従業員満足度(ES)向上のための取り組み事例やメリットを紹介!
理念・社風
こんにちは、ヤマチユナイテッドの石崎です。
みなさんの会社の社員は、日々楽しそうに働いてくれているでしょうか?
職場環境、待遇、人間関係すべてに十分満足していると思いますか?
経営者には、従業員へ目配りする視野の広さも必要です。
「自分は社員のためにこれだけのことをやっている」と自負する人も、それが独りよがりにならないために、従業員の本音を聞くことの重要性を考えてみてください。
そこで、今回は「従業員満足度(ES)」を向上させる取り組みについてのお話です。
従業員の満足度を高めるメリットや、従業員満足度の測定方法、従業員満足度を高めるポイントなどについて、当社の取り組み事例も紹介しながら解説していきます。
目次
- 従業員満足度(ES)とは?ES向上を目指すメリット
- 従業員満足度(ES)を測定する「モラールサーベイ」の実施方法
- 従業員満足度(ES)向上を目指すためのポイント
- 従業員満足度(ES)向上のメリットを知り、取り組み事例も参考にしよう
従業員満足度(ES)とは?ES向上を目指すメリット
従業員満足度(ES = Employee Satisfaction)とは簡単にいうと、従業員の企業に対する総合的な満足度のことです。
満足度に関わる要素としては、仕事の内容や働き方、労働環境のほかにも、給与や報酬、福利厚生などといった待遇面も含まれます。
これだけ見ると、従業員が企業や働き方に対して単純にどれだけ満足しているかを示すだけの指標のように思いますよね。
しかし、従業員満足度(ES)を測って高めることには別の目的やメリットもあり、業績UPにつながる重要なカギとなってきます。
従業員満足度(ES)を高めるメリットについて見ていきましょう。
メリット①社員のモチベーションが向上する
社員の会社への満足度が高いと、組織に対して愛着を感じたり、ポジティブな気持ちで業務に取り組めたりするようになります。
仕事へのモチベーションやパフォーマンスも向上して、生産性が上がることが期待できるでしょう。
また、職場環境が整っていると離職率を下げることにもつながるため、優秀な人材を定着させることができ、穴を埋めるための採用活動にコストや時間を消費する必要もありません。
社員のモチベーションが低い会社の中には、「給料を上げてやったのに」「ボーナスも出しているじゃないか」と金銭面での待遇を重視する経営者もいるかもしれません。
しかし、お金に対する人の欲求は青天井ですので、ただ待遇を上げるだけでは従業員満足度も業績もアップしない可能性があります。
一方、みんなで会社を良くしていく、そこに自分も関わっているという充足感があれば、モチベーションUPにつながり、しっかりと従業員満足度に反映されます。
従業員満足度を測る調査などを通して自分の意見や提案が受け止められ、それをもとに経営計画が見直されたとしたら、これはもう職場での成功体験。
その従業員は、その後も会社をより良くしようという目標ができ、向上心を持って業務にあたり、結果を出してくれることでしょう。
メリット②顧客満足度が向上する
日本では一般的に従業員満足度(ES)よりも「顧客満足度(CS = Customer Satisfaction)」が重要視される傾向にありますが、当社の方針はむしろ逆です。
確かに顧客満足度は大切ですが、私たちとしてはESとCSの2つが同等もしくは従業員満足度(ES)のほうが優先されると考えています。
どんなに良い商品を売っているとしても、それを提供する私たちが不幸せそうに見えているなら、顧客満足度はお客様に購入していただいた品物の価値の分しか上がりません。
従業員が楽しく働いていて、仕事にやりがいを感じている状態であれば、良いアイデアが浮かぶなど何らかの形で業務に反映されます。
それが付加価値となってお客様のさらなる満足につながると考えています。
メリット③企業の問題点が明確になる
従業員満足度は、社員の満足度に影響する給与や就業時間などの待遇から、職場環境や人間関係、仕事のやりがいまで、広い範囲にわたって多面的に測定するのが一般的です。
