  1. 社員の自主性を育てる会議とは?
  2. 問題解決も社員に「丸投げ」する!
  3. ワーク型会議が「横」の連携を生む
  4. 意見の交換が、グループ全体に価値をもたらす
  5. まとめ

 

1.社員の自主性を育てる会議とは?

社長が一方的に「あれしろ、これしろ」と指示を出す会議をしていたら、部下はやらされ感を抱き、自分から行動を起こさなくなってしまいます。

ところが、以前ご紹介したワークショップスタイルのワーク型経営会議を実施すると、参加者一人ひとりが自分の頭で考えて、気づきを得て、意見を言うようになる。

それが、社員の自主性を養うことにつながります。

そこで、当社のワーク型会議では、あるルールを設けました。

「言いっぱなしOK、聞き流してもOK」というルールです。

一般的な会議では、参加者から意見やアイデアが出たら、決裁者が「それでいこう」とジャッジして、いつまでに誰が何をするか行動に落とし込み、進行のチェックをしていくのが普通です。

そうしないと、言いっぱなしになってしまうからです。

ですが、当社ではあえて言いっぱなしをOKにしました。

参加者から「こうしたほうがいいのではないか」「これは問題ではないか」と指摘されても、当事者は「参考になりました」と言って、その場では聞き流してもいい、ということにしたのです。

2.問題解決も社員に「丸投げ」する!

「言いっぱなしOK、聞き流してもOK」なんて、会議の意味がなくなってしまいそうなものですが、問題ありません。

当事者の心に引っかかる意見や指摘であれば、自然と「確かにそうだな。これは何とかしないといけない」と思い、対策をとるものです。

つまり、会議を気づきの場とすることで、自主性を重んじているのです。

他の事業責任者から「これをやったほうがいい」と強制されたら、カチンときて「意地でもやらない」という感情になりがちです。

しかし、いったん自分の部署に持ち帰って冷静に考えれば「確かに一理ある」という指摘に対しては、必ず対策をとります。

これなら、やらされ感を排除することができます。

また、意見を言う方にとっても「言いっぱなしOK、聞き流してもOK」であれば、発言する心理的ハードルは低くなりますし、あとで自分の事業部について言い返されるという「仕返し」を恐れる必要もありません。

経営者がそれぞれの事業について「こうしたほうがいい」と的確な指示ができればいいのかもしれませんが、多角化していれば、それは現実的ではありません。

経営者はスーパーマンではないので、現場をすべて把握しているわけではありませんし、すべてに適切な解を用意できるわけでもありません。

現場の祉員に知恵を出し、解決してもらう必要があります。

要するに、社員に問題解決を「丸投げ」できるのです。

3.ワーク型会議が「横」の連携を生む

会議の参加者から積極的に意見が出るようになると、自然と横の連携がとれるようになります。

たとえば、次のような議論が展開されます。

Aさん「○○事業部は、前回の会議でも同じ課題を挙げていたと思いますが・・・」

Bさん「そうですね、私だったら、まずは大々的に商品PRをして損益分岐点に乗っけることを優先するかな」

Cさん「それなら、うちのマーケティングチームを貸しましょうか」

Dさん「イベントを仕掛けたらどうでしょう。うちのイベント事業部で安くやりますよ」

Eさん「今はフェイスブック広告だよね。すごく反応がいいから、うちの成功事例を試してみたら」

このように、さまざまな視点からアイデアが出てきますし、各事業の強みを活かしたアドバイスもできます。

事業部ごとの縦割り組織になっていて、横の連携の意識が低いと、このような議論には発展しません。

言いっぱなし、聞きっぱなしOKの「ワーク型会議」だからこそ、こうした積極的な意見が出てくるのです。

4.意見の交換が、グループ全体に価値をもたらす

当社のグループ経営推進会議で議論になるのは、だいたい業績アップや人の問題などです。

これらの課題は、どんな事業でも共通しているので、他部門の事業責任者の発想やアイデアは参考になることが多くあります。

たとえば、「人材募集しても人が集まらない」という悩みは、どこも共通していますから、他の事業責任者から「○○という媒体は効果があったから、試してみたら」といったアドバイスを共通できれば、グループ全体に価値をもたらします。

それぞれの事業部が強みを生かして、他の事業部の足りないところを補い合う。これこそ多角化の大きなメリットです。

5.まとめ

長い会議、回数の多い会議はムダといわれます。

効率化するために、「ああしなさい」「こうしなさい」と部下に指示だけしてしまう経営者もいるでしょう。

しかし、それでは社員は育ちません。

「どうすれば解決できるのだろう?」と自分の頭で考え、試行錯誤を繰り返すことによって、部下はビジネスに必要な思考力を鍛えることができます。

また、自分で導き出した答えやアイデアであれば、主体的に行動するようになります。

言いっぱなしも、聞き流すことも、一概に悪いことではないということをご理解いただけたでしょうか。

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