経営トップが社内でユーチューバーになったら社内の一体化が進んだ話
KATAKA
こんにちは。川田と申します。
ヤマチユナイテッドという、社員700名超えのグループ企業で常務をしているものです。
このコラムをお読みいただいている方のほとんどが、経営者・経営幹部の方と思われます。
中でも「会社の一体感の醸成」に何かしらの課題を抱えている方が多いのではないでしょうか。
私はマネージャー職について20年経ちますが、この20年間でグループの社員数は倍以上に増えていきました。
事業も増え、店舗も増え・・・かつてのような「つうつうなコミュニケーション」は難しくなっていることを実感していました。
そこに追い打ちをかけたのが2020年のコロナショック。
オンライン化・リモートワークでのコミュニケーション機会の損失が痛手となりました。
対話を大切にしている社風柄、社内での会議や集まりも多く、そうした社内のコミュニケーション機会が一気に無くなってしまい、社員の目線がバラバラになっていったことを感じました。
1.経営トップがユーチューバーに!?
「どうにかして、社員の目線を一つにできないだろうか」
と考え、当時は先行きが不安定な中で方向性も定まらない状況でしたが、「とにかく会社の危機であるという事実だけでも知って欲しい」と考え思いついたのが、自分がユーチューバーのように社内の状況をオンラインツールで発信しちゃおう!というアイディアです。
朝9:00から30分間、私が話すだけの動画を、社員はリアルタイムあるいは動画で全社員に共有します。
集合型の朝礼をオンラインで、ということで「オンライン朝会」と名付けたそのチャンネルは、私がユーチューバーのように、事業の週次進捗や週間のMVPを発表し、社員に期待することや日頃の感謝を伝えていきました。
(実際に使ったのはyoutubeではなく、オンラインツール「teams」の会議機能でした)
2.社内ユーチューバーの効果
この"社内ユーチューバー化"の一番のメリットは、普段は見えにくい社内全体の"頑張っている人"を見全社に共有することで、社内のモチベーションを上げることができたことです。
MVPの発表では、毎週各部門から頑張った人が選出されたものを私が共有します。
このメリットは、選出された人のモチベーションが高まることもそうですが、それを聞いた他の社員の認知が深まるという点です。
業務上、普段は中々関わりがないために
「たまに見かけるが名前を知らない」「会ったこともない」
そんな社員も当然社内にはいるわけですが、オンライン朝会のMVP発表では顔と名前、受賞理由すべてが公開されるために自然と
「あ、先週表彰されていた〇〇さんだ」「この人、よくMVPに選ばれている人だ」
と顔と名前が一致するようになるのです。
また、お互いがどんな仕事をしているのか、どのような大変な思いをしていて、それをどう乗り切っているのか...といった話をするために、表彰を通じて知ることによって部門間の理解が深まりました。
これは実際の話ですが、弊社では営業部門と管理部門の対立もなくなりました。
管理部の社員からは
「前まで営業部は敵のように感じていたが、営業の人も大変な思いをしていると知って考え方が変わった」、
営業部の社員からは
「管理部の人にきちんと感謝しなければと感じた」
といったような声が聞こえてくるようになったのです。
私自身も、MVPの選出を見て、知らないところで活躍している人が本当にたくさんいるのだと知りました。
それまでは、本当に一部の社員の活躍しか知らなかったのだと思い知らさせれました。
それと同時に、一人ひとりの社員のがんばりが本当にありがたいと心から思いました。
MVPの情報を配信することで、ひとつの目的に対してみんなが頑張っていることを社員それぞれに感じてもらえます。
"みんながんばっているんだ"と社員が知ることで、全体のテンションを上げることができるのです。
3. まとめ
ここで私が皆さんにお伝えしたい事は、経営トップのやるべきことは「とにかく情報を配信していくこと」だということです。
トップからのメッセージとして情報を包み隠さず発信してください。
なるべくこまめな頻度で伝えてください。
動画更新は、毎週が理想です!
そして何より、全員がテンション良く仕事をするために、なるべく沢山褒めてあげてください。
感謝も沢山伝えて下さい。
配信の場では、ポジティブにテンション良く、が特に重要です。
会社全体がテンション良く、活気づいてくるはずです。
会社の一体感を作り上げるには、なによりトップの姿勢が大切です。
みなさんもぜひ、「社内ユーチューバー」になってみてはいかがでしょうか。
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Authorこの記事の著者
株式会社ジョンソンホームズ|常務取締役|グループ常務
川田 新平
ジョンソンホームズを陣頭指揮。企業ミッションの明文化、共有・浸透を図るとともに社員が輝き主体的に経営参加する組織づくりを通して、新たな成長軌道に導く。現在はグループで展開する多様な事業にコミット。社員皆をよくするために、毎月500名の社員の話を聴くことを自ら実行している。