当社でも定期的に調査を行い、数値的な結果だけでなく、社員の意見もあわせて吸い上げています。
これによってわかることは、単に「従業員1人1人がどれだけ満足して働いてくれているか」ということだけではありません。
辛辣な意見や、経営陣からすると意外に思える不満が寄せられることも多々ありますが、それこそが大事なポイント。
会社が抱えているリアルな課題が浮かび上がってくるからです。
例えば、人間関係がうまくいっていない様子が見受けられれば、上司や部署内あるいは部署間のコミュニケーションも取れていないかもしれない。
仕事量に不満があるという結果が出れば、残業が多いのか、それとも個人にかかる負担が大き過ぎるのか、いずれにしても対策を講じる必要があります。
課題が一つもない会社などないでしょうし、現在頭を悩ませている問題があるならなおさら、従業員満足度を測ることで解決策を導き出せる場合も多いと思います。
メリット④会社の業績が上がる
従業員満足度が高く、社員のモチベーションや生産性が良い状態でキープされていれば、自然と会社の業績も上がります。
ポジティブな気持ちで業務をしていれば良いアイデアも出てきますし、業績がアップすることで社員に還元できることも多くなるため、さらに従業員満足度が向上するでしょう。
このような好循環を生み出すことで、現在の主力の事業の業績をアップさせるだけでなく、新規事業にも着手できるようになり、多角化経営を軌道に乗せやすくなります。
メリット⑤社長が経営を楽しめるようになる
経営者のみなさん、日々の経営を楽しめていますか?
1人で多くのことを抱え込んでいませんか?
当社の社長がまだ専務だったころ、すでに複数の事業を展開しており、一人であらゆる業務を背負って大きなプレッシャーを抱えていたのだそうです。
それがあるとき、「良いことも悪いことも、幹部や社員を巻き込んで分かち合っていかないと会社は育たない」という気付きの機会を得ることがありました。
それから今のように社員1人1人が経営に関わっていくというスタイルに転換し、社長自身も「経営」そのものを楽しめるようになっています。
従業員満足度(ES)を測定する「モラールサーベイ」の実施方法
私たちの経営方針で大きな部分を占めるのは「社員が充実した気持ちで楽しく働くこと」。
そのためには経営幹部がそれぞれの意見や要望に耳を傾けなければなりませんが、組織が大きくなればなるほど距離が開き、現場の声は届きにくくなります。
このような場合は、ぜひ「モラールサーベイ」を活用してみてください。
実際に従業員満足度を測定する方法として、当社では「モラールサーベイ」を導入しています。
モラールサーベイを簡単にいえば、社員を対象に会社の印象を問うアンケート調査です。
「モラール(morale)=士気」「サーベイ(survey)=調査」というわけで、日本語ではそのまま「士気調査」あるいは「従業員意識調査」「従業員満足度調査」と呼ばれています。
設問項目の設定準備や結果の分析は専門の調査会社に依頼することもできますが、当社では十数年前から独自の調査票を作成し、分析も社内で行っています。
従業員満足度を測る「モラールサーベイ」の導入方法や実施のステップについて具体的に見ていきましょう。
実施ステップ①調査票の項目作成・配布
当社のモラールサーベイの調査票では、1~5段階であらゆる観点から会社を評価してもらいます。
会社に対しての意見・要望・提案などを自由に書き込む欄のほかに、各項目に対して「なぜその点数を付けたのか」を記入するスペースも設けているのもポイントです。
私たちのやり方としては、調査のタイミングは年に1回で、アルバイトや派遣社員を含む全従業員を対象に調査票を配布しています。
実施ステップ②集計と精査
全従業員分を回収したあとは集計とともに気になるコメントをピックアップし、幹部会議にかけて精査します。
この調査で大切なのは、すぐに対応できる問題にはなるべく早くメスを入れること。
回答者には必ず名前を記入してもらっているので、問題が起きていると感じたら個別に面談し、より深く具体的に改善策を探ります。
