入社前から新人の自主性を育てる、内定者研修のススメ

社員が育つノウハウ

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多角化を進めていくにあたり、新卒の「採用」と「教育」は避けて通ることはできません。

特に「教育」については、「入社後」の研修だけでは不十分。

即戦力で活躍するためには「入社前」の研修も大切です。

だからといって、学生に過大な負担をかけるのもいけません。

当社で行っているのは「内定者に任せる研修」です。

自主性を育み、社員とのコミュニケーションも深まる研修プログラムをご紹介しましょう。

目次

  1. 内定者研修のススメ
  2. ポイントその1:内定者を束縛し過ぎない
  3. ポイントその2:内定者同士「蜜」なコミュニティーを構築してもらう
  4. ポイントその3:会社・業界の理解を深めてもらう
  5. 社員も内定者に興味を持つべき
  6. まとめ

 

1.内定者研修のススメ

当社が行っている「内定者研修」で大切にしている点は、以下の3つです。

(1)内定者を束縛し過ぎない

(2)内定者同士「蜜」なコミュニティーを構築してもらう

(3)会社・業界の理解を深めてもらう

それぞれの理由と手法について、詳しく解説していきましょう。

2.ポイントその1:内定者を束縛し過ぎない

当社の内定者研修は、10月よりスタートし、2カ月に1回、計3回実施しています。

以前は月1回実施していたのですが、内定者はこの時期、卒業論文などの課題や卒業旅行に向けたアルバイトで大忙しです。

毎月のように集合させ、課題を出して......としていると、会社からどんどん気持ちが離れてしまいます。

4月に気持ちよく入社してもらうためにも、ある程度の「自由」がとても大切です。

とはいえ、内定者の様子は常に知りたい。辞退させないためにも会社に来る頻度を増やして、社員と接触させたいと思う経営者もいるかもしれません。

当社も以前はそうした不安を抱えていました。

その不安を解消するために、当社が課しているのは、内定者「自身」で考える課題です。

進める頻度や打ち合わせの回数などは、内定者が考えて決めます。

自分たちで決めるのですから、不満も出にくい。

そのうえ、自責思考や自立心を養ってもらうことにもつながります。

では、自責思考や自立心を醸成する研修とはどんなものでしょう?

それが内定者研修のポイントその2、内定者同士「蜜」なコミュニティーを構築してもらう、と関係してきます。

3.ポイントその2:内定者同士「蜜」なコミュニティを構築してもらう

当社では、内定者研修の中で「JOB HUNTING」というプログラムを実施しています。

これは、現大学3年生向けの就活イベントを、内定者(大学4年生)に企画・運営してもらうというものです。

直近で就職活動に取り組んできた経験を活かし、来年就職活動を控えた後輩に、

就活でのポイントや対策を伝授するという意味合いがあります。

ルールとして、事務局側からは次の4点を提示しています。

・内定者同士協力して、イベントを成功させる。

・イベントの企画から集客、当日の運営まで、すべて内定者のみで行う。

・アドバイザーとして昨年度の経験者を各チームに2人つける。

・集客目標は100名。

このルールをもとに、2カ月間でイベントを組み立てます。

運営の方法としては、次のような手順になります。

(1)企画書の作成

内定者をいくつかのグループに分け、フォーマットをもとに企画書を作成してもらいます。その際、アドバイザーの先輩社員が添削を行い、先輩社員→採用担当の順で承認が下りれば、実際の準備に進んでもらいます。

(2)集客の獲得

学生を呼ばなければ実施できないので、SNSや大学のゼミナールを通して周知していき、参加者を募ります。例年、この段階でつまずくことが多く、一番ぶつかり合いが起きる部分でもあります。そうした壁を乗り越える中で「仲間感」や「チームワーク」を醸成していきます。

(3)リハーサル

リハーサルは、チームによってまちまちですが、1週間前くらいから本社で取り組みます。ここでも社員が口出しをすることはなく、自分たちで机のレイアウトや受付から案内への流れ、必要な備品など、リハーサルを通して調整していきます。

(4)イベントの開催

参加者へのメール配信や会場の掃除、お菓子や飲み物などの準備など、当日の朝まで準備が必要です。この時点までくると、ほとんどの内定者は自発的に自分の仕事を探し、てきぱきと動けるようになります。

終了後には、

・全体、各チームの振り返り

・アンケートの集計

・次年度への引き継ぎ事項

などを話し合い、自分たちの学びとしてしっかりと刻んでもらいます。

全てが終了した後には「懇親会」をセッティングします。

そこには、アドバイザーとして入った先輩社員のみが内定者と共に参加し、企画や運営についてフィードバックするのです。

ここでしっかりと褒めることで、頑張った成果が成功体験として内定者自身に定着していくことでしょう。

もちろん内定者だけではなく、このコミュニティ構築の過程で関わる社員全ての成長が見込めます。

4.ポイントその3:会社・業界の理解を深めてもらう

内定者研修では、会社・業界の理解を深めてもらうことも重要です。

そこで2018年度は「SHINEインタビュー」というプログラムを実施しました。

タイトルは輝くという意味の「SHINE」と「社員」を掛けた、ダブルミーニングになっていて、内定者にバリバリ活躍している、輝く先輩社員のインタビューをしてもらうというものでした。 

インタビュー先は、若手から中堅クラスでバリバリ活躍している社員を内定者にランダムでペアリングします。 

内定者はその社員にインタビューを行い、ヒアリングした内容をパワーポイントでまとめ、他の内定者へプレゼンするのです。

忙しい先輩社員にアポイントをとるところからスタートしますから、ビジネス文書や電話対応などビジネスマナーを実践で覚える機会になります。

プレゼン本番には、インタビューを受けた側の社員もサプライズで呼び、発表を会社全体で見守ります。

内定者は人前で話すトレーニングができるほか、他の人の発表を聞くことで、業界や企業・事業部の理解を深めることができるでしょう。

5.社員も内定者に興味を持つべき

このインタビューのメリットは3つあります。

・内定者と社員が蜜に交流できる。 

・入社してからの仕事や事業部を明確にイメージできるようになる。 

・社員が内定者に興味を持つ。 

私は特に3つ目が大切だと考えています。

どんなに内定者の向上心が高くても、受け入れる側が冷めていると、そこにギャップが生まれてしまうからです。

キラキラと目を輝かした内定者に、仕事や事業部について質問されれば、社員も悪い気はしないでしょう。

質問項目のいくつかは事務局側で指定しますが、こちらの思惑が少々隠されていて、「一番の成功体験を教えてください」「輝く社員になるためにはこれが必要!」など、社員側がばっちりと自慢できる項目を入れています(笑)。

こうした企画には内定者のモチベーションだけではなく、社員側のモチベーションを上げる施策を含めることが重要です。

6.まとめ。

当社では内定者研修に毎年違った仕掛けを考えています。

もちろん労力も時間もかかりますが、内定者が入社後にスムーズに会社に馴染んでいく様子を見れば、必要な研修だったと理解できるはずです。

なにより大切なのは、事務局の「情熱」です。

どれだけ真剣に、どれだけ時間をかけられるか、そこに尽きると思います。

内定者が互いに協力し合い、さまざまな課題に向き合うプロセスを経て、真のチームワークが築かれ、入社後につながる良い活力が生まれるはずです。

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