ヤマチ流デジタルトランスフォーメーションを公開 ~型化③ トップとしての重荷が軽くなった!? 型づくりのメリットについて~
KATAKA

こんにちは、川田です。
「型」シリーズ最終回の本コラムでは、「型が出来た経緯」「3段階の型」に引き続き、型が当グループにもたらしてくれたメリットについてお伝えできればと思います。
▼「型」シリーズの振り返りはこちらから
「型」コラム①を読む
「型」コラム②を読む
目次
1.経営を、楽に考えられるようになるなんて...
まず、はじめに。
今回のコラムで私が一番みなさんにお伝えしたいことは、型を作るようになってから、それまで抱えていたトップとしての重荷が無くなり、本当に楽になったということです。
2年前は「コロナでも過去最高益!」と宣言したものの、それ以前も業績が停滞していた事業部もあったりで、自分が本当に会社を立て直せるのかと正直なところ不安でいっぱいでした。
しかし、この「型」の発想を実現し、オンライン朝会や動画の活用と組み合わせることで、
「自分のすべきことは、答えを考えだすことではなくて、社員の成功事例を発見して共有だったのだ!」
という考えに至り、気持ちがとても楽になりました。
以前から多くのセミナーに参加し、もっと良いマネジメントの方法がないかと模索していましたが、結局この方法が良いのだと知った今は、経営をもっと楽に考えられるようになりました。
2.社員がすぐに動き出せる環境を整えられた喜び
これまでは、できる人は大きな成果をあげ、できない人は伸び悩んでいく・・・成果を残すことができるかどうかは個人のセンス頼み。
職種にかかわらず、これが社内の常識になっていました。
少し過激な例えですが、「採用はくじびき」ともいえる状況でした。
部門で採用した社員が、丁寧な教育をしなくても自力で勝手に育っていってくれたら「当たり」ということです。
育成の手段がない環境のために、磨けば光るのに伸び悩んでいく社員をどんどん増やしてしまいました。
それでも、成果を上げている社員の成功事例を「成功するやり方」として型にして全員に共有したことで、誰でも成果を出すことができることができました。
伸び悩んでいた人は、成果を上げられるやり方を知らないだけ、ということに気が付いたのです。
型化によって業務のやり方やフローの成功例を全員で統一することで、全社員の業務レベルの均一化をはかることができました。
加えて、フローごとのこなすべき量、達成すべき質を明確にして見せることで、社員は成果をあげるために何を頑張れば良いのかがわかり、迷わず動き出すことができるようになります。
さらに、マネージャーのマネジメント方法も型化して、ベテランも新任のマネージャーもマネジメントの質を担保することができます。
ひとつひとつの業務からマネジメントまで、社内のあらゆる業務を型化することで誰でも迷わず業務にあたることのできる環境を作ることができました。
(詳しくは、型コラム②でお話しています)
私がトップとしてやるべきことは、社員に見本や正解を見せてあげることではなく、成功事例を探して型にするだけ。
それで社員全員が迷わず動き出すことができる。
このことに気がついてから、マネジメントを楽に考えられるようになりました。
3.事実に基づいた戦略が立てられるようになった
型を作ることができ、経営の戦略や対策についても以前より楽に考えられるようになりました。
以前から私は社員の話を自分で聞くことを心がけていました。
それだけでは私のところには社員一人ひとりの主観に寄った情報が集まってくるようになってしまいました。
結果、打った対策が本来打つべきものとは全くかけ離れたものとなってしまったという、苦い経験もありました。
しかし、今回、型をつくる過程で、数字があがるまでのフローで、追うべき指標(現状でボトルネックになっている部分、業績アップに直結する部分)すべてに基準を設定し、その達成度合いを可視化、全社員に共有しました。
毎週計測を続けているので、常に事実が明らかになるのです。
このような仕組みを作ったことで、
① どの指標を追えば良いのかが社員も幹部も明確になった
② 月ごとの業績進捗の精度が向上し、さらには次月・次次月の状況までを見通すことができるようになった
③ そのたびに的確な対策を講じることができるようになった
このようなメリットを得ることができました。
社員の話に耳を傾けることももちろん重要ですが、加えて事実を明確に把握することが出来るようになってくると、戦略の立て方が全く変わります。
事実を真摯に受け止めることが大事なのだと、そしてその事実を全員で共有することができるようになって本当によかったと、心から思っています。
以上が、「型」によって得られたメリットになります。
型は組織ごと固有のものであり、弊社の事例はあくまで弊社だけに効果的だと考えていますが、すべての業種・業態・会社で「型」はつくりだせると考えています。
そして、型化をすることで、きっと経営者・経営幹部の皆さんの気持ちが軽くなると信じています。
ぜひ、ご自分の組織に置き換えて考えていただけると幸いです。
次週は、これまでご紹介した弊社の「オンライン朝会」「動画活用」「型」を掛け合わせ、さらに大きな効果を生み出してくれたことについてお伝えします。
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【コラム】ヤマチ流デジタルトランスフォーメーションを公開 は毎週金曜日に連載中!
ヤマチでの変容を時系列に沿って知りたい方は、こちらのシリーズをご覧ください。
第1話:オンライン朝会① DXって、このこと?!
第2話:オンライン朝会② 共有情報の中身
第3話:オンライン朝会③ 週間MVP発表 社員成長の2つの法則
第4話:オンライン朝会④ 週間MVP発表がもたらす波及効果
第5話:オンライン朝会⑤ ランキング発表
第6話:社内での動画活用
第7話:部下育成は「自社流DX」で効果爆上がり
第8話:全社員を自主的に行動させる「行動量」の重要性
第9話:型化① 型づくりの経緯
第10話:型化② 3種類の型
第11話:型化③ トップとしての重荷が軽くなった!? 型づくりのメリットについて(この記事)
第12話(最終回):9億円の赤字を回避し、業績2倍を実現した「3つの取り組み」とは
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Authorこの記事の著者

株式会社ジョンソンホームズ|常務取締役|グループ常務
川田 新平
ジョンソンホームズを陣頭指揮。企業ミッションの明文化、共有・浸透を図るとともに社員が輝き主体的に経営参加する組織づくりを通して、新たな成長軌道に導く。現在はグループで展開する多様な事業にコミット。社員皆をよくするために、毎月500名の社員の話を聴くことを自ら実行している。