実施ステップ③施策を実行
調査結果をもとに、具体的な施策に落とし込んで改善できることはすぐに実行しましょう。
特に要望に関しては、給与賞与をはじめ環境整備や人員増補などお金のかかることが多数を占めます。
その際は会社の経営状況、経済状況といった背景をオープンにすることで納得の度合いも変わります。
また、「要望を実現するためには利益を上げなければいけない」ということが理解できれば、各自のなすべきことを見直す機会ともなります。
もしすぐには手を付けられない問題や要望が出てきた場合は、「なぜ今できないか」を従業員にきちんと説明してください。
そうすれば社員は「書いたことに対してリアクションがあった」という手ごたえを感じ、モラールサーベイを実施する意義が認められるはず。
モラールサーベイによって会社に対する評価や意見が幹部へ直接届き、リアクションも返ってくるとなれば、従業員1人1人に「経営に参加している」という意識を持たせることができます。
もう少し後で詳しく書きますが、この当事者意識が従業員満足度をUPさせるポイントなのです。
モラールサーベイについては「モラールとは?モラールサーベイのメリットや活用方法も解説!」でより詳しくお話しています。
興味のある方はぜひこちらにも目を通してみてください。
従業員満足度(ES)向上を目指すためのポイント
従業員満足度をアップさせるポイントは、社員に「経営に参加している」という当事者意識を持たせることです。
当事者意識が備われば、日々の業務に取り組む姿勢も積極的になってよりよい結果を生む。
そうして得られた利益は従業員に還元され、いっそうやりがいを感じて仕事に励む...このような「善循環」に入れば、業績は必ず上がります。
実際に、過去十数年間実施してきたモラールサーベイの総合点数が年々上がるにつれて当社の業績も上がっており、確実に双方がリンクしていることが見て取れます。
従業員満足度(ES)向上のメリットを知り、取り組み事例も参考にしよう
従業員満足度(ES)とは、社員の企業に対する総合的な満足度のこと。
仕事内容や働き方、労働環境、給与や報酬、福利厚生など、さまざまな面を評価して測定されます。
従業員満足度(ES)を上げるメリットは、社員のモチベーションを高めたり、顧客満足度が向上したり、企業の問題点を明確にできること。
こうなると自然と会社の業績は上がり、社長も経営を楽しめるようになるでしょう。
従業員満足度(ES)を測定するには「モラールサーベイ」がおすすめ。
モラールサーベイは、社員の企業に対する考え方について相当な量の情報を得ることができるツールです。
結果を見て分析する側としては「自分たちのことがどんな風に書かれているだろう」と、正直怖くもあります。
実際にはボロクソに書かれたり、思っていたより点数が低かったりすると落ち込むこともあるでしょう。
ですが、普段なかなか聞けない本音が聞ける貴重な機会といえます。
そしてそこから浮き彫りになる課題をクリアしていくと業績UPにつながるということは、当社のこれまでの実績が物語っています。
みなさんもモラールサーベイを取り入れて、従業員を全員、経営に巻き込んでみてはいかがでしょうか。
ヤマチユナイテッドでは100VISIONの経営会議視察ツアーなどといったセミナー・イベントを開催しています。
ぜひ運営の参考にチェックしてみてください。
SHARE! この記事を共有する
Authorこの記事の著者
株式会社ヤマチマネジメント|取締役 |グループ執行役員
石崎 貴秀
1996年入社。営業課から国際課を経て、総務部チームリーダーへ。その後グループ経営推進会議事務局にて経験を積み、2009年(株)ヤマチマネジメントを設立、移籍。グループ管理本部の統括マネージャーとして采配を振るう。2017年(株)ヤマチマネジメント取締役就任。
br>
「連邦・多角化経営実践塾」の開塾にも携わり、2014年以降、第1期~現在までシステム経営のメイン講師として活躍。
入塾した企業約70社にシステム経営を指導してきた。現在はシステム経営のコンサルティングも担